裏留めと表留めで埋没法の痛みは違う?まぶたの裏側への麻酔と術中の感覚

埋没法を検討する際、多くの方が気になるのが「痛み」についてです。特に、糸の結び目をまぶたの裏側に隠す「裏留め」と、皮膚側に作る「表留め」では、痛みの感じ方やダウンタイムに違いがあるのか不安に思うことでしょう。
術中の痛みは麻酔によってどちらもコントロール可能ですが、麻酔の打ち方や術後の違和感にはそれぞれの特徴があります。
本記事では、両者の痛みの違いや術中の感覚、そしてあなたに合