目次
2. ピコレーザーとは?
従来レーザーとの違い
3. 症例紹介
(全顔ピコレーザー照射の経過)
4. ピコレーザー照射前後の注意点
5. 治療を成功に導くための5つのポイント
6. 当院のピコシュアが
シミ取りで優秀な理由
7. オジスキンクリニックのこだわりと
安心のサポート体制
8. よくある質問(Q&A)
9. まとめ:肌を知り、
正しく治療するという選択
1.はじめに:
シミ治療はピコレーザー
年齢とともに気になってくる「シミ」。
鏡を見るたびに少しずつ増えていくように感じ、治療は受けたいけれど「どの治療が自分に合うのか」「安全に受けられるのか」と不安を感じる方も少なくありません。
近年、美容医療の現場でシミ取り治療によく使われているのがピコレーザーです。
従来のレーザーよりも肌への負担が少なく、シミやくすみをきれいにするだけでなく、正しく使うと毛穴や小じわ、ニキビ跡など肌質改善まで幅広く対応できるため、「シミを取る」だけでなく「肌そのものを美しく整える治療」として非常に優れた機器です。
ただし、ピコレーザーは万能ではありません。
照射技術・波長の選択・照射後のケア次第で結果が大きく変わるため、クリニックの見極めと自身でのケアの両輪が成功の鍵となります。
本コラムでは、シミ取り治療の経過をもとに、安全で効果的な治療のために知っておくべきポイントを詳しく解説します。これからシミ治療を検討している方にぜひ読んでいただきたいコラムです。
2. ピコレーザーとは?
従来レーザーとの違い
ピコレーザー(Pico laser)は、1兆分の1秒=ピコ秒という極めて短い時間でレーザーを照射する最新の医療レーザーです。
その超短時間パルスにより、メラニンを熱ではなく「衝撃波(光音響効果)」で粉砕することが可能となりました。少しわかりにくいと思います。要するに熱効果が少ないため、痛みも楽になりましたし、周囲へジワジワと熱ダメージが加わることなく、メラニンだけがしっかりターゲットになるので、圧倒的に肌ダメージが少ないのです。
特徴 | 従来のQスイッチレーザー | ピコレーザー |
---|---|---|
パルス幅 | ナノ秒(10⁻⁹秒) | ピコ秒(10⁻¹²秒) |
主な作用 | 熱によるメラニン破壊 | 衝撃波によるメラニン粉砕 |
熱影響 | 強い | 少ない |
ダウンタイム | 長め | 短い |
また、Qスイッチレーザーに比較して照射方法も工夫することができ、あまりダウンタイムを出さずに少しずつ肌質とシミを改善させていくこともできます。
アレンジできる部分が増えた分、マニュアル通りの照射ではなく、肌診察のうえ毎回施術の設定をしてもらえるクリニックのほうが効果が出やすい機器といえるかと思います。
3. 症例紹介
(全顔ピコレーザー照射の経過)

20代女性 ピコプレミア1回照射

30代女性 ピコプレミア1回照射

30代女性 ピコプレミア1回照射

40代男性 ピコプレミア2回
4. ピコレーザー照射前後の
注意点
ピコレーザーの効果を最大限に引き出すには、照射前後のケアが極めて重要です。
ここでは、治療を成功に導くためのポイントを「照射前」「照射直後」「その後のアフターケア」に分けて解説します。
照射前の注意点:
レーザー治療向きの肌へ
紫外線対策は絶対
日焼けした肌は炎症反応が強く、PIH(炎症後色素沈着)のリスクが高まります。
少なくとも施術2週間前からは以下を徹底しましょう:
- ・SPF30以上/PA+++以上を毎日使用し、塗り直しも
- ・日傘・帽子・サングラスで物理的遮光
- ・車中・曇天でも紫外線は届くため油断しない
旅行や海などで万が一日焼けをした場合は、2~3週間以上の間隔を空けて施術を行います。
これは日焼けで肌の炎症が起こってしまっている状態では施術ができないため、赤みが強い場合や皮膚が剥けているときは施術時期をずらします。
また、くすみがある場合などは特にレーザー照射の少なくとも1か月前から美白内服や医療用の美白剤を開始しておくことでレーザーの反応をさらに高めることができます。
