二重埋没法が一生取れない人もいる?長持ちしやすいまぶたの特徴と理由

二重埋没法が一生取れない人もいる?長持ちしやすいまぶたの特徴と理由

二重埋没法を受けた方のなかには、10年以上経っても二重のラインが崩れず、ずっとキープできている方がいます。一方で、数年で糸がゆるんでしまう方もいるのが現実です。

この差はいったい何から生まれるのでしょうか。まぶたの皮膚の厚みや脂肪の量、瞼板と呼ばれるまぶたの芯にあたる組織の硬さなど、生まれ持った解剖学的な条件が大きく関わっています。

この記事では、まぶたの治療に長年携わってきた経験をもとに、埋没法が長持ちしやすいまぶたの特徴と、その医学的な根拠をわかりやすく解説します。ご自身のまぶたがどのタイプに近いのかを知る手がかりにしてください。

目次

二重埋没法が取れない人と取れやすい人がいるのはなぜか

二重埋没法の持続性は、まぶたの構造的な条件と術式によって大きく左右されます。同じ手術を受けても結果が異なる背景には、個人差という言葉だけでは片づけられない明確な理由があります。

埋没法の二重ラインが消える仕組みを知っておこう

埋没法は、ナイロン糸などの細い糸を使ってまぶたの皮膚と瞼板(けんばん)と呼ばれる硬い組織を結びつけ、人工的に二重のラインを作る手術です。

目を開けるときに眼瞼挙筋(がんけんきょきん)というまぶたを持ち上げる筋肉が収縮し、糸で固定された部分が引き込まれることで二重のラインが現れます。

しかし、まぶたは1日に約1万5000回以上まばたきをする場所です。この繰り返しの力が糸に加わり続けると、糸が組織をゆっくりと切り裂いたり(チーズワイヤー現象)、結び目がゆるんだりして、ラインが薄くなる場合があります。

持続性を左右するのは「まぶたの重さ」と「組織の強度」のバランス

糸にかかる負担を決めるのは、まぶた全体の重さと、糸を支えるまぶた内部の組織の強さです。皮膚が薄くて脂肪が少なければ、まぶたは軽く、糸にかかる力も小さくなります。

反対に、皮膚が厚く脂肪が多いまぶたでは糸に大きな力がかかるため、ラインが消失しやすくなります。つまり「軽いまぶた」と「丈夫な瞼板」の組み合わせを持つ方ほど、埋没法が長期間維持されやすいといえるでしょう。

まぶたの重さに影響する主な要素

要素軽い(長持ちしやすい)重い(取れやすい)
皮膚の厚さ薄い厚い
眼窩脂肪の量少ない多い
眼輪筋の厚み薄い厚い
皮膚のたるみ少ない多い

術後の癒着がしっかり起きれば糸が外れても二重が残る

埋没法のあと、糸の周囲では組織同士がくっつく「癒着」(ゆちゃく)が起こります。この癒着が十分に強くなれば、たとえ糸がゆるんだとしてもラインが維持されるケースがあります。

癒着の強さは、瞼板と皮膚側組織のあいだにどれだけ密な線維性結合が形成されるかによって決まります。もともと二重になりかけのラインがうっすら存在していた方は、手術による癒着が自然な解剖構造と一致するため、長期間崩れにくい傾向です。

埋没法が一生もつ可能性がある方のまぶたにはこんな特徴がある

埋没法の二重がずっと取れない方に共通しているのは、まぶたが薄くて軽く、瞼板がしっかりしているという解剖学的な特徴です。これらの条件が揃うほど、糸にかかる負担は少なくなり、ラインが崩れにくくなります。

まぶたの皮膚が薄い方は糸への負担が軽い

アジア人のまぶたの皮膚の厚さには個人差がありますが、薄い皮膚を持つ方は糸に加わる重量が小さく、チーズワイヤー現象が起きにくい傾向にあります。

皮膚の薄さは遺伝的な要素が強く、触ったときにまぶたの血管がうっすら透けて見える方は、比較的薄い皮膚をお持ちだと考えられます。こうした方は術後の腫れも引きやすく、自然なラインが定着しやすいでしょう。

眼窩脂肪が少ない「すっきりしたまぶた」は有利

まぶたの奥には眼窩脂肪(がんかしぼう)と呼ばれる脂肪組織が存在します。この脂肪が少ない方は、まぶたが軽いだけでなく、糸を結ぶ際に組織の間隔が狭いため固定力が高まります。

逆に脂肪が多い「ぽってりしたまぶた」は、糸の周囲に脂肪が挟まることで固定が不安定になりやすく、ラインが浅くなりがちです。脂肪の量は、まぶたを軽く押さえたときの弾力やふくらみ具合で、ある程度は推測できます。

