傷跡経過とケア– category –

切開法と傷跡リスク傷跡経過とケア

二重切開の傷跡は、完全に消えるわけではありません。ただ、切開線が二重の折り目に重なるため、半年から1年ほどかけて赤みや硬さが引き、目立ちにくくなっていきます。

抜糸後に傷が閉じたら、紫外線対策と保湿を続けるのがケアの基本です。赤みが残っていても経過の途中である場合が多いため、色と厚みの変化を分けて見ていきます。

盛り上がりが傷の外へ広がる、痛みが強くなるといった変化は、経過を待たずに担当医へ相談する目安です。長引く傷跡には、赤み・盛り上がり・凹みのそれぞれに合う治療があります。

二重切開の傷跡は残るが折り目で目立ちにくくなる

切開線が二重の折り目に重なると開眼時には見えにくくなりますが、目を閉じたときや伏し目では線が見える場合があります。

切開する範囲と線の位置も関わる

二重整形の全切開は広い範囲を切り、部分切開は切る範囲を限る方法です。二重切開の傷跡が馴染むまでの期間や目立ち方には、切開線の長さに加え、位置や皮膚の状態も関わります。

二重切開の傷跡が赤みから白い線へ変わる経過

二重切開後の傷跡が赤みのある線から淡く細い線へ変化する経過図

傷は炎症を経て新しい組織をつくり、その組織をつくり替えながら落ち着きます。

術後の時期色の目安厚みや硬さの目安
1か月まで赤みが目につきやすい腫れが重なり厚く見える
1〜3か月赤みが続く場合も硬さや軽い盛り上がりを感じる
3〜6か月赤みが徐々に薄れる少しずつ柔らかくなる
半年〜1年薄い白い線へ近づく平らに落ち着いていく

白い線でも手術前の皮膚とは異なる

赤い色には炎症や新しい血管が関わり、血管が減る経過で二重切開の傷跡は白い線に近づきます。白くなっても、つやや硬さなどの質感の違いは残る場合があります。

傷跡の広がりで見分ける肥厚性瘢痕とケロイド

傷の範囲内に収まる肥厚性瘢痕と範囲を越えて広がるケロイドの比較図

傷の範囲内で厚く盛り上がるのが肥厚性瘢痕で、もとの傷を越えて広がるのがケロイドです。

まぶたの腫れと瘢痕を診察で区別

術後の盛り上がりには、腫れと肥厚性瘢痕を区別する診察が必要です。

まぶたにケロイドは起こりにくいものの、過去の傷が盛り上がって広がった人や、家族にケロイドがある人は、体質に関わる情報として手術前に担当医へ伝えます。二重切開の傷跡に肥厚性瘢痕が出た場合の対応も相談しておきます。

傷跡が残りやすい体質と手術側の要因

目立つ傷跡には体質だけでなく、切開線の設計や縫合、傷にかかる張力も関係します。

傷跡の残りやすさに関わる項目として、次の点を担当医に伝えます。

  • 過去の傷 … 手術やけがの跡が厚くなった部位と経過
  • 家族歴 … 家族にケロイドができた人がいるか
  • 喫煙 … 1日に吸う本数と喫煙年数、禁煙している場合はやめた時期

術後の診察とケアを事前に相談

傷跡が残りやすい人の特徴に当てはまっても、まぶたに同じ傷跡ができるとは限りません。担当医とは、術後の診察や連絡の目安、保湿の開始時期を決めておきます。

二重切開の抜糸までは傷を刺激しない

手術当日から抜糸までの期間は、洗顔で濡らしてよい範囲や冷やす時間を手術施設に確かめます。抜糸は手術から5〜7日後が目安です。

まぶたをこすったり、かさぶたをはがしたりせず、仕事への復帰は術後経過と作業の負担を踏まえて決めます。

抜糸後の傷跡ケアは保護と保湿から

抜糸後に続ける紫外線対策、保湿、シリコン製品、刺激を避けるケアの図解

傷跡のケアを始めてよいかは抜糸しただけでは判断できないため、傷が閉じてから担当医の許可を得て始めます。傷が閉じた状態とは、表面が皮膚で覆われ、開いた隙間や液のにじみがない状態です。

