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脂肪溶解注射はたるむ?たるまない?

こんにちは、オジスキンクリニックの吉原です

今日は脂肪溶解注射について。

世界的にはカイベラという脂肪溶解注射がメジャーですが、残念ながら日本での取り扱いはありません。

ですが、カイベラと同じデオキシコール酸濃度の製剤として「FatX core」 が存在します。

脂肪溶解注射はデオキシコール酸という成分の濃度に依存するところが大きく、日本ではFatX、FatXcoreがカイベラと同等の効果を得ることができる唯一の製剤です。

今回はカイベラについての論文がいくつかあったので、その効果と「たるみ」についてお話。

痩せるとたるむ、は正解

 

脂肪溶解注射を検討される方から「脂肪がなくなったらたるみますか?」というご質問をいただきます。

実際どうなのでしょうか?

 

体重が急激に10kg減ったりしますと、脂肪細胞が小さくなるため皮膚があまります。

これは「たるみ」ですね。

当然といえば当然です。

ここで気になるのは脂肪溶解注射はどうなのか、というところ。

脂肪溶解注射も脂肪細胞が減るため、同じようなことが起こるのでしょうか。

 

脂肪溶解注射で脂肪はなくなるけれど♡

 

Deoxycholic Acid: A Review in Submental Fat Contouring American Journal of Clinical Dermatology volume 17, pages701–707(2016)

こちらの論文をみてみます。

デオキシコール酸を含む脂肪溶解注射(カイベラ)を顎下に注入したところ、2回以上の治療で12週間後に測定したところ、たるみなく顎下膨満感が解消され、2年のフォローでも体重増減がなければ維持されていたとのことです。

つまり、脂肪溶解注射ではたるみは出ないことになります。

別の論文では、むしろ過剰な皮膚のたるみが客観的スコアで10%以上で改善されたという結果も出ていました。

 

脂肪溶解注射はたるまない?

 

なぜ、体重減少では出てしまう皮膚の余りが起こらないのでしょうか。

デオキシコール酸は注入後から赤み・腫れが出ます。これは脂肪細胞が破壊されているときに炎症が起こっている証拠でもあります。炎症が起こるとコラーゲンが産生されるため、本来脂肪が減るとでるはずのたるみが出ずにすっきりすると考えられます。

専門的な話をすると、カイベラは注入後に脂肪細胞を破壊していきます。その後、マクロファージという貪食細胞を遊走させる力があることがわかっています。これは2種類の効果があり、ひとつは破壊された脂肪細胞の断片の処理と遊離脂肪の除去。もうひとつは線維芽細胞を増殖させ、コラーゲンをつくることです。

(デオキシコール酸は濃度が高くなるほど不可逆的に脂肪細胞を除去することがわかっています。)

つまり、急激なダイエットでは出てしまう皮膚のあまりが脂肪溶解注射では起こらずにすっきりとさせることができるのです。

 

 

 

脂肪溶解注射による効果はいつから出るのか。

 

カイベラ(日本ではFatX coreですが)は腫れが伴います。

これは少なくとも1週間は続きます。

その後コラーゲンが産生されるまでに実は時間がかかります。

文献によるとおよそ3~6か月かけて皮膚が引き締まっていくことがわかっています。

カイベラによる治療を受けた被験者の80%以上が「満足」という結果を得ているのですから効果のある治療といえます。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5172481/

Noninvasive Submental Fat Compartment Treatment  2016 Dec; 4(12 Suppl): e1155. Published online 2016 Dec 14

 

 

脂肪溶解注射を受けるときの注意点はある?

では、いざ脂肪溶解注射を施術するときに絶対注意したほうがいいことはなんでしょうか。これについては詳しくまた別の記事にまとめたいと思います。

 

まとめ

 

脂肪を減らす方法はたくさんありますが、部分的脂肪減少を図るのであれば脂肪溶解注射は非常によい治療だと思います。

FatX coreは通院回数は少なく効果優先の方へ

カベリンは通院回数は多くてもばれたくない方へ

 

脂肪溶解注射も奥が深いです。

脂肪吸引に比較してダウンタイムやリスクが少なく、日帰りで受けることができるのがとてもよいメリットですね。

 

気になる方、お気軽にご相談ください。

 

浦和駅1分の美容皮膚科・まぶたの治療【OZI SKIN CLINIC】

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脂肪溶解注射って効果はあるの?種類別に徹底比較②!

