全切開と部分切開– category –

切開法と傷跡リスク全切開と部分切開

全切開と部分切開を分けているのは、切る長さと、そこから手が届く層の広さです。全切開はまぶたの端から端まで25〜30mmを開き、部分切開は数か所に小さな窓を作って合計10〜15mmにとどめます。

この差がそのまま、皮膚をどれだけ切除できるか、脂肪をどこまで扱えるかという幅になります。厚みとたるみが強いまぶたほど、全切開でなければ届かない場面が増えていきます。

引き換えに、腫れも傷跡も部分切開より長く残ります。どちらを選ぶかは好みではなく、いまのまぶたの状態から決まるものです。

全切開と部分切開は切る長さと触れる層が違う

全切開と部分切開の切開線を目元に並べ、端から端までの1本と3つの短い線分という長さの違いを寸法線で示した図解イラスト

同じ切開法という括りでも、開ける窓の大きさが違えば、中でできることも変わってきます。

比べる点全切開部分切開
切る長さ25〜30mm合計10〜15mm
手術時間40〜60分20〜40分
腫れが引くまで2〜4週間1〜2週間
皮膚の切除広く取れる限られる

部分切開は小さな窓を数か所つくる

部分切開では3〜5mmほどの切開窓を2〜3か所つくり、そこから脂肪を適量だけ抜いてラインを固定します。全切開のように挙筋腱膜と皮膚を6〜8か所で縫い合わせるところまでは踏み込みません。

全切開と部分切開の違いは、この操作できる範囲の広さに集約されます。

全切開が向いているのは厚みとたるみが強いまぶた

上まぶたの断面を5つの層に分け、全切開では皮膚から隔膜前脂肪までまとめて手が届くことを破線の囲いで示した図解イラスト

脂肪が多く皮膚も余っているまぶたでは、糸で留めるだけでは形が保てません。

脂肪と皮膚を同時に減らせる

眼窩脂肪だけでなく、隔膜前脂肪と呼ばれるROOFまで扱えるのが全切開の利点です。皮膚の余りも直接見ながら切除できますが、まぶたの縁から眉の下端まで20mm以上は残すという線引きがあります。

全切開が向いている人の特徴と、皮膚切除がなぜ要るのかを合わせて読むと、埋没法では届かない理由が分かります。

脂肪を取りすぎると別の悩みが出る

減らせば良いというものではなく、抜きすぎればくぼみ目になります。逆に厚みを残したまま幅を広く取ると、腫れぼったさが居座ってハム目と呼ばれる状態に近づきます。

ハム目リスク回避の考え方を先に知っておくと、どこまで取るかという相談がしやすくなるでしょう。

部分切開で足りるのは全切開ほどの余りが無いとき

まぶたが薄くたるみも軽いなら、傷を短く済ませる選択に無理はありません。

傷を短く、費用も抑えられる

費用は全切開の6〜8割ほどで、腫れも1〜2週間で落ち着きます。埋没法が戻ってしまった方が次に選ぶ手としても現実的でしょう。

ただし目尻側に寄ったたるみは中央の切開だけでは処理しきれず、幅の広い平行型も作りにくくなります。部分切開のメリットと限界を把握したうえで選んでください。

全切開と部分切開でラインの持ちはどう違う?

二重のラインが消える割合を埋没法と切開法で比べ、埋没法のほうが長く幅も大きいことを2本の横帯で示した図解イラスト

切開法はどちらも埋没法より戻りにくいものの、永久に変わらないとまでは言えません。

癒着する面が広いほど固定は強い

ラインが消える割合は切開法で1〜3%ほど、部分切開に絞ると2%前後です。埋没法では1.3%から16.8%と幅が大きく、点で留めるか線で留めるかの差がそのまま出ています。

