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二重修正解説1|強すぎる食い込み

形成外科専門医の王子富登です。私の専門領域である二重修正についての解説ブログを書いていこうと思います。

二重修正「二度あることは三度ある」

「二度あることは三度ある」と「三度目の正直」。
似ている言葉ですが、手術においては前者があてはまることが多いです。
二重切開や二重修正は確かに難しい。だから複数回の修正手術が必要になることもあるかもしれない。

でも実際のところどうなのか。

ここだけの話、同じ医師に修正してもらうとしても、2回受けて改善していないのであれば3回目を受けるのは避けてください。いままでそういったケースをたくさん見聞きしてきましたから。
無料修正という、着地点を考えない向こう見ずな修正を何度も受けて、皮膚が不足し修正困難な状態になってしまった患者さんの悲しみは計り知れないです。
同じクリニックで修正手術を受けるとしても、原則2回までにしましょう。
これはぜひ覚えておいてほしいです。(もちろん、高度な技術を持った医師であれば話は別です。)

同じクリニックで二重切開を3回受けた後の強い食い込み

今回紹介するのは、同じクリニックで3回二重切開を受けた後の強い食い込みのケースです。

このかたは数年前に、自然な二重切開が有名なクリニックで二重切開を受けたところ、二重のゆるみにともなって二重幅が狭くなってきたので同医師で再度二重切開を受けました。

すると、今度は目頭側の強い食い込みが残ってしまったので、3回目の二重切開を同医師に依頼した結果、なぜか食い込みは良くなるどころかひどくなってしまいました。

まさに「二度あることは三度ある」です。

左の写真からわかる通り、目を閉じたときにも強すぎる食い込みがあります。もちろん強い食い込みは二重幅を広くする副作用もあるので幅広二重もセットです。
でもこういった食い込みは手術中や手術直後の食い込み具合をチェックすれば防げるはずなのにどうして。
と思うのですが、そもそもそれができたら修正にもなりませんし、世の中には医師もたくさんいるので、やりかたや考え方は人それぞれなので否定するわけではないです。中年にもなると寛容さも大切になってきますから。
ただ、ひとつ思うのは、二重の強さなどを考えずに二重の手術をしている医師が普通に存在することが怖いということです。

二重切開後の二重幅の広さと強い食い込みには本当に悩されます。
人によっては社会生活に支障がでるかたもいらっしゃいます。
実際、このかたは幼いお子さんを抱っこしての写真を撮ることすらできなくなったとお話していたのが印象に残っています。

そんな時こそ、なんとかして修正してあげたいと思うのです。

手術は事前準備と計画が大切

私はすべての修正手術において、術前に撮影させていただいた写真とカルテを前日まで徹底的に読み込むのを日課としています。

どのようなデザインで切るか。
どの組織をどの程度ひっぱりあげるか。
足をすくわれそうな気を付けるべきポイントはどこか。


考えるべきことは盛りだくさん。考えながら手術の計画を立てます。
私も慣れているといえば慣れているので、ある程度定型的な修正手術もありますが、
やはりそこは人間の体の一部。ましてや一番やわらかく動く組織であるまぶた。
毎回同じようにはいきません。
計画と準備はかかせないです。

今回のケースでは髪の毛が100本抜けるくらい悩んだ末に、前回の切開線より下のラインを切ることにしました。
俗にいう「傷2本線での修正」です。
もちろん最優先に考えるべきデザインは、同じ線で切る「傷1本線での修正」です。必ずこれを優先に考えますし、多くの場合で傷1本線での修正で対応できます。
ただ、くぼみ目傾向のあるかたは注意が必要です。
なぜならくぼみ目があると術後に思ったよりも二重幅が広くなってしまうからです。

でもちょっと待ってください。勘のいいかたであれば先ほどの術前の写真を見るとくぼみがないことに気がつきます。なーんだ、くぼみがないから普通にデザインすればいいやと思いますよね。

しかしながら、そんなに甘くはいかないのが二重修正。この方は食い込みが異常高値であるので、それでくぼみが無いように見えているだけなんです。つまり、その食い込みの異常値を治してあげると、もともとあったくぼみ目が出現してくると予想したのです。くぼみ目がでてくると二重が広くなります。それを考えて、傷を2本線に下げてより狭くなるようなデザインを選択しました。こういったことは経験がものをいいます。

皮膚だってむやみやたらに切り取ればいいわけではありません。
皮膚を切り取りすぎると、伏し目の時にまぶたの皮膚の色見が悪くなります。
逆に皮膚を残しすぎると、異常な食い込みを是正できたとき皮膚があまって、睫毛の上にぷにっとなります。
よーく考えて切除する皮膚の量を決めるのです。とった皮膚は戻せませんから。

手術中の所見と術中操作~術後経過

局所麻酔を必要最低限に注射してから皮膚をデザイン通りに切開していきます。
必要最低限の麻酔というのがポイントです。いつかこれはブログで解説したいと思います。
皮膚を切った段階で、様子をよく観察します。
幸いなことに二重を作成する予定の部位に眼輪筋という組織が残っていました。
触診などからもともと予見していたことですが、ほっとする瞬間でもあります。
なぜかというと、眼輪筋の残り具合が二重の食い込みや凹みの改善具合が直結するからです。
次に、眼輪筋を切開してから挙筋腱膜という重要な構造物を探しに行きます。
前の執刀医の修正は何回も経験しており、前回の手術内容はある程度想像がついているので、
挙筋腱膜をすぐに見つけることができました。
続いて挙筋腱膜とその他の組織を分ける作業(剥離)、つまり前回の二重固定の解除に移っていきます。
これが二重修正において重要な操作の一つです。
なるべく他の組織を傷つけないように、組織と組織の間を見極めて剥離していきます。
この際、前回の手術でルーフ切除や眼輪筋切除などと、眼輪筋に損傷があった場合は剥離が難航することがあります。
しかし、今回はそういったことはなく、スムーズに剥離できました。
剥離がうまくいけばいくほど前回の二重(予定外線)は出にくいです。