前回は脂肪溶解注射について基本事項をまとめました。(こちら)

前回の記事からもわかるように、脂肪溶解注射が効いてくれるのはデオキシコール酸がとても大切です。

デオキシコール酸製剤の中でも非常に優れた効果を発揮するカイベラ。

本当はカイベラを打ちたいけれど、日本では難しいのが現状です。

 

アメリカFDA認可の最強の脂肪溶解注射、カイベラ。

先にお伝えしたように日本では取り扱いすることができません。

カイベラに代わる最強の脂肪溶解注射ってあるのでしょうか。

日本でよく聞く脂肪溶解注射含めて細かくその特徴をまとめてみました。

ちなみにフォスファチジルコリンとの合剤は部分的に効果を出していきたいときには範囲がひろがってしまうのと、その製剤に含まれるデオキシコール酸濃度が高くても合剤となると脂肪溶解効果が落ちてしまいます。

脂肪溶解注射を検討するのであれば、FDAの認可を得ているデオキシコール酸単剤のものがおすすめ。

そもそも、最近は効果を出すためにデオキシコール酸単剤のものがメインですね。

 

脂肪溶解注射を比較

BNLS注射 0%~0.02%

 

いま日本でメジャーな脂肪溶解注射といえばBNLS注射ですね。

初代BNLSは韓国で発売され、腫れない!痛くない!という理由で日本で流行しました。

デオキシコール酸は0%です。

しかし、本場韓国では「デオキシコール酸がはいっていない。これでは効果は出にくいだろう」ということであまり流通しなかったのです。

日本市場でのシェアは高かったのですが…。

その後、初代BNLSも改良され、BNLSneo、BNLSアルティメットと名前を変えました。それでもBNLSneoは0.0001%、BNLSアルティメットは0.02%。

低濃度で到底カイベラにはかないません。

ただし、腫れずに治療継続できるため、絶対に腫れたくない方にはよいかもしれません。

週に1回 6~8回程度の治療が必要になります。

1回はもちろん、5~6回で効果を感じるのはまず難しいのが難点。

そして注入する薬の量も必然的にやや多めになります。

コスト面もトータルするとかかってきてしまうのと、打つ量が増えるほど臓器(腎臓)への負担もかかってきてしまいます。

 

カベリン(カベライン)0.5%

カベリンはカイベラのちょうど半分の濃度です。

0.5%というのは効果と腫れのバランスがとれた非常に優れた濃度なんですよね。

ばれたくない、でも効果を出したい!という方には圧倒的にカベリンがおすすめ。

当院でも取り扱いがありますが、注射をしても家族にも指摘されずに少しずつこっそり細くなっていかれました。

ただし、こちらも1週間に1度の頻度で5~6回程度治療を重ねる必要があります。

カベリンのよいところは、細かいデザインが必要なまぶたの脂肪にも注射することができるところ。

これ以上濃度が高くなると、まぶたはデザインしにくくなるため推奨しません(当院でも取り扱いのあるFatXcoreはまぶたはお断りしています)。

 

チンセラプラス 0.8%

チンセラプラスは最近発売された脂肪溶解注射です。

0.8%あるので当然チンセラプラスよりも腫れが出ます。

ただし、お酒を飲んだ翌日+α程度で済みます。

チンセラプラスは良くも悪くも腫れもまあまあ、効果もまあまあ!