全切開と部分切開の持続性と強度の比較を、持続性と取れる確率の考え方と並べて読むのがよいでしょう。

平行型を狙うなら全切開のほうが自由度は高い

蒙古ひだの張りが強いまぶたでは、どこまで内側を触れるかが仕上がりを決めます。

内側の組織へ届くかどうかが分かれ目

全切開ではまぶた全体を開けるため、目頭側の組織まで手が入ります。部分切開は2mmから10mmほどの短い切開線にとどまるので、蒙古ひだが強いと平行型を作りきれません。

平行型のデザイン自由度がどこで決まるのかを知っておくと、希望を伝えるときの言葉が具体的になります。

全切開のデメリットは傷跡とダウンタイム

全切開の傷跡が3日から1年にかけて濃い線から淡い線へ変わっていくことを、時間軸の上に並べた4本の線で示した図解イラスト

得られるものが大きいぶん、引き受ける側も相応に重くなります。

  • 腫れ … ピークは術後3日ごろで、大きな腫れが引くまで2週間
  • 抜糸 … 術後5〜7日。ここまでは目立つ状態が続く
  • 完成 … 組織が落ち着くまで3〜6か月かかる
  • 可逆性 … 一度切ると元の状態には戻せない

傷は二重の線に隠れていく

切開線は二重のラインに沿って入るので、目を開けているあいだは折り込まれて見えません。赤みは3か月を過ぎるころから薄れ、6か月から1年かけて白っぽい線へ変わっていきます。

ケロイド体質の方や紫外線を浴びやすい生活の方は、傷跡経過とケアの手順を先に確かめておくほうが安心です。

休みは職種から逆算する

在宅なら2〜3日、デスクワークで3日から1週間、接客や営業では1〜2週間ほどみておきたいところです。費用も20〜40万円と埋没法より重くなります。

全切開のデメリットを一通り並べたうえで、術後経過と復帰の目安と突き合わせて日取りを決めてください。

全切開と部分切開を選ぶ前のセルフチェック

診察の前に、自分のまぶたがどちら寄りかを大まかにつかんでおけます。

  • 厚み … 目を閉じてまぶたの中央を指でつまみ、つまめる量を見る
  • たるみ … 鏡で、皮膚がまつげの生え際にかぶさっていないか確かめる
  • これまで … 埋没法が取れた経験があるかどうかを思い返す

薄くてたるみが無ければ部分切開、厚みとたるみがあれば全切開、埋没法が取れた経験があれば全切開が候補になります。術式のセルフチェックを一度なぞってから、診察で答え合わせをしてください。

よくある質問

全切開と部分切開は、どちらを選ぶべきですか?

まぶたの状態で決まります。厚みがあってたるみも出ている場合や、埋没法が取れた経験がある場合は全切開が候補です。薄くてたるみが無いなら部分切開で足りますので、好みではなく、つまめる厚みと皮膚の余りから判断してください。

全切開の傷跡は目立ちますか?

切開線が二重のラインに沿って入るため、目を開けているあいだは折り込まれて見えません。赤みは3か月ごろから薄れ、半年から1年で白っぽい線に変わります。ケロイド体質の方は経過が違いますので、診察のときに申し出てください。

全切開のあと、仕事にはいつ戻れますか?

在宅なら2〜3日、デスクワークで3日から1週間が目安です。人と会う仕事では抜糸が済む1〜2週間ほどみておくと安心でしょう。大きな腫れが引くのは術後2週間ごろですので、大事な予定は1か月ほど空けてください。

全切開をすると、二重は一生取れませんか?

戻りにくくはなりますが、一生変わらないとは言えません。ラインが消える割合は切開法で1〜3%ほどと報告されています。癒着した面で支える仕組みなので埋没法よりは安定しますが、加齢でたるみが出れば幅の見え方は変わっていきます。

部分切開から全切開へやり直すことはできますか?

できます。部分切開の切開線を含めて開け直す形になりますが、瘢痕が入っているぶん初回より難易度は上がります。何度も切り直すほどまぶたは硬くなりますので、最初の設計でどこまで求めるかを詰めておくほうが結果的に負担は軽くなるでしょう。

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