まぶたの厚みを解消する全切開とは?二重整形の仕組みと特徴を解説

まぶたの厚みを解消する全切開とは?二重整形の仕組みと特徴を解説

全切開とは、まぶたの皮膚を切開して余分な脂肪や組織を取り除き、くっきりとした二重ラインを形成する手術です。埋没法ではラインが定着しにくい厚いまぶたの方にとって、半永久的な二重を目指せる選択肢として関心を集めています。

まぶたの厚みが原因で埋没法の糸が外れてしまった経験をお持ちの方や、もともと脂肪の多いまぶたに悩んでいる方にとっては、組織そのものにアプローチできる全切開が有力な候補となるでしょう。

この記事では、全切開の具体的な施術内容やダウンタイム、埋没法との違い、そしてクリニック選びのポイントまで、二重整形を検討中の方に向けて詳しくお伝えします。

目次

全切開とは?厚いまぶたでも二重ラインが定着する二重整形

全切開は、まぶた全体を横方向に切開して二重のラインを作る施術です。切開した部分で皮膚と筋肉(挙筋腱膜)を直接縫合して固定するため、厚みのあるまぶたでも安定した二重を形成できます。

全切開の二重手術で行われる施術の流れ

施術では、まず希望する二重幅に合わせてまぶたにデザインラインを描きます。局所麻酔を行ったあと、デザインラインに沿ってまぶたの皮膚を切開し、必要に応じて眼窩脂肪(がんかしぼう)と呼ばれるまぶた内部の脂肪組織を適量除去します。

脂肪除去のあと、皮膚の下にある眼輪筋(がんりんきん)という筋肉を一部処理し、挙筋腱膜(きょきんけんまく)と皮膚を縫い合わせます。この固定によって、まぶたを開くたびに自然なラインが折り込まれる二重が完成する仕組みです。

全切開が「半永久的な二重」といわれる理由

埋没法が糸の力だけでまぶたを留めるのに対し、全切開では切開した組織同士が癒着(ゆちゃく)して結合します。この癒着による固定は糸が外れても失われにくいため、半永久的な持続が期待できます。

加齢によるまぶたのたるみで多少ラインが変化する可能性はあるものの、二重そのものが完全に消えてしまうケースはまれです。一度の手術で長期間にわたる効果を得たいと考える方に適した術式といえるでしょう。

全切開の手術時間と麻酔の種類

手術時間は片目あたり30〜60分程度が目安で、両目で約1〜2時間ほどかかります。麻酔は局所麻酔が基本ですが、痛みや不安が強い方には笑気麻酔や静脈麻酔を併用するクリニックもあります。

術中に痛みを感じることはほとんどありませんが、麻酔注射の際にチクッとした感覚がある点は事前に理解しておくと安心です。笑気麻酔はリラックス効果が高く、手術への恐怖心が強い方にとって心理的なハードルを下げてくれるでしょう。

項目内容
手術時間両目で約1〜2時間
麻酔方法局所麻酔(笑気・静脈麻酔の併用可)
抜糸時期術後5〜7日
持続期間半永久的

まぶたが厚い人ほど全切開が選ばれる二重整形の理由

まぶたの脂肪が多い方や皮膚に厚みがある方は、埋没法の糸だけでは組織を十分に固定できず、二重ラインが浅くなったり消えたりしやすい傾向があります。全切開は脂肪を直接除去できるため、こうしたまぶたの構造的な問題に対応できる術式です。

一重まぶたと二重まぶたの構造はどう違うのか

二重まぶたの方は、まぶたを持ち上げる挙筋腱膜から皮膚へ向かう線維性の連結が発達しています。まぶたを開くときに、この連結が皮膚を引き込んで折り目ができるのが「二重のライン」です。

一方、一重まぶたの方はこの連結が乏しく、さらに眼窩隔膜(がんかかくまく)と挙筋腱膜の合流点がまぶたの縁に近い位置にあります。そのため脂肪がまぶたの前面にまで張り出し、仮に連結があっても折り目が隠れてしまうのです。

全切開がまぶたの厚みを解消できる理由

全切開では、まぶたの厚みの原因となっている眼窩脂肪や眼輪筋の一部、余分な皮膚を切開創から直接取り除けます。脂肪を減らすことで、挙筋腱膜と皮膚の距離が縮まり、安定した癒着が得られやすくなります。

埋没法は糸で間接的に連結を模倣する方法ですが、厚いまぶたでは脂肪が糸の固定を妨げます。全切開はこの障壁となる脂肪を物理的に除去できるため、厚みのあるまぶたにも対応できるわけです。