自分の肌を知るためにも事前に肌診断機VISIAを撮影することをおすすめしています。
肌のコンディションを整える
強い乾燥や皮むけがあったり、花粉皮膚炎などのかぶれ、かゆみがある状態での施術はレーザーが刺激になり赤みが長引くことがあるためあまりおすすめできません。
ご自身の肌にあったスキンケアで肌バリアを整えたり、場合によってはクリニックでイオン導入
や水光注射をして肌を丈夫にしてから施術することをおすすめしています。
また、肌のターンオーバーを促進するレチノールやニキビ治療に用いられるようなベピオゲルやディフェリン、エピデュオゲルなど刺激の強い外用剤は施術前に必ず休止します。
内服薬・既往歴を必ず申告
内服薬や外用薬は内容によって治療に影響する場合があります。特に、リウマチの際に以前用いられていた金製剤は現在使用していなくてもレーザー治療に影響する可能性が高いので必ず申告していただいています。
肌にあったスキンケアの継続
施術直前にスキンケアを変更すると、かぶれが出る可能性があります。
レーザー照射の前は必ず使い慣れたスキンケアだけを使用し、不測の事態が起こらないようにケアしていただきます。
また、乾燥が強い状態では照射ができない可能性があるため、必ずシンプルでよいので化粧水だけではなく乳液まで塗布するようにしましょう。
照射直後〜2週間の注意点:
肌を守る“回復期”
クーリングと抗炎症ケア
照射直後は赤みやほてりが出るため、当院にてケアを行います。ただし、全顔照射の場合に照射箇所が多いとほてりが持続することがあります。
その場合はご自宅にて冷却したマスクパックなどで沈静していただきます。マスクパックは使い慣れたものか、クリニック専売のアレルギーが出にくいものをご使用いただくことをおすすめしております。
洗顔・入浴
洗顔は泡洗顔を心がけ、肌に負担がないように徹底します。
赤みが長引くような長風呂やサウナや岩盤浴は避けてください。
保湿の徹底
お渡しする外用薬を塗布していただくことで直後の炎症を抑えてください。
アルコール・香料入り化粧品は刺激となるため避け、肌に負担のない乳液やクリームで保湿をしてください。
紫外線ブロック
レーザーのあとのトラブルを防ぐため、日焼け止め(SPF30以上/PA+++)+帽子+マスクで徹底防御。
曇りの日でも欠かさず塗布しましょう。
メイク再開の目安
メイクは直後からでも可能ですが、下記に注意してください。
- ・メイク時にこすらない
- ・落とすのが簡単(=落とすときにこする必要がない)ものを使う
- ・かぶれの可能性があるため、初めて使用するものは使わない
シミが一時的に濃くなる現象
照射後、破壊されたメラニンがカサブタのようになり一時的に濃く見えることがあります。これはメラニンをお肌が出そうとする正常な反応です。およそ2週間で自然に剥がれ落ちます。擦ったり剥がしたりしないようにしましょう。
回復期(2週間~1か月):
肌が丈夫になってくる大切な期間
肌にあったスキンケア+UVケアの継続
新たな色素沈着を防ぐため、2~3か月間は日焼け止めを徹底。
乾燥・摩擦・紫外線はすべて色素沈着の原因になります。
VISIAによる経過観察
全顔治療の場合、治療1か月後には肌画像解析を行い、シミの残存や再発傾向を確認。
必要に応じて追加照射・外用調整を行います。
インナーケアの併用
トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE、タチオンなどの内服はメラニン生成抑制に有効です。屋外にいることが多くなってしまった場合は必要に応じて高濃度ビタミンC点滴などを併用していきましょう。日焼け後の肌ダメージ対策
睡眠とストレス管理
睡眠不足やストレスは活性酸素を増やしメラニン生成を促進します。
良質な睡眠と規則正しい生活が、治療後の肌回復を助けます。
5. 治療を成功に導くための
5つのポイント
- 1.VISIA肌診断をもとにした照射設定
- 2.炎症を抑える直後のケア
- 3.適切なタイミングでの経過観察
- 4.必要に応じて再照射や外用の併用
- 5.正しい自宅ケアの方法のお伝え