  • 紫外線対策 … 帽子などで日差しを避ける
  • 保湿 … 白色ワセリンなど、使用を認められた製品を薄く塗る
  • シリコン製品 … ジェルかシートか、1日に使う時間を医師に確認
  • 摩擦を減らす … こする、つまむなどの刺激を避ける

日差しと乾燥から保護

日焼け止めや保湿剤の使用を始めたら、しみる感じや新たな赤みが出ないかを見ます。赤みを隠そうと何種類も重ねず、刺激を感じる製品は使用を中止します。

シリコンジェルやシートは適応を確認

シリコンジェルやシートは、傷が閉じたあとに盛り上がりがある傷跡や、そのリスクがあると医師が判断した傷跡に使う選択肢です。

二重切開の術後の傷跡ケアでは、塗る範囲や貼る位置も確認し、目に入らないように使います。赤みやかゆみが出たらいったん使用をやめ、再開してよいか担当医に確かめます。

メイクは塗るときも落とすときも軽く

メイクの再開を許可されたら、二重切開の傷跡を隠す化粧品は少量を軽くのせます。落とす際もまぶたを引っ張らず、痛む部分には使わないのが基本です。

傷跡の赤み・盛り上がり・凹みで治療は変わる

傷跡の赤み、盛り上がり、凹みに応じた治療候補を並べた模式図

医師は赤みや硬さの変化、目の開閉への支障を確認し、回復を待つか治療を始めるかを判断します。

注射とレーザーは効果と副作用を比較

盛り上がりにはステロイド注射、二重切開の傷跡の赤みなどにはレーザーを検討する場合があります。傷跡を完全に消せる治療ではありません。皮膚が薄くなる変化や色素の変化といった副作用、目の保護も治療前に確認する項目です。

凹みの修正手術にも限界

凹みがある場合は、皮膚と深部の組織の癒着を診察し、二重切開の傷跡の修正手術を検討します。新たな瘢痕も生じるため、傷をなくすのではなく、凹みや形の改善を目指す治療です。

傷跡の広がりや強い痛みは早めに相談

いったん和らいだ痛みが強くなる、急に腫れが増す、膿が出る、かゆみで眠れない、盛り上がりが横へ広がるといった変化があれば、予定の診察日を待たず手術施設へ連絡してください。

急な変化と緩やかな回復を分ける

少しずつ色が薄れ硬さも和らいでいる場合は、定期診察で変化を確かめながら経過を見ます。半年を過ぎても赤みや厚みが引かない場合も診察の目安です。

二重切開の傷跡がある間はコンタクトレンズを使えませんか?

装着時にまぶたを引っ張る動作や目の乾燥が負担になるため、担当医の許可までは眼鏡を使うのが基本です。診察では再開する日と装着時間を確かめます。再開後も痛みが出るなら装着をやめ、手術施設に相談しましょう。

二重切開の傷跡が落ち着く前にまつげエクステはできますか?

施術中のテープや接着剤、まぶたへの接触が刺激になるため、再開時期は担当医に確かめる必要があります。腫れや接着剤によるかぶれの経験も相談材料になります。許可後も、施術者へ手術した時期と避けたい刺激を伝えておくとよいでしょう。

二重切開の傷跡は再手術のたびに増えますか?

同じ切開線を使う場合もあり、再手術の回数と見える線の本数は一致しません。新しい線が残るか気になる場合は、予定する切開位置が以前の線と重なるか、ずれるかを、手術前の診察で担当医と確認しておくのが基本です。

二重切開の傷跡ケアは男性でも同じですか?

紫外線対策と、傷の状態に合う保湿を続ける基本は同じです。性別だけで傷の治り方は決まらず、皮膚の状態や喫煙習慣なども影響します。メイクをしない場合も、屋外で過ごす時間や普段使う洗顔料などを担当医へ伝えると、生活に合うケアを相談できます。

二重切開の傷跡はマッサージで柔らかくできますか?