蒙古ひだが強い方への全切開のアプローチ

蒙古ひだ(目頭を覆う皮膚のひだ)が発達している方は、二重ラインの内側端が隠れてしまい、幅広い平行型二重を作りにくい場合があります。全切開に目頭切開を組み合わせると、ラインの始点を調整し、希望するデザインに近づけられます。

ただし、蒙古ひだの処理は顔全体の印象を大きく左右するため、自然な仕上がりを優先して慎重に検討することが大切です。目頭切開なしでも末広型の二重であれば、蒙古ひだを活かした柔らかい印象の目元を作ることも可能です。

まぶたの特徴全切開での対応
脂肪が多い眼窩脂肪を適量除去
皮膚が厚い余剰皮膚・眼輪筋を処理
蒙古ひだが強い目頭切開の併用を検討

全切開と埋没法の違いを比較して二重整形を選ぶ

二重整形には大きく分けて全切開と埋没法の2つの方法があり、まぶたの状態や希望する仕上がりによって適した術式が異なります。

比較項目全切開埋没法
施術方法まぶた全体を切開糸で数か所を固定
持続性半永久的数年で後戻りの可能性
ダウンタイム約1〜3か月約1〜2週間
傷跡二重ライン上に残るほぼ目立たない
脂肪除去可能不可

埋没法は手軽だが厚いまぶたには限界がある

埋没法はメスを使わず細い糸でまぶたを留めるため、ダウンタイムが短く気軽に受けやすい施術です。しかし、まぶたの脂肪が多い方や皮膚のたるみが強い方では、糸にかかる負荷が大きくなり、数か月から数年で二重ラインが薄れたり消失したりするケースも珍しくありません。

何度も埋没法を繰り返すと、まぶたに糸が蓄積して組織に負担がかかる場合もあるため、2回以上の再手術が必要になった段階で全切開への切り替えをすすめる医師もいます。

全切開は「やり直しが難しい」と聞いて不安な方へ

全切開は組織を切除するため、埋没法のように糸を外して簡単に元に戻すことはできません。この点が不安材料になる方は少なくないでしょう。

ただし、修正手術自体は技術的に可能で、二重幅の調整や左右差の補正は経験豊富な医師であれば対応できます。修正のリスクを最小限にするには、初回の手術で仕上がりのイメージをしっかり共有することが何より大切です。

部分切開という中間的な選択肢もある

まぶたの厚みがそこまで強くない方や、全切開ほど大きな切開に抵抗がある方には「部分切開」という術式も存在します。2〜3か所の小さな切開から脂肪を取り除き、縫合して二重を形成する方法で、傷跡の範囲を最小限に抑えられるのが魅力です。

全切開と比べて傷跡が短く済む反面、除去できる脂肪の量には限りがあり、まぶたの厚みが顕著な方には十分な効果が得られない可能性もあります。自分のまぶたの状態に合った術式を選ぶためにも、カウンセリングで複数の選択肢を確認しましょう。

全切開二重手術のダウンタイムと腫れの経過

全切開のダウンタイムは個人差がありますが、大きな腫れは約1〜2週間で引き、自然な見た目に落ち着くまでにはおおむね1〜3か月かかります。

術後1週間の過ごし方と抜糸まで

手術当日から翌日にかけてが腫れのピークで、まぶた全体がかなり腫れた状態になります。患部を冷やすと腫れの軽減が期待できるため、保冷剤をタオルで包んで目元にあてるとよいでしょう。

抜糸は術後5〜7日目に行うのが一般的です。抜糸までは洗顔時に傷口をこすらないよう注意し、処方された軟膏を塗布して感染を防ぎます。メイクは抜糸後から可能としているクリニックが多い傾向にあります。

腫れが落ち着くまでの経過と日常生活への影響

抜糸を終えた術後2週間ほどで、7〜8割程度の腫れが収まります。ただし、朝起きたときにむくみやすい状態はしばらく続くこともあるでしょう。

術後1か月が経過すると、二重の幅がおおよそ安定してきます。完全に仕上がりが定まるのは3〜6か月後で、傷跡の赤みも時間とともに目立たなくなっていきます。軽い運動は術後2週間頃から再開可能ですが、激しい運動や飲酒は1か月ほど控えるよう指導されるのが通常です。

全切開の傷跡は目立つのか

切開線は二重のラインの上に作るため、目を開いている状態では折り目に隠れて目立ちにくい設計になっています。術後間もないうちは赤みや硬さがありますが、半年から1年ほどかけて徐々に薄れていくのが一般的な経過です。

体質によっては傷跡が目立ちやすい方もいるため、ケロイド体質や過去の傷の治り方について、カウンセリング時に医師へ伝えておくことをおすすめします。目を閉じたときに薄い線が見える場合もありますが、アイメイクで十分にカバーできる程度であることがほとんどです。