下準備は続きます。
もともとまつ毛側のお肉のぷっくり感(ハム目感)があった場合には、
まつ毛付近の組織の剥離も入念に行います。これをすることでハム目を退治できるんです。
ただ、これもやればやるほどいいわけではありません。
やりすぎると術後の腫れが強くなり、やらなすぎるとハム目感が残ることがあります。
どのくらいやるかの判断が重要なんです。経験がすべてです。

下準備が終わったら、二重まぶたの固定(中縫い)に移ります。
まぶたの中の組織や状態を吟味した結果、瞼板上の組織に二重を固定する方針としました。
固定する組織は状況によって変えることが多いです。
溶ける糸を使用して二重の中縫いを数点ずつ行いました。
あまり議論されることはないですが、この工程でどの組織に二重を縫い付けるかで二重の引き込みが変わってきます。
二重の手術が難しいといわれる理由はここにあります。

二重の中縫いが終わったら、最後の仕上げに吊り上げ糸を通します。
吊り上げ糸はギプス固定のイメージです。
骨折だってギプスなしでも治ることはありますが、
ギブスをすることでより安定した治癒を得たいという目的です。
吊り上げ糸もかけかたによって強さを調整できます。
今回は食い込みにくいと考えている吊り上げ糸の通し方で行いました。
吊り上げ糸を入れた後に、皮膚を細かく丁寧に縫合して手術終了。
時間にして3時間超。
私は独自の二重調整法(良い子は真似してはいけません)を行うのでどうしても時間はかかりますが、手術の麻酔を良いタイミングで適量打つようにしているので、長時間の手術となっても痛みはそれほど感じないと思います。

一番上が手術直後の写真です。
吊り上げ糸が眉のあたりにあるのがわかると思います。
吊り上げ糸があると目が閉じにくくてつらいという噂もありますが、実際には目の閉じにくさはこの程度です。乾いて痛いと言われたことはありません。吊り上げ糸は一週間後に抜糸しました。

術後7日に抜糸しました。内出血がかなり見えますね。この内出血は吊り上げ糸を通す時の内出血ですので毎回起こるわけではありません。まだこの時期はかなり食い込んで見えます。

このブログにたどり着くかたならご存じの通り、術後1か月の時点では傷が硬く、拘縮しがちなので、二重ラインががたついてみえたり、食い込みが強くみえたりします。浮腫みもあるので二重幅も広く見えます。辛抱の時期です。

一番下の段が、術後6か月です。
傷はかなり綺麗になってあれだけあった食い込みも平らになりました。
前回の傷は白くなっていますが、明らかな2本線で目立っているという印象はないと思います。
ここで思い出すのが、とある噂。

「吊り上げ法は食い込みが強くなる。」

今回、二重修正として吊り上げ法をしています。
前医での手術は吊り上げ法ではない二重切開です。

どちらが食い込んでいますか?

答えは明らかですよね。
つまり食い込みの強弱に関していえば、吊り上げ糸をいれるかどうかは本質ではないのです。
本質は別の要素にあります。それはまた別の機会に解説したいと思います。

自信をもって伏し目ができるように。

術前と術後6か月の写真を上下に並べてみました。
予定外線が出やすいとされる目頭側は、ご希望のミックス型に落ち着き、
二重幅もちょうどよいくらいの広さに落ち着いて一安心。
狭ければいいってもんじゃないですからね。
術後の閉瞼時も伏し目時も二重の食い込みは全く目立ちません。
強いていえば、前の切開線の瘢痕が白浮きしていますが、
それすら気にならないくらい平らな仕上がりとなりました。

また、術前に予想していたくぼみ目については、実際に術後にくぼみ目がやや出現しているのがわかると思います。
この時になって初めて傷2本の修正でよかったと感じるのです。
なぜなら、もし傷1本で同じ切開線で切っていたのであれば、くぼみ目の影響をもろに受けて二重幅はかなり広いまま残っていたと考えられるからです。
(仮にそうなってしまったとしても、くぼみ目にヒアルロン酸を入れたり、その時点で別の線を切る修正を再度行えば、二重を狭くすることもできますが、なるべく一発で決めてあげたいのが私の気持ちです。)
今回はくぼみが出ることを予測して傷2本での修正デザインとした結果、
ちょうどよい広すぎない狭すぎない二重をつくることができ、
予想から結果まですべてがうまくいったケースとなりました。
どんなに経験をつんで頭を使ったとしても100発100中ですべてうまくいくわけではないですが、
しっかりと考えて手術をすればおのずと打率が上がってくるはずです。


「先生のおかげで笑顔で子供と写真を撮れるようになりました。」


ありがたい一言のおかげでまた明日も頑張れそうです。


モニターのご協力ありがとうございました。
同じお悩みをお持ちのかたの参考になると思います。


【二重修正手術(吊り上げ法含む)】65万円(税別)
リスク 腫れ、内出血、左右差、食い込み、凹み、予定外線、二重幅が狭い、二重幅が広い、二重のゆるみ、原因不明の違和感等

執筆者:王子 富登
医学博士 形成外科専門医 慶應義塾大学形成外科
二重手術、眼瞼下垂手術、二重修正手術、逆さまつげ手術など、まぶた治療において豊富な経験を有し、初回手術から難症例まで幅広く対応している。
【所属学会】 日本形成外科学会  日本美容外科学会(JSAPS)

浦和駅1分の美容皮膚科・まぶたの治療【OZI SKIN CLINIC】

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