メリットとしては3~4週間おきの通院でOKなところ。

ただし、しっかり効果を感じるためには少なくとも4回、できれば6回程度必要です。

 

FatX 1%

FatXはなんとカイベラと同等の濃度です。

すなわち、その効果も高く、日本では発売されたときに美容皮膚科業界がざわつきました。

カイベラと同程度なので、1月に1回の治療を2回以上で効果を感じ始めることができます。

が、これが腫れるんです。カイベラも腫れるので当然といえば当然なのですが…

そして、このFatX、実は昨年リニューアルしました。それがFatXcore。

FatXのアップデートバージョンなので、FatXを打つのであれば間違いなくFatXcoreがおすすめ。

 

FatX core 1%

デオキシコール酸の濃度は1%とカイベラと同程度なのにも関わらず、腫れをFatXよりも抑えた画期的な脂肪溶解注射です。

あくまでデオキシコール酸は1%と高濃度なので全く腫れないわけではありません。

ですが、「腫れ=脂肪が破壊されていることによる炎症」なので全く腫れないよりも効果が出ているようで私はそのダウンタイムが好きです(笑)

およそ1週間はふっくらと腫れ、さらに1週間で腫れが目立たなくなります。

その後からすっきりした感じが出てきます。

カイベラが日本に入荷できない時点で、カイベラのような効果を求めるのであればこの製剤が一番よいと思います。

腫れよりもしっかりと効果を求めたい方にはおすすめです。

ただし、デオキシコール酸は局所の脂肪を減らす力が強いため、まぶたや鼻先には施術していません。

脂肪がつきやすい頬や二重顎、カラダにはとても良い適応かと思います。

まとめると

上記のようになります。

カベリン(カベライン)は4~5回でもある程度効果はみえてきますが、FatX coreと同程度の効果を求める場合はさらに回数を重ねていく必要があります。

BNLSシリーズは、6~8回と記載しましたが、それ以上打ってもあまり効果が変わっていかない印象です。腫れずにばれずに!!であればBNLSは選択肢のひとつかと思います。

 

当院で扱いのあるものは

FatX core 

なるべく早く効果を実感したい方へ。腫れはある程度許容できる方はおすすめ。

カベリン

周囲にばれずに脂肪を減らしていきたい方向け。通院回数は許容できる方へおすすめ。

 

まとめ

脂肪溶解注射にも種類があり、それぞれ特徴も異なることなんとなくわかっていただけたでしょうか。

脂肪を局所的に減らしていきたい方へは大きな内出血もなく非常に優れた治療法だと思います。

もちろん、トータルで細くなりたい!という方もいらっしゃると思いますので、その場合は食事療法や運動療法のほか、メディカルダイエットのサポートも可能です。

2週間で3~4kg痩せられた方もいらっしゃいます(^^♪

健康的な体になることが目標なので、痩せすぎもNGですが(^^;

 

今回は脂肪溶解注射についてまとめてみました。

気になる方はお気軽にお問合せくださいね。

 

 

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脂肪溶解注射って効果はあるの?種類別に徹底比較①

こんにちは、オジスキンクリニックの吉原です。

今回は最近お問合せの多い「脂肪溶解注射」についてです。

注射で脂肪が減るなんて、夢のようなお話ですが、実際に減ります。

ただし、製剤は自分に合ったものを慎重に選ぶ必要があります。

脂肪を減らすものは美容業界においてたくさんありますが、脂肪溶解注射は脂肪吸引のように大きく腫れることもないため施術としては試しやすいのではと思います。

二の腕や顎下など、部分的に落としたい方にはおすすめの治療のひとつです。

 

実は脂肪溶解注射は種類がたくさんあり、一概に「脂肪溶解注射は効果がある」とか「脂肪溶解注射は効果がない」なんて言えないのです。

逆に「脂肪溶解注射はどれも一緒」というのも違います。

成分は違いますし、脂肪溶解注射の中身の成分も異なります。

腫れたくない方向け、腫れてもいいから少ない回数で効果を感じたい方向け、まぶたや鼻に打ちたい方向け…などなど。

今回は少しマニアックに脂肪溶解注射について製剤比較含めて解説していきます。

脂肪溶解注射とは

脂肪溶解注射とは、デオキシコール酸が配合されているものを主に指します。

主に、という表現をするのは理由があります。なかにはむくみを取るような成分しか入っていないものもあるからです。

脂肪を破壊するためにはデオキシコール酸が必要です。

デオキシコール酸とは、脂肪を破壊することができるもので、脂肪を乳化させて溶かす働きがあります。

よく比較されるのはフォスファチジルコリン(PPC)ですね。

これは脂肪を破壊するのではなく脂肪の代謝を促す働きがあるものです。

脂肪を破壊して溶かす力はないため単剤としては脂肪溶解注射としても効果が乏しいのです。

ですので、フォスファチジルコリン配合!と記載されているものは、デオキシコール酸が合剤として配合されることが多く、実はデオキシコール酸が脂肪溶解のメインの役割を果たしています。

 

フォスファチジルコリンの役割は?