瞼板の硬さと高さが埋没法の土台になる

瞼板はまぶたの骨格ともいえる硬い組織で、上まぶたの場合は中央部で約8〜10mmの高さがあります。この瞼板がしっかりとした厚みと適度な硬さを持っていると、糸の固定点が安定し、外力に対して二重ラインを保持しやすくなります。

フロッピーアイリッド症候群のように瞼板が柔らかくなっている場合は、糸が瞼板を通過して抜けやすくなるため注意が必要です。

解剖学的特徴長持ちしやすい条件取れやすい条件
皮膚の厚さ薄い厚い・たるみあり
眼窩脂肪少ない多い
瞼板の質硬くて高さ十分柔らかい・低い
挙筋機能良好(13mm以上)低下している

二重埋没法の糸が取れにくくなる条件を医学的に解説

埋没法が取れにくくなるかどうかは、まぶたの生まれ持った構造だけでなく、手術で使われる糸の種類や留め方にも左右されます。ここからは術式に関わる要素を取り上げます。

非吸収糸(ナイロン糸)が長持ちを支える

埋没法で使われる糸は、体内で溶けない非吸収糸と、時間の経過とともに溶ける吸収糸に分かれます。長期的なライン維持を目指す場合、多くの医療機関では6-0や7-0のナイロン製非吸収糸が選ばれています。

吸収糸を使った場合、糸が溶ける前に十分な癒着が起きなければラインが消えてしまうリスクが高まります。非吸収糸であれば物理的な支えが長期間残り続けるため、癒着形成の時間を十分に確保できるのが利点です。

連続埋没法と点留めでは持続率が異なる

埋没法の術式には、糸を1か所ずつ独立して留める「点留め」と、1本の糸を連続して通す「連続埋没法」があります。研究データによると、連続埋没法は点留めと比べて糸のゆるみによる再手術率が低いとされています。

連続法が有利な理由は、1本の糸で複数の固定点をつなぐため、力が均等に分散されるからです。ある1000例を対象とした後ろ向き研究では、連続法の再手術率は13.4%、2点留め法では26.2%だったと報告されています。

代表的な埋没法の術式比較

術式特徴再手術率の傾向
2点留めシンプル・短時間やや高い
3点留め以上固定点が増える中程度
連続埋没法力が分散される比較的低い

二重の幅を欲張りすぎないことも大切

二重の幅を広く取りすぎると、糸が瞼板の上縁を超えた位置で固定されることになり、組織の薄い部分に力がかかって外れやすくなります。

日本人の場合、瞼板の高さは一般的に8〜10mmですから、それを大きく超える幅で設定すると構造的に無理が生じます。

自然な範囲の二重幅を選ぶと、まぶたの解剖構造に沿った固定が可能になり、長期的な安定性が高まります。

埋没法がすぐ取れてしまう方に多い原因と対処のポイント

埋没法の二重が早期に取れてしまう場合、まぶたの解剖学的条件に加えて、日常生活の習慣が影響しているケースも少なくありません。原因を正しく把握すれば、次の手術に活かせるヒントが見つかります。

まぶたの脂肪が多い・皮膚がたるんでいるケース

眼窩脂肪が多いまぶたや、加齢による皮膚のたるみが進んでいるまぶたは、埋没法単独では二重のラインを維持しにくい傾向にあります。糸だけで重いまぶたを支え続けるには限界があるからです。

こうした場合は、埋没法を繰り返すよりも、脂肪除去を併用したり、切開法への切り替えを検討したりするほうが長期的にはよい結果を得られる可能性があります。

まぶたを頻繁にこする習慣がある方は注意が必要

花粉症やアレルギー性結膜炎で目をこする癖がある方は、糸に外力が繰り返し加わるため、ラインが崩れやすくなります。コンタクトレンズの着脱時にまぶたを強く引っ張ることも同様のリスクです。

メイク落としで目元をゴシゴシこするのも避けたい行為の一つです。術後のまぶたはできるだけ触れない・こすらない生活習慣を意識することで、糸の持ちを長くできるでしょう。

眼瞼挙筋の力が弱い場合はラインが安定しにくい

眼瞼挙筋の機能が低下している方は、いわゆる眼瞼下垂(がんけんかすい)の傾向があります。まぶたを持ち上げる力が弱いと、二重のラインを引き込む力も弱くなり、せっかく作ったラインが浅くなったり消えたりしやすくなります。