硬さがあるからといって、自己判断で揉むのは避けるのが安全です。傷が落ち着く前に強く触ると刺激となり、赤みや腫れを増やすおそれがあります。担当医にはマッサージが必要かを尋ね、行う場合は始める時期や触れる範囲、力加減を確かめます。

二重切開の傷跡について心配な方は、埼玉・浦和駅近くのオジスキンクリニックへお気軽にご相談ください。

当院では、治療によって期待される効果だけでなくリスクについてもお伝えし、その説明を踏まえて治療を受けるかどうかを決めていただく方針です。

一人の医師が継続して経過を把握する体制をとっており、浦和駅から徒歩1分の場所で、傷跡や術後の経過に不安がある方のご相談を受け付けています。

Dr.王子 富登

王子富登は形成外科専門医で、オジスキンクリニックにおいて、二重切開をはじめとする目元の治療・手術を担当しています。

2010年に慶應義塾大学医学部を卒業して同大学の形成外科を経た後、東邦大学医療センター佐倉病院形成外科で医局長を務め、2017年にはまぶた眼瞼外来を開設しました。

日本形成外科学会専門医の資格と医学博士の学位を有し、目元の治療・手術に携わるなかで、初回の手術に加え、他院で手術を受けた方の術後の修正も執刀してきた経歴があります。

参考文献

Leszczynski, R., da Silva, C. A., Pinto, A. C. P. N., Kuczynski, U., & da Silva, E. M. (2022). Laser therapy for treating hypertrophic and keloid scars. The Cochrane database of systematic reviews, 9(9), CD011642. https://doi.org/10.1002/14651858.CD011642.pub2

Wang, P. H., Huang, B. S., Horng, H. C., Yeh, C. C., & Chen, Y. J. (2018). Wound healing. Journal of the Chinese Medical Association : JCMA, 81(2), 94-101. https://doi.org/10.1016/j.jcma.2017.11.002

Wang, Z. C., Zhao, W. Y., Cao, Y., Liu, Y. Q., Sun, Q., Shi, P., Cai, J. Q., Shen, X. Z., & Tan, W. Q. (2020). The Roles of Inflammation in Keloid and Hypertrophic Scars. Frontiers in immunology, 11, 603187. https://doi.org/10.3389/fimmu.2020.603187

Ogawa, R., Dohi, T., Tosa, M., Aoki, M., & Akaishi, S. (2021). The Latest Strategy for Keloid and Hypertrophic Scar Prevention and Treatment: The Nippon Medical School (NMS) Protocol. Journal of Nippon Medical School = Nippon Ika Daigaku zasshi, 88(1), 2-9. https://doi.org/10.1272/jnms.JNMS.2021_88-106

Choi, C., Mukovozov, I., Jazdarehee, A., Rai, R., Sachdeva, M., Shunmugam, M., Zaslavsky, K., Byun, S., & Barankin, B. (2022). Management of hypertrophic scars in adults: A systematic review and meta-analysis. The Australasian journal of dermatology, 63(2), 172-189. https://doi.org/10.1111/ajd.13790

Hameedi, S. G., Saulsbery, A., & Olutoye, O. O. (2025). The Pathophysiology and Management of Pathologic Scarring-a Contemporary Review. Advances in wound care, 14(1), 48-64. https://doi.org/10.1089/wound.2023.0185

de Oliveira, G. V., & Gold, M. H. (2020). Silicone sheets and new gels to treat hypertrophic scars and keloids: A short review. Dermatologic therapy, 33(4), e13705. https://doi.org/10.1111/dth.13705

Liu, Z., Liu, M., Huang, W., Wang, Z., & Shi, H. (2024). Surgical Correction of Depressed Scars After Upper Blepharoplasty: A Turnover Orbicularis-Septum Composite Flap Technique. The Journal of craniofacial surgery, 35(4), 1261-1263. https://doi.org/10.1097/SCS.0000000000010022

Aghajani, A., Babaei, L., & Eshraghi, B. (2026). From Incision to Healing: An Evidence-Based Review of Scar Optimization in Upper Blepharoplasty. Aesthetic plastic surgery, 50(2), 604-615. https://doi.org/10.1007/s00266-025-05414-6

1