乳輪のぶつぶつ(モントゴメリー腺)を
除去!リスクや注意点について
形成外科専門医が解説【埼玉・東京でお悩みなら】

吉原糸美先生執筆者:吉原 糸美
オジスキンクリニック浦和院 院長

目次

乳輪のぶつぶつ(モントゴメリー腺)とは

シミってなに?

モントゴメリー腺は、乳輪の乳頭の周囲にある小さな皮脂腺です 。通常、女性が妊娠するまで目立ちません。
妊娠中、授乳に備えて乳房が成長するにつれて、モンゴメリー腺も大きくなります。
大きくなるにつれてニキビのように見える場合があります。

乳輪に見える隆起の数は女性によって異なります。両側に平均約 5~ 20 個あります。乳輪の外側上部には特にモントゴメリー腺が多くあり、乳輪の大きさは腺の数に影響しないと言われています。

モントゴメリー腺の働き

シミ取りするならピコレーザー?

モンゴメリー腺の働きは主に皮脂を分泌することです。少量の母乳を放出することもありますが、主に乳頭と乳輪を洗浄して潤滑する天然の油性物質を生成します。この油状物質には抗菌作用が含まれています。 微生物や細菌の増殖を防ぎ、感染症から乳房を保護するのに役立ちます。

モントゴメリー腺は、ほとんど目の見えない新生児が乳頭を見つけやすくするために独特のにおいを発しているともいわれ、母乳育児の手助けになると考えられています。

モントゴメリー腺のケア方法

モンゴメリー腺は乳頭・乳輪に皮脂として天然の保湿剤を分泌しています。そのため、乳頭は基本的に特別な保湿をする必要はないといわれています。逆に、乳頭や乳輪を刺激の強い石鹸で洗い流してしまうと、分泌された皮脂まで洗い流されてしまいますので注意が必要です。

モントゴメリー腺は自分で
除去できる?

モントゴメリー腺は妊娠や授乳により大きくなります。見た目としてニキビにように見えますが、ニキビではありません。ニキビ治療薬を塗布する方もいますが、ニキビ治療薬は乳輪が乾燥し炎症を起こす原因になります。

また、自分でつぶしてしまうと、そこから細菌感染を起こし、皮膚が赤くなったり膿がたまることがありますので基本的には触らないことが大切です。万が一傷がついてしまった場合は自己判断でクリームをつけることで、より症状が悪くなることもありますので、医師へ相談するようにしましょう。

モントゴメリー腺を取る方法

モントゴメリー腺は解剖学的構造の健康な部分です。赤ちゃんが生まれ、授乳が終わると、自然に縮むことがありますが、大きくなったまま残ってしまうことも多々あります。

モントゴメリー腺を除去する方法は2つあり、レーザーや高周波など機械による治療と手術です。レーザー除去は白く瘢痕が残ることが多いため今は推奨されていません。高周波治療は効果がわかりにくかったり、再発してくることが多く、手術による除去がスタンダードな方法となっています

手術の流れ

  • 除去したいモントゴメリー腺にマーキングを行う
  • 切開線のデザイン(ここが非常に重要であり、術後の傷跡に大きく関与します)
  • 注射で部分的に麻酔をします。痛みを感じるのは手術中ここだけです。オジスキンクリニックでは、痛みを緩和するために安心リラックス麻酔を使用することも可能です。
  • メスでデザイン通りに切開し、皮脂腺を全層除去します。
  • 縫合し、術後感染予防対策をしたうえでガーゼやテープで保護します。

手術は局所麻酔をすることで、術中は痛みなくリラックスして受けていただけるはずです。

術前に除去したいモントゴメリー腺をご自身である程度決めてきていただきますが、隣接しているモントゴメリー腺を一気に取ると、術後に創部が開きやすくなる可能性もあるので、必ず形成外科専門医の執刀医とよく相談してから決めましょう。

モントゴメリー腺手術を受ける前の注意点

まとめ

お伝えしたように日帰り手術でモンゴメリー腺を取り除くことができます。
モントゴメリー腺除去術を受ける前に気を付けることが3つあります。

モントゴメリー腺をさわらない

モントゴメリー腺を触ったり、つぶそうとすることで皮膚に亀裂が入り感染する可能性があります。感染してしまうと傷がきれいに治らないため手術が延期になります。

皮膚を整える

過剰に洗う必要はありませんし、過剰に保湿しすぎる必要もありません。ただし、乾燥からくる痒みなどで湿疹や赤みが出ている場合も手術が延期になります。

皮膚を整える

過剰に洗う必要はありませんし、過剰に保湿しすぎる必要もありません。ただし、乾燥からくる痒みなどで湿疹や赤みが出ている場合も手術が延期になります。

乳輪は入浴の際に泡でやさしく洗浄し、軽く洗い流すケアで問題ありません。

手術の日程は要注意

術後はしばらく糸がついた状態になり、入浴は控えていただきます。温泉やサウナなどの予定が組みにくくなるため、手術の日程を調整する際はクリニックとよく相談してからにしましょう。

モントゴメリー腺の除去後に
気を付けること

手術後は傷をいかにきれいに治すか、がとても大切です。傷をきれいに治すためのポイントをいくつかお伝えします。

感染させない

医師から許可が下りるまでは入浴などは控え、清潔に過ごしていただきます。

感染の兆候(熱感、赤み、痛み)が出現した場合はすぐにクリニックに相談してください。

傷口に負担をかけない

乳房の重さで傷口がひらくことがあります。ナイトブラなどをつけて、傷口に負担がかからないように徹底してください。

保湿を心がける

傷口はなるべく保湿をして、外的刺激から守ってください。乾燥すると肌は敏感になり、赤みやかゆみが出てしまいます。
口を掻いてしまったりすると赤みが長引くことにもつながります。

除去後に授乳はできるの?

まとめ

モントゴメリー腺を除去しても将来母乳育児が妨げられることはありません。モンゴメリー腺を切除する手術は、乳房組織や乳管には影響しませんのでご安心ください。

モントゴメリー腺除去術は
「専門医」がおすすめ

モントゴメリー腺を除去することは簡単に思えても、実は切除のデザインから縫い方まで非常にテクニックが必要です。乳輪は色素が非常に多い部位であるため、縫合がゆるいことで白く傷が目立つ可能性もあります。

形成外科専門医は髪の毛よりも細い糸を使用して、指の血管までも縫合する技術を持ち合わせています。そのほかの専門医とは全く異なる特殊な訓練を受けているといえます。

手術を受けるのであれば間違いなく
「形成外科専門医」がおすすめです。

オジスキンクリニックでは形成外科専門医を取得した女性医師が担当します。
乳輪のぶつぶつにお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

参考文献

・Almuhanna AF, Almuhanna AF, Alzuabi RS, et al. Cyst of Montgomery: An uncommon adolescent breast lump. J Family Community Med. 2020;27(2):138-141. doi:10.4103/jfcm.JFCM_288_19

 

・Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development. What are some common signs of pregnancy?

・Doucet S, Soussignan R, Sagot P, Schaal B. The secretion of areolar (Montgomery’s) glands from lactating women elicits selective, unconditional responses in neonates. Hausberger M, ed. PLoS ONE. 2009;4(10):e7579. doi:10.1371/journal.pone.0007579

 

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日付:   カテゴリ:女医のきれいブログ

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