監修:形成外科専門医
王子富登
慶應義塾大学医学部 形成外科
目次
1. はじめに
2. 陥没乳頭手術の傷跡はどこにできる?
3. 傷跡の治り方
4. 傷跡が残りやすい方
5. 周囲にばれる可能性はあるのか
6. 傷跡の凹凸
7. 術式による傷跡の違い
8. 症例 20代女性
9. 形成外科専門医による傷跡をきれいに
するためのこだわり
10. Q&A
11. まとめ
12. 参考文献
はじめに

陥没乳頭に対する手術は、見た目の改善だけでなく、授乳機能や衛生面の向上を目的として行われる治療です。40歳未満であれば授乳の可能性を鑑みて保険適用になります。
当院では、陥没乳頭の名医であり世界的に有名な酒井法を生み出した「酒井成身先生」のもとで直接学んだ医師が執刀しています。
東京・大宮周辺で陥没乳頭にお悩みの方はぜひ一度ご相談にいらしてください。
手術を検討する多くの方が不安に感じるのが
「傷跡が残るのではないか」
「手術したことが周囲にばれてしまうのではないか」
という点です。
特に乳頭というデリケートな部位であるからこそ、傷跡に対する不安は大きいものです。
本コラムでは、陥没乳頭手術における「傷跡」に焦点を当て、
・傷はどこにできるのか
・どのように治っていくのか
・目立つのか、ばれるのか
・術式による違い
・傷跡をきれいにするための工夫
を、症例写真とともに形成外科専門医の視点から詳しく解説します。
陥没乳頭手術の傷跡は
どこにできる?
陥没乳頭手術では、陥没している乳頭の中央部分~乳頭基部までに傷ができることが通常です。
まれに「切らない陥没乳頭手術」として数mmの切開線を数か所あけて手術を行うことがあるようですが、再発が非常に多いため当院では酒井法に則り手術を行っています。
乳頭はもともと色調や質感が変化しているため、傷跡が周囲に紛れやすいという特徴があります。
傷跡の治り方

| 術直後〜 2週間 |
手術直後は、 ・軽度の腫れ ・赤み ・出血 などがみられます。 縫合糸がついている状態であり、場合によっては乳頭の大きさを出すために敢えて皮膚をあわせすぎないように縫合することがあります。 この時期はまだ傷跡が目立ちますが、ガーゼ等で保護している時期でもあるため周囲に見せることはあまりない時期かもしれませんね。 |
|---|---|
| 術後〜 1ヶ月 |
抜糸後、徐々に腫れが引き、赤みが軽減してくる時期です。 傷跡はピンク色を帯びた状態となります。ただし、まだ腫れと傷の硬さが残ります。 |
| 術後〜 3ヶ月 |
炎症が落ち着き、皮膚がなじんできます。 傷跡もやわらなくなり、徐々に赤みが軽減してきます。 |
| 術後〜 6ヶ月以降 |
傷は成熟し、白っぽく変化しながら周囲の皮膚と同化していきます。 |
傷跡が残りやすい方
一方で、以下の要因により傷跡が目立つ可能性もあります。
・ケロイド体質
・皮膚が色素沈着を起こしやすい
・もともと乳頭の色調が非常に濃い
・過度なテンションがかかる縫合
・術後の感染や摩擦、創部の圧迫
そのため、術式選択と術後管理が極めて重要です。
周囲にばれる可能性はあるのか

結論として、傷跡はよく見ないとわからない程度で、日常生活で周囲にばれる可能性は極めて低いはずです。
家族で温泉旅行などに行った際にばれるかどうかを気にされる方もいらっしゃいますが、おそらく気にならない程度です。
ただし、あくまで傷がなじんだころの話で、術後早期の場合は気づかれる可能性はゼロではありません。
傷跡の凹凸
【傷跡がふくらむ場合】
術後、ケロイド体質の方は傷跡が膨らむ可能性があります。
【傷跡がへこむ場合】
・もともとの組織が非常に小さい場合
・創部の乾燥
・感染
などにより傷跡がややへこんで治ることがあります。
この場合でも乳頭が突出していれば授乳は可能です。
ただし、見た目として気になる場合は再度手術にて微調整することも可能です。
その場合は整容面での対応となり、保険適用外となる可能性があります。
術式による傷跡の違い

陥没乳頭手術は大きく2つの方法に分かれます。
①乳管温存法
乳管を温存しながら原因となる線維組織を解除する方法です。
②乳管切離法
乳管を含めてしっかりと拘縮を解除する方法です。
当院ではできる限り乳管を温存しながら手術を行っております。
ただし、修正手術などではやむを得ず乳管を切離する可能性もあります。
症例 20代女性

術後3ヶ月では傷跡はほとんど目立たず、自然な乳頭形態が維持されています。

形成外科専門医による傷跡を
きれいにするためのこだわり
当院では、単に陥没を改善するだけでなく、傷跡をいかに美しく治すかに重点を置いています。
極細糸による精密縫合
縫合痕を最小限に抑える
血流の温存
創傷治癒を最大限に促進
術後管理
感染予防・保護により瘢痕を最小化
これらを総合的に行うことで、時間の経過とともにほとんど分からない傷跡を目指します。
Q&A

Q1:陥没乳頭の手術は痛いですか?
局所麻酔があるため、手術中の痛みはほとんどありません。術後は軽い痛みが数日程度あります。
Q2:手術時間はどれくらいですか?
両側1時間~1時間半程度ですが、乳頭の大きさや瘢痕の状態により多少前後します。
Q3:授乳は可能ですか?
乳管温存法であれば可能な場合がありますが、乳管切離法では難しくなります。
Q4:再発しますか?
術式や体質によっては再発の可能性がありますが、適切な手術でリスクは低減できます。
まとめ
陥没乳頭手術における傷跡は、適切な術式と形成外科的手技により、非常に目立ちにくくすることが可能です。
また、日常生活において周囲にばれる可能性も低く、多くの方が安心して治療を受けています。未成年の方でもお母さまと一緒にご来院される方も少なくありません。
一方で、仕上がりは医師の技術や術後管理によって左右されるため、信頼できる医療機関での治療選択が重要です。
傷跡が不安で一歩踏み出せない方も、まずは専門医にご相談ください。
<参考文献>
1. Han S, et al. Surgical correction of inverted nipple. Aesthetic Plast Surg.
2.Kolker AR, et al. Inverted nipple correction. Plast Reconstr Surg.
3.Elsahy NI. Correction of inverted nipples. Ann Plast Surg.
4.Sakai S, et al. Lactiferous duct preserving technique.
5.International Breastfeeding Journal, 2022
6.日本形成外科学会 「形成外科テキスト」
浦和駅1分の美容皮膚科・まぶたの治療【OZI SKIN CLINIC】
日付: 2026年4月7日 カテゴリ:女医のきれいブログ, 陥没乳頭 and tagged 形成外科専門医, 症例写真, 陥没乳頭 傷跡, 陥没乳頭 名医, 陥没乳頭 手術