シミ取りは非常に奥が深く、照射すれば終わりではありません。
適切なアフターケアで結果も変わるため、クリニックケアと正しい自宅ケアを併用してはじめて良い結果が出ます。自宅ケアについても当院では照射時にしっかりと方法をお伝えさせていただいています。
6.当院のピコシュアが
シミ取りで優秀な理由
2022年のタイ・マヒドン大学による臨床研究(Vachiramon et al., J Cosmet Dermatol)では、
ピコシュア以外のピコレーザーの波長=532nmとピコシュアの波長=755nmピコレーザーを比較した結果、755nm群の方が明度改善・満足度・安全性すべてで優れていることが報告されました。
波長 | 主な作用部位 | 効果 | リスク |
---|---|---|---|
532nm(KTP) | 表皮浅層 | そばかす・浅いシミ | PIHリスクあり |
755nm(アレキサンドライト/PicoSure) | 真皮まで到達 | 老人性色素斑・肝斑・くすみ | 熱ダメージ少なく安全 |
オジスキンクリニックでは、この研究でも高く評価された755nmピコシュア(PicoSure®)を採用。厚労省の認可も降りている安全性の高い機械です。
光音響効果によるメラニン粉砕で、アジア人の肌にも高い安全性と効果を両立しています。
7. オジスキンクリニックのこだわりと
安心のサポート体制
VISIAによる科学的肌解析
全顔照射の際に大切になるのが肌全体の評価です。肝斑の有無、日焼けの有無を確認し、必要におじて部位毎に設定を変えて照射していきます。また、肌状態によっては照射できないこともあるため、今の肌に本当にレーザーが適しているのかどうかも含めて診察させていただきます。
経過観察とフォローアップ
照射後は適切なタイミングで経過観察にいらしていただいております。結果を出すために必要に応じて外用を併用することもあります。
カスタマイズ治療認定医師ならではの
経験と技術
肌を診断し、肌に合わせた施術を行う医師の証。全国でも6名(2025年10月現在)しか認定されていません。安心してシミ取りについてご相談いただければと思います。
8. よくある質問(Q&A)
Q. ピコレーザー直後に
シミが濃くなりました。
A.一時的な反応で、メラニン排出過程の正常反応です。
Q. 効果は何回で出ますか?
A.シミの質によります。1回でかなり薄くなる方もいますが、過角化が起こり脂漏性角化症の状態になっていると回数がかかります。
Q. ダウンタイムは?
A.一時的に濃くなりますが、腫れや皮むけが起こるわけではありません。女性はメイクも可能です。ただし、シミの数が多いと濃くなる場所が増えて目立ちますので、イベント前は避けていただいたほうがよいでしょう。
Q. 肝斑にも効果がありますか?
A.肝斑については、シミが併発していることが多いためピコレーザーが適応になることもありますが、適切な診断のうえ別途必要な治療をご提案します。
9. まとめ:肌を知り、
正しく治療するという選択
ピコレーザーは、従来のQスイッチレーザーに比較して安全で効果的なシミ治療です。
特に755nmの波長をもつピコシュアは、アジア人の肌に最適化された波長で、高い改善率と低い副作用発生率が臨床的に確認されています。
オジスキンクリニックでは、VISIA解析とカスタマイズ治療認定医師による診断を組み合わせで「安全に、確実に、美しく」シミを改善する治療を行っています。
参考文献
1)Vachiramon V, et al. J Cosmet Dermatol. 2022;21(11):4370–4377.
2)Brauer JA, et al. J Drugs Dermatol. 2015;14(6):662–667.
3)SKN Cosmetics. Why is my pigmentation getting darker after the Pico Laser? 2024.
4)Liu Y, et al. Lasers Med Sci. 2021;36(9):1913–1924.