時期経過の目安
術後1〜3日腫れのピーク、内出血が出ることも
術後5〜7日抜糸、メイク再開可能
術後2週間大きな腫れが7〜8割引く
術後1〜3か月二重幅が安定し自然な状態に
術後6か月〜1年傷跡の赤みがほぼ消える

全切開二重整形のリスクと注意点を知っておく

どんな外科手術にもリスクはあり、全切開も例外ではありません。事前にリスクを把握しておけば、想定外の事態に慌てず対処できます。

左右差や二重幅の仕上がりが希望と異なるリスク

全切開後に報告されるトラブルのなかで最も多いのが、左右の二重幅の非対称です。人間の顔はもともと左右対称ではないため、完全に均等な仕上がりを保証するのは困難であることを理解しておきましょう。

二重幅が希望より広くなったり狭くなったりするケースもあります。術前のカウンセリングでシミュレーションを重ね、仕上がりのイメージを医師と一致させておくことが、こうしたズレを防ぐうえで効果的です。

腫れや内出血が長引く場合の対処

通常は2〜3週間で大半の腫れが引きますが、体質や術後の過ごし方によっては腫れが長引くときもあります。まぶたを触ったりこすったりする習慣がある方は、無意識の刺激が回復を遅らせることがあるため注意が必要です。

内出血は術後1〜2週間で吸収されるのが一般的ですが、血流を促進する行為(長風呂、飲酒、激しい運動など)を早い段階で行うと悪化する可能性があります。医師の指示を守って安静に過ごすことが回復への近道です。

感染症やドライアイなど合併症への備え

切開を伴う手術である以上、傷口から細菌が侵入する感染のリスクはゼロにはなりません。術後に処方される抗生剤の服用と傷口の清潔維持を徹底してください。万が一、強い痛みや発熱が生じた場合はすぐにクリニックへ連絡することが肝心です。

まれに、まぶたの挙筋腱膜を操作する影響で一時的にまぶたが閉じにくくなり、ドライアイの症状が出ることがあります。多くは術後数週間から数か月で改善しますが、気になる場合は早めに担当医へ相談しましょう。

  • 術後は処方薬を指示どおり服用する
  • 傷口を清潔に保ち、触らない
  • 飲酒や激しい運動は1か月ほど控える
  • 異常を感じたら速やかにクリニックへ連絡する

全切開の二重整形で満足するためのクリニック選び

全切開はやり直しが容易ではない手術であるため、クリニック選びが仕上がりの満足度を大きく左右します。費用の安さだけで決めず、医師の経験や対応の丁寧さを総合的に判断しましょう。

二重整形の症例数が豊富な医師を選ぶ

全切開は埋没法と比べて高い技術力を求められる施術です。特にまぶたの厚みや蒙古ひだの程度に応じた脂肪除去量の見極め、二重幅のデザインセンスは、数多くの症例をこなしてきた医師ほど精度が高い傾向にあります。

ホームページやSNSで術前・術後の写真を公開しているクリニックであれば、仕上がりの雰囲気を事前に確認できます。自分の理想に近い症例が多い医師を選ぶと、イメージのすり合わせもスムーズに進むでしょう。

カウンセリングで確認しておきたいポイント

カウンセリングでは、二重の幅やライン形状(末広型・平行型など)だけでなく、脂肪除去の量やダウンタイムの見通しについても具体的に質問してみてください。

医師が一方的に術式を決めるのではなく、患者さんの希望を丁寧に聞いたうえで提案してくれるかどうかが信頼できるクリニックの判断材料になります。

複数のクリニックでカウンセリングを受け比較することも、後悔しないための有効な方法です。

  • 医師の症例写真を複数確認する
  • 希望する二重デザインの写真を持参する
  • 術後の保証制度やアフターケア体制を確認する
  • 不安な点はすべてカウンセリングで質問する

術後のアフターケア体制も忘れずチェック

手術はゴールではなく、むしろスタートです。術後に腫れや左右差が気になったとき、迅速に対応してもらえるかどうかはクリニック選びの大切な基準のひとつです。

定期的な経過観察の診察が無料で受けられるか、修正手術の保証期間が設けられているかなど、アフターフォローの内容を事前に把握しておくと安心して手術に臨めます。

チェック項目確認内容
医師の経験全切開の症例数・専門分野
カウンセリング丁寧なヒアリングと提案
アフターケア経過観察・修正保証の有無

よくある質問

全切開の二重手術は痛みが強いですか?