挙筋機能が13mm未満の方は、埋没法だけでは十分な効果が得られない場合があり、挙筋の処置を含めた術式の検討が必要になる場合もあります。

  • 眼窩脂肪が多い方は脂肪除去の併用を検討する
  • アレルギーがある方は目元をこする習慣を見直す
  • コンタクトレンズの着脱はやさしく行う
  • 挙筋機能が低い場合は切開法や挙筋短縮術も選択肢に入る

埋没法が取れたあとに再手術で長持ちさせるコツ

一度取れてしまった埋没法でも、次の手術でより長く持たせることは十分に可能です。再手術を成功させるためには、前回の失敗原因を正確に分析し、術式選択を慎重に行うことが大切です。

前回の糸を適切に処理してから再手術に臨む

以前の糸が残っている状態で新しい糸を追加すると、古い糸が異物反応を引き起こしたり、組織が瘢痕化して新しい固定が不安定になったりするときがあります。再手術の前に既存の糸を確認し、必要に応じて抜糸を行うのが望ましいでしょう。

ナイロン糸は長期間体内にあると変色して見つけにくくなることが報告されています。経験豊富な医師による慎重な操作が求められます。

脂肪や余剰皮膚の処理を併用して安定性を高める

前回、まぶたの重さが原因で糸が外れたと考えられる場合、再手術では小切開を加えて脂肪や余分な眼輪筋を除去する方法が選択されることがあります。まぶたを軽くしてから糸で固定することで、持続性が大幅に向上する報告があります。

ある研究では、眼輪筋切除を併用した埋没法のライン消失率が9.6%であったのに対し、埋没法単独では26%だったとされています。

再手術時に確認したいポイント

確認項目内容
前回の糸の状態残存しているか、除去が必要か
まぶたの脂肪量脂肪除去の併用を検討
皮膚のたるみ余剰皮膚の切除が必要か
挙筋の機能下垂がないか評価
二重幅の設定前回より控えめにするか

切開法に切り替えるべきタイミングはいつか

埋没法を2〜3回繰り返しても短期間でラインが消えてしまう場合は、切開法への移行を真剣に検討する段階です。切開法は眼瞼挙筋の腱膜と皮膚を直接縫合して強固な癒着を形成するため、埋没法よりも持続性が高い手術です。

ただし切開法は元に戻すのが困難であるため、納得のいくカウンセリングを受けたうえで判断してください。

年齢や生活スタイルの変化が二重埋没法の持続に与える影響

まぶたは加齢とともに確実に変化する部位です。若い頃に受けた埋没法が長く持つかどうかは、その後の身体的変化や生活習慣にも左右されます。

加齢に伴う皮膚のたるみが二重ラインを浅くする

年齢とともにコラーゲンやエラスチンが減少し、まぶたの皮膚は弾力を失って伸びていきます。このたるみが進むと、埋没法で作った二重のラインの上に余分な皮膚がかぶさり、ラインが見えにくくなることがあります。

これは糸自体が外れているわけではなく、皮膚のかぶさりによってラインが隠れている状態です。とはいえ、見た目には「二重が取れた」と感じる方が多いかもしれません。

体重の増減がまぶたの脂肪量を変えることがある

体重が大幅に増加すると、まぶたの脂肪も増えて重くなり、糸への負担が増します。逆に急激な体重減少で皮膚のたるみが生じる場合もあります。

妊娠や出産に伴うホルモンバランスの変化で、まぶたのむくみが強くなる方もいます。こうした体の変化は、埋没法の持続性に少なからず影響を及ぼすものです。

日常的なアイメイクやまつエクとの付き合い方

濃いアイメイクを毎日する方は、メイク落としの際にまぶたへの摩擦が増えます。まつげエクステの施術でまぶたを強く引っ張られることも、糸への負荷を高める要因になりかねません。

埋没法の持ちを少しでも長くしたい場合は、クレンジングをやさしいタイプに変えたり、まつエクよりもまつげパーマを選んだりする工夫が効果的です。

生活習慣影響の内容
目をこする癖糸に繰り返しの外力がかかる
濃いアイメイククレンジング時の摩擦が増える
急激な体重変動まぶたの脂肪量が変わる
うつぶせ寝まぶたへの圧迫が継続する

二重埋没法を受ける前に確認しておきたいカウンセリングの要点

埋没法を長持ちさせるために一番大切なのは、手術前のカウンセリングで自分のまぶたの状態を正しく把握し、適切な術式を医師と一緒に選ぶことです。焦って手術を決めず、複数の疑問点をきちんと解消してから臨みましょう。

まぶたの厚さや脂肪量を医師に評価してもらおう

埋没法に適したまぶたかどうかは、自己判断では難しい部分があります。カウンセリングでは、医師がまぶたを触診し、皮膚の厚さ・眼窩脂肪の量・瞼板の硬さ・挙筋の機能などを評価します。