①デオキシコール酸を広範囲に広める

→ピンポイントで顎下や頬を減らしたい場合はポイントごとの効果が弱まる。カラダでのご希望の場合は1か所への注射でぼんやり周囲まで広がるため良いかも?

②デオキシコール酸の脂肪への過剰な働きを弱める

→脂肪溶解効果を頭打ちにしてしまう。ただし、デオキシコール酸は脂肪を破壊するときに炎症を起こすため、その炎症の度合いは弱くなる

 

フォスファチジルコリンとデオキシコール酸の合剤(ミケランジェロ、Revital celluformなど)も製造はありますが、脂肪を溶かす効果があるのは「デオキシコール酸」ですので、臨床でしっかりと効果が認められているのもデオキシコール酸単剤のものとなります。

そして、アメリカの厚生労働省=FDAに認可されているのも当然デオキシコール酸単体1%の(カイベラ)製品になります。

 

カイベラとは

FDAに脂肪溶解注射として効果と安全性が認められているカイベラとはなんなのでしょうか。

カイベラは1%のデオキシコール酸が単剤で配合された顔や二重顎に使用できる画期的な脂肪溶解注射です。

デオキシコール酸の濃度が非常に高濃度であるため、当然腫れも強いのですが、その分効果も高く出ます。

カイベラとは→What’s KYBELLA

https://www.mykybella.com/what-is-kybella

カイベラはその効果の高さから5~6年前から話題となっていましたが、最近はさらにSNSなども広まり、ひろく認知されています。

脂肪が気になる部位へ注射をしていきますが、部位に応じて2~回が目安となっています。

非常に優れた脂肪溶解効果があるため日本でも使用したいのですが…

実は日本では輸入できないことになっています。

これは注入方法が特殊であるため製造販売元が制限しているからです。

これにはきっと日本中の医師が落胆したはず。

カイベラが入荷できないとなると、それに代わる脂肪溶解注射があるのか…

種類別に特徴を記載していきますので、次回をお楽しみに…♡

 

そしてご興味のある方はカイベラ製品のビフォーアフター症例をみてみてください♡

 

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イソトレチノイン価格が変更となります

料金変更

輸入コストの上昇に伴い3月よりイソトレチノインの料金が変更となります。

¥16,000→¥16,500

皆様にはご迷惑をおかけいたしますが何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

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首のいぼ、出てきていませんか?

こんにちは、オジスキンクリニックの吉原です。

はやいものでもう3月ですね。

2月はみなさんいかがお過ごしでしたでしょうか。

2021年もきっとあっという間。

成長できた、と思える年末を迎えるために1日1日大切に大切に過ごしていきたいと思います。

さて、先日首がざらつくんです…とおっしゃられた方がご来院。

他院さんでピーリングをされていたようです。ただしあまり改善されず。

よーく見ると…

キノコの様に盛り上がっているものがたくさん。。。

これ、何でしょう。

(https://pluslife.jp/893/#i-13)

首のいぼの正体とは

実はこれ「アクロコルドン」「スキンタッグ」といいます。

年齢とともに出てきやすいですが、首だけでなく胸周りや脇の近くにもできたりします。

肌の新陳代謝が落ちると出てくるため…ターンオーバーが遅くなっている証拠でもあります。

また、摩擦も原因のひとつとなりますので擦れやすい部分にできます。

 

一度できたものはキノコのようにそこで成長していきます。

触った感じも気になるし

見た目もよいものではないですよね。

 

広告に出ているクリームでは取れません

首は隠しにくい部位のひとつ。

気になっている方、実は簡単に取ることができますよ。

ただし、よくインターネットの広告で出てくるイボクリームのようなものでは取れません。

なぜなら、れっきとした皮膚のできもの(腫瘍)のひとつだからです。

そして、実は病院で治療するのが一番きれいに治ってくれます。

ただし、ピーリングなどで取れるようなものではありません。

もちろん代謝をあげるので「予防する」ということにはつながりますが…

そして、気にならないのであれば良性腫瘍(=ガンなどではない)であるため放っておいても大丈夫ですよ。

 

治療方法

当院では基本的にはレーザーによる治療とマイクロ剪刀による治療の2種類をご案内しています。(非常に大きいものになると日帰りで手術という選択肢も出てきます。)

アクロコルドンの大きさや部位に応じて治療方法を選択します。

当院では世界で初めてCO2レーザーを開発したルミナス社の高性能スキャナー搭載型炭酸ガスレーザーAcupulseアキュパルスを導入しています。厚生労働省の認可を得ている機械であり、安全に確実な効果を期待できます。

 

そのほか、

□液体窒素

□電気メス

といった治療方法もありますが、色素沈着が長期化するリスクが上がるためおすすめしません。

黒や茶色の色味が数年残ることも。

 

 

 

気になる場合はお早目に

首元がすっきりするだけで過ごしやすくなります(^^♪

首のアクロコルドン、気になる場合ははやめにとってしまいましょう!

 

アクロコルドンは皮膚腫瘍のひとつ。場合によっては保険適応となります。

お気軽にお問合せください。

 

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これってホクロ?しみ?

こんにちは、オジスキンクリニックの吉原です。

 

よく、お客様からご質問があるのですが

「これってホクロですか?」

 

ホクロとシミって同じように色素があるので見分けにくいのが事実。

ただし、ホクロとしみは病理学的に全く異なります。

 

ホクロとしみは違うもの

少し専門的な内容になるのですが、ホクロとしみの違いをご説明しましょう。

 

ホクロとは

ホクロとは医学的にいうと「母斑」です。

本来はメラノサイトなどの役割をもった細胞へなるはずだったのに、進化しきれずに中途半端な状態になってしまった母斑細胞が増殖している状態です。

母斑細胞は中途半端にメラニン色素を作り、かつ増殖してしまうため部分的にメラニンがたまっていきます。

(https://jsprs.or.jp/general/disease/umaretsuki/hifu/shikiso.html)

ホクロの種類

ホクロにも平らなものと盛り上がっているものがありますね。

実は、ホクロの細胞「母斑細胞」の存在する位置が異なります。

それぞれの深さによって3種類に分けることができます。

(わかりやすいようにイラストにしてみました)

①境界母斑  皮膚の浅い部分(表皮と真皮の境界)に母斑細胞がたまっている状態

②複合母斑 皮膚の浅い部分に加えてさらに真皮にまで母斑細胞がたまっている状態

③真皮内母斑 真皮内に母斑細胞がたまっている状態 隆起している

 

上記をみてもわかるように、実は母斑細胞が深くなればなるほど、隆起が強くなる傾向にあります。

はじめは①境界母斑であっても年々母斑細胞が深くまで増殖し、②のように複合母斑となることもあります。

隆起しているホクロは大きさもある程度あることが多く(10mm~など)、部位によってはレーザー治療以外をご案内することもあります。

いずれにせよ、「きれいに治す」ことが一番の目標。

レーザー治療の場合は、平坦になるように削っていくことがポイント。

そしてホームケアもしっかり指導させていただきます。

 

しみとは

しみはメラノサイトがつくったメラニン色素が表皮にたまったものです。

紫外線や摩擦が原因となり、放っておいてもきれいにはなりません…。

見た目は平坦ですが、境界の比較的はっきりした色素班として表面にみえます。

 

では、ホクロとしみ、どのように見分けるのでしょうか。

例外はありますが、わかりやすい見分け方をお伝えします。

 

・隆起している

・色素班に伴って毛が生えている

・生まれながらにある

・徐々に隆起してきた

・6mm以下で比較的左右対称

・よく見ると辺縁のほうが中心よりも薄くなっている

上記のようなものは「ホクロ」の可能性が高いです。

 

逆に

・6mm以上ある

・隆起していない

・年々濃くなってきた

・よく見ると色ムラがあり、不規則

上記のようなものは「しみ」の可能性が高いです。

ただし、もちろん例外もあります。

しみとホクロは使用するレーザーが基本的に異なるため、実際に拝見してからの診察が大切になります。顔は紫外線を浴びやすく皮脂腺もあり、カラダに比べて様々なできものができやすい部位です。

ほくろ、いぼ、しみ、とみなさんが呼んでいるものは実は何十種類(下手すると100種類以上)にも分類できてしまうので…

 

ホクロ治療は慎重に

治療方法はその方に合わせて、がオジスキンクリニックのこだわりです。

特に、ホクロの中でも境界母斑と複合母斑では実は治療方法を変えてご案内しています。

一番の目的は「きれいに治すこと」です。

境界母斑に対する炭酸ガスレーザー以外の治療方法、また改めてブログに書きますね。

 

 

ホクロは場合によっては保険適応で治療可能です。

再発時の再照射はコストフリーです(保険適応の場合除く)。

 

お気軽にお問合せください。

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ホクロのレーザー治療を受ける前に知っておきたい!レーザー治療の跡をきれいに治すための3つのこと

こんにちは、オジスキンクリニックの吉原です。

前回、ホクロのレーザー治療について解説しました(→こちら

レーザー治療を受けるのであれば機械は一択です。

少なくともスキャナ付レーザー。これに勝るものはありません。

ですが、きれいに治すためにさらにできることがあります。

実はレーザー治療後にたった3つのことを気を付けるだけでホクロ治療後の跡の残り方は雲泥の差がでます。

ぜひ知っておいてくださいね。

 

◆治療を受ける前に◆

まず、ホクロの治療を受ける前にそのホクロが急激な拡大をしていないか、出血・じくじくがないかを確かめてください。

もし、あてはまるのであれば「悪性」のホクロの可能性があります。

そうではないのであればホクロのレーザー治療を受けることができます。

万が一、怪しいなと思った場合はレーザー治療ではなく切除がおすすめです。

 

◆①治療を受ける前の一言◆

ホクロを取る際に一番大切なのは「いかに平坦にきれいに治すか」です。

ホクロのレーザーは皮膚を削るものです。皮膚を削るということは、当然「へこみ」ますよね。

実はホクロの色素を奥まで1度で取り切ろうとすると、深く削られすぎてしまうことがあります。削られすぎると当然へこみ、へこんだまま平らにならないことがあります。

ホクロ治療をするとき、どうしても1回で色素をなくしたいわけではないのであれば

「1度で取り切れなくてもよいので、あまり削りすぎないでください」

と伝えてみてください。

もちろん、また色素が出てくるリスクはありますが、その場合は再照射すれば取れていきます。

1か月後の再発よりも、半年後にきれいにホクロが取れていることのほうが大切ですよね。

 

◆②レーザー治療を受けた後のケアを一工夫◆

ホクロのレーザーは皮膚を削り取っていくことで色素をなくしていくものです。

削ったあとに新しい皮膚がしっかりできるまでは必ずテープを貼る必要があります。

当院では傷をきれいに治すための軟膏と特殊なテープをお出ししています。

施術後に貼るのと貼らないのでは皮膚がきれいにできるまでの期間も皮膚の質も違いますよ。

逆にいうと必ずテープを貼ることができるタイミングでレーザー治療を受けてください。

 

◆③皮膚が新しくできても油断禁物◆

新しい皮膚は非常に繊細です。

ここでテープを貼り終えたからと油断して日光を浴びたり、雑に扱ってしまうとからなず色素沈着が長引きます。

色素沈着とは、ケガの跡が茶色に残るアレです。皮膚にダメージが加わることでメラニン色素が一時的に増えてしまう状態。

もちろん体質によるところも大きいですが、なるべく大切に大切に扱うことで色素沈着の時間を短くできます。

大切なのは

①日焼け止め

紫外線はお肌に大敵です。特にレーザー照射後の新しい皮膚には。必ずSPF30以上の日焼け止めを使用してください。そしてできれば2時間おきの塗りなおしです。マスクはあてになりません。

②こすらない

よく、色味を整えるためにコンシーラーなどでごしごしする方がいます。これは絶対NG。こすらないよう、やさしく触ってあげてくださいね。

③色素沈着をはやく鎮めるための栄養

色素沈着はビタミンC、Eなどが一役買ってくれます。食事からの摂取が難しい場合は内服薬に頼るのもありです。また、クリニックでの処方となりますが、言わずと知れたトラネキサム酸やタチオンも色素沈着に効果があります。しっかり内服継続するとしみやくすみにも効果がありますよ。

 

◆まとめ◆

気になるホクロはきれいに取ることが一番大切。

「遠足は家に帰るまでが遠足」とおなじで、ホクロもアフターケアまでがホクロ取りです(^^♪

当院ではアキュパルスというスキャナ付炭酸ガスレーザーを用いて拡大鏡下でホクロを取ります。きれいに治すために深追いは禁物ですので、1回で取り切れない可能性をご了承いただきます。ただし再照射のご料金はいただいておりません(^^

ホクロは場合によっては保険適応となります。

お気軽にお問合せください。

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ホクロの取り方徹底解説!レーザーも種類があるって知ってましたか?

こんにちはオジスキンクリニックの吉原です。

今日は最近問合せの多いほくろ取りレーザーについての投稿です。

ホクロがなくなるだけで肌のトーンがあがってみえます。

でも、取るのは勇気がいりますよね。

レーザー治療を受ける前に、そのメリットデメリットをお伝えしてきますね。

◆ホクロを取りたい!と思ったら◆

気になるホクロ、ありますか?

まずはそのホクロに合った治療方法をしっかり選びましょう。

ホクロ治療には実はいくつか方法があります。

①液体窒素

マイナス196℃の液体窒素をホクロに押し付けて取ります。直後に黒くなり表面が壊死します。ホクロの深さによりますが2~4週間間隔で何度か繰り返して除去していきます。

②電気凝固

電気メスで削り取っていく方法です。

③レーザー治療

炭酸ガスレーザーもしくはエルビウムレーザーによる治療です。

④切除・縫合

ホクロをメスで切り取り、その後手術用の糸で縫い合わせます。

➄くりぬき法

ホクロをくりぬき、自然に治癒させます。

 

①・②の治療は最近は見かけにくくなりました。周囲の正常な細胞へのダメージが大きく、どうしても色素沈着のリスクがあがるからです。

気になるホクロを取ったらへこんだキズアトになってしまった、皮膚がぼこぼこした…となってしまうと元も子もありませんね。

④・➄は手術によるものです。局所麻酔で日帰りでできますので、ホクロの大きさが10mmを超えると検討することが多いです。ただし、縫合するとなるとホクロの大きさの2~3倍の傷跡がつくことになりますので選択するときは慎重に…!

必ず顔面の皮膚腫瘍を手術するのであればプロフェッショナルの形成外科医にお願いしましょう。

ホクロの大きさが数ミリで悪性所見がなければホクロの大きさそのまま削り取ることができるレーザー治療がおすすめです。

 

◆レーザー治療とは◆

ホクロ取りに使うのは

①炭酸ガス(CO2)レーザー

②エルビウムレーザー

の2種類です。どちらも組織を削っていくレーザーです。

その違いは止血効果があるかどうか。

炭酸ガスレーザーは止血効果がありますが、エルビウムレーザーにはありません。

止血効果があると家に帰ってからの処置がとっても楽ですね。

そしてもう1つ、大事な利点があります。

実は両者のレーザーとも「水分に吸収される」んです。水分があると、そこにレーザーが吸収されてしまい、それ以上削れなくなります。

つまり、エルビウムレーザーは削っていくと血がにじんでくるため、それ以上削れなくなってしまいます。

なので取り残ししやすい、とも言われていますね。

当院で扱いがあるのは炭酸ガスレーザーの「アキュパルス」という機械です。

 

◆炭酸ガスレーザーも実はピンキリ◆

炭酸ガスレーザーにも実は種類があります。

「スキャナなし炭酸ガスレーザー」と「スキャナ付炭酸ガスレーザー」

スキャナとは、レーザーの照射径を自動で調整できるハイテクな機能です。0.1mm単位での調整が可能で、ホクロの大きさに応じて自動で削りとっていきます。

一方、スキャナがついていない場合は0.2mm程度の照射径のものをフリーハンドでホクロ全体に打っていきます。

フリーハンドなので細かくきれいにすり鉢状に削るのは至難の業です…。

たとえば、ホクロが1cmあった場合で考えてみましょう。

スキャナ付きレーザーの場合は1cmの照射径で1回でホクロ全体に照射できるのに対して、スキャナがついていない場合は0.2mm程度で数十回にわけてフリーハンドで打っていくことになるのです。隙間が空いたり、部分的に重ね打ちになってしまったりしてきます。

 

わかりやすい画像があったので拝借して掲載させていただきます。

スキャナなしレーザーが上、スキャナ付きが下です!

http://clinic-n.mitelog.jp/blog/co2re/

絶対に下のレーザーで治療してもらいたいですよね(^^;

さらにわかりやすく比較してみます。

スキャナなし スキャナ付
施術時間 大きなホクロは時間がかかる ホクロの大きさに合わせて削れるため、短時間
痛み 時間がかかると麻酔がきれる可能性がある 出にくい
施術後の長期間の色素沈着 出る 出にくい
再発リスク 高い 低い
キズが凸凹するリスク ある ほぼなし
その他 ・ドクターの技量により色素沈着が長引いたり、凸凹する。
・比較的安価に施術を受けることができる。
導入しているクリニックが少ない

ホクロを取るのに、スキャナ付を選ばない理由がありません。

従来のスキャナなしのホクロ取りレーザーに劣る部分がありません!

デメリットとしてあげるのであれば導入しているクリニックが少なく、クリニックの選択肢があまりなくなってしまうことでしょう。

 

◆スキャナ付レーザーの種類を知ろう◆

スキャナ付きレーザーにもいくつかありますが、機種は限られています。

①eCO2(キャンデラ社)

メリット:以前からある機種なので出回っている確率が高い。

デメリット:ホクロ取りの場合は辺縁が炭化するため、組織のダメージが多い

②Co2RE(キャンデラ社)

メリット:eCO2の上位機種。(毛穴やニキビ跡治療としてのフラクショナルレーザーの仕様がeCo2から変わり、扱いやすくなった。)

デメリット:ホクロ取りの場合は辺縁が炭化するため、組織のダメージが多い

③アキュパルス(ルミナス社)

メリット:すり鉢状に削るモードを搭載しているため、ホクロに特化した施術が可能。辺縁を炭化させずに削りとることができるため病変以外の組織への熱損傷を最小限に抑えて、炎症反応や色素沈着のリスクが軽減される。

デメリット:機械自体が高価なので導入しているクリニックが少ない

 

当院で導入しているのはアキュパルスレーザーです。

当院をオープンするときに、たくさんのメーカーから話を聞き、実際に施術を行い…

悩んで決めた、のではなく即決でした!!

明らかに機械としての性能がよく、いわゆる優等生。

要領はよいけどトラブルメーカー、なにをやらせても平均点、素直で性格はよいけれど結果はいまいち…などたくさんの機械がありましたが、本当に優等生なんです。

世界的にも優れた機種で、色素沈着の時間が明らかに短く済むうえ、すり鉢状に削ることができるため凹みが残りにくいのも特徴です。

 

◆ホクロ取りは慎重に!◆

気になるホクロがなくなるとお肌のトーンもあがったように感じると思います。

ただし、ホクロを取るのと引き換えにおおきなへこみやキズアトは残したくありませんよね。

レーザー治療を受けるときは機種までしっかり記載してあるクリニックがおすすめです!

もちろん、出血・急拡大・びらんなどを伴う場合は悪性腫瘍の可能性もありますのでしっかり見極めが大切なのは大前提です。

当院ではレーザー治療のみならず、大きさや性状によっては形成外科専門医が切除し、取り切ることも可能です。

部位によってはレーザーよりもきれいに治癒することもありますよ。

ホクロ取り、場合によっては保険が適応となります。

ぜひお気軽にご相談くださいね。

浦和駅1分の美容皮膚科・まぶたの治療【OZI SKIN CLINIC】

日付:  カテゴリ:ホクロ, 女医のきれいブログ

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