手術中は局所麻酔が効いているため、ほとんど痛みを感じることはありません。麻酔注射の際にチクッとした痛みがある程度で、施術中に耐えがたい痛みが生じることはまれです。

術後は麻酔が切れたあとに鈍い痛みや張り感が出る場合がありますが、処方される痛み止めで十分にコントロールできる範囲です。痛みのピークは手術当日の夜から翌日にかけてで、数日で徐々に和らいでいきます。

全切開で作った二重は加齢で消えてしまうことがありますか?

全切開で形成された二重ラインは、組織同士の癒着によって固定されているため、加齢によって完全に消えてしまう可能性は低いといえます。ただし、年齢とともにまぶたの皮膚がたるむと、二重幅が狭く見えたり、ラインがかぶさって目立ちにくくなったりすることはあります。

こうした加齢変化は二重ラインそのものが消失したわけではなく、皮膚のたるみが上から覆いかぶさっている状態です。たるみが気になった場合は、余分な皮膚を取り除く追加施術で改善を図れます。

全切開の二重整形を受けた後、コンタクトレンズはいつから使用できますか?

一般的には、抜糸が完了する術後1週間前後からコンタクトレンズの装着が可能となるクリニックが多い傾向にあります。ただし、腫れが強く残っている場合にはレンズの装着が物理的に難しかったり、違和感が出やすかったりするため、担当医の許可を得てから再開してください。

特にハードコンタクトレンズはまぶたへの負荷が大きいため、ソフトレンズよりも再開時期を遅らせるよう指示されることがあります。術後しばらくはメガネで過ごす準備をしておくと安心でしょう。

全切開の二重手術は何歳くらいから受けられますか?

全切開を含む二重整形は、まぶたの成長がほぼ完了する18歳以上を受け入れの目安としているクリニックが大半です。未成年の場合は保護者の同意が必要となり、成長途中のまぶたに手術を行うとその後の変化で結果が安定しにくいリスクもあります。

年齢の上限については明確な制限がないクリニックがほとんどで、40代・50代以上の方でもまぶたのたるみ取りを兼ねて全切開を受けるケースはあります。健康状態に問題がなければ年齢だけで施術を断られることは少ないでしょう。

全切開の二重手術で希望どおりの幅にならなかった場合、修正はできますか?

全切開後に二重幅の修正を行うことは技術的に可能です。幅を広げる修正の場合は、既存の切開線より上の位置で再切開して新しいラインを作ります。一方、幅を狭くしたい場合は癒着した組織を剥離して再固定する必要があるため、やや難易度が上がります。

修正手術は初回手術の腫れが完全に引いてから行うのが原則で、術後6か月から1年程度の期間を空けるのが一般的です。初回手術の仕上がりに不安がある方は、修正保証のあるクリニックを選んでおくと精神的な負担を軽減できます。

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この記事を書いた人

形成外科専門医 王子富登
形成外科専門医
王子 富登

オジスキンクリニック顧問医師 / 医学博士

2010年、慶應義塾大学医学部卒業。
慶應義塾大学病院形成外科、東邦大学医療センター佐倉病院形成外科(医局長)などを経て現職。

形成外科専門医として大学病院で研鑽を積み、2016年度には眼瞼下垂手術の執刀症例数が千葉県最多を記録。まぶた眼瞼外来の開設や、大手美容クリニックでの勤務経験も併せ持つ。
二重手術、眼瞼下垂手術、二重修正手術、逆さまつげ手術など、まぶた治療において豊富な経験を有し、初回手術から難症例まで幅広く対応している。

また、日本美容外科学会(JSAS・JSAPS)などにおいて、まぶた手術や修正手術に関するシンポジウム・パネルディスカッションへの招待演者として多数登壇し、専門的な知見の発信も行っている。

「目の前の患者さんを自分の家族だと思ってメスを持つ」を信条に、二重整形、眼瞼下垂、まぶたのたるみ治療、他院修正など、“まぶた治療”のスペシャリストとして、機能性と美しさの両立を追求した緻密な手術を行っている。

【所属学会】
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)

学会発表歴はこちら

2025年 第113回日本美容外科学会(JSAS)

  • 「眼瞼修正シンポジウム」招待演者
    演題:「治しにくい二重切開、治しやすい二重切開 ― 修正手術の現実からみるその違い ―」
  • 「ラウンドテーブルディスカッション ~眼瞼下垂を極める~」招待演者

2024年 第47回日本美容外科学会総会(JSAPS)

  • 「二重修正シンポジウム」招待演者
    演題:「重瞼における“姿”=“重瞼の強さ”を意識した修正手術」

2023年 第47回日本美容外科学会総会(JSAPS)

  • 「パネルディスカッション 眼瞼形成術後の修正術」招待演者
    演題:「二重まぶたの修正手術を考える」
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