これらの診察結果をもとに、埋没法で長期的な効果が期待できるのか、それとも切開法のほうが適しているのかを判断します。

  • 皮膚の厚さと弾力の確認
  • 眼窩脂肪の量と分布の評価
  • 挙筋機能の測定(13mm以上が目安)
  • 既存の二重ラインの有無

希望する二重幅と解剖学的な限界を照らし合わせる

「幅広の二重にしたい」という希望を持つ方は多いですが、まぶたの構造には物理的な限界があります。瞼板の高さを超える位置に固定すると持続性が下がることは、先に述べたとおりです。

カウンセリングでは、希望する仕上がりと解剖的に安定するラインの両方を考慮しながら、妥協点を見つけることが大切です。医師が提案するシミュレーションを参考にしながら、無理のない幅を選びましょう。

術後のケアと通院スケジュールも事前に把握しておく

術後1〜2週間は腫れやむくみが出やすく、二重の幅が仕上がりより広く見えるときがあります。この時期に不安になって判断を急がないことも大切です。

多くの場合、最終的な仕上がりは術後1〜3か月で安定してきます。アフターケアの方法や、気になる症状が出た場合の受診タイミングを事前に確認しておけば、安心して経過を見守ることができるでしょう。

よくある質問

二重埋没法で使われる糸は何年くらいまぶたの中に残りますか?

埋没法で一般的に使用されるナイロン製の非吸収糸は、体内で溶けない素材のため、半永久的にまぶたの中に残ります。ただし、年月が経つと糸の色が変化し、周囲の組織に埋もれて目立たなくなる方が多いです。

糸が残っていても通常は痛みや違和感はありませんが、まれに糸が露出して結膜を刺激するケースが報告されています。気になる症状があれば早めに医師に相談してください。

二重埋没法は片目だけ取れてしまうこともありますか?

左右のまぶたの構造には微妙な違いがあるため、片目だけ先にラインが浅くなったり、消えたりすることは珍しくありません。利き手側の目をよくこするなど、左右で習慣が異なる場合にも起こりえます。

片目だけラインが取れた場合は、反対側のラインに合わせて片目のみ再手術を行うのが一般的です。左右差が気になったら、早い段階で担当医に相談されることをおすすめします。

二重埋没法の持続期間は平均でどれくらいですか?

埋没法の持続期間は個人差が大きく、一概に「平均何年」とは言い切れません。まぶたの条件がよい方であれば10年以上維持できるケースもあり、条件が合わない方は1〜3年で取れてしまうこともあります。

ある研究データでは、連続埋没法の場合で86%以上の方が術後数年にわたりラインを維持していたと報告されています。まぶたの状態を術前に正しく評価し、適切な術式を選ぶことで持続性は高められます。

二重埋没法の糸が取れかけているサインにはどんなものがありますか?

二重ラインが以前より浅くなった、朝起きたときにラインが消えている、左右差が目立つようになった、といった変化は糸がゆるんできているサインかもしれません。まぶたにしこりや違和感が出た場合も、糸に異常が起きている可能性があります。

こうした変化に気づいたら早めに診察を受けると、ラインが完全に消えてしまう前に対処できる場合があります。経過観察だけで済むケースもあれば、糸の追加や再固定が必要になることもあります。

二重埋没法を繰り返し受けても安全ですか?

埋没法は比較的侵襲の少ない手術ですので、2〜3回程度の再手術であれば安全に行えるケースがほとんどです。ただし、回数を重ねるごとにまぶた内部に古い糸が蓄積し、組織の瘢痕化が進む可能性があります。

何度も埋没法を繰り返している場合は、古い糸の除去と合わせて切開法への移行を提案されることもあります。回数に不安がある方は、これまでの手術歴を正直に伝えたうえで、担当医と術式を相談されてください。

参考文献

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この記事を書いた人

Dr.王子 富登のアバター Dr.王子 富登 日本形成外科学会専門医

オジスキンクリニック医師 / 日本医師会認定産業医 / 医学博士

2010年慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院形成外科、東邦大学医療センター佐倉病院形成外科(医局長)などを経て現職。 形成外科専門医として大学病院で研鑽を積み、2016年度には眼瞼下垂手術の執筆症例数が千葉県最多を記録。まぶた眼瞼外来の開設や、大手美容クリニックでの勤務経験も併せ持つ。

「目の前の患者さんを自分の家族だと思ってメスを持つ」を信条に、二重整形、眼瞼下垂、まぶたのたるみ治療、他院修正など、「まぶた治療」のスペシャリストとして機能と美しさを両立させる緻密な手術に定評がある。

【所属学会】
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本頭蓋顎顔面外科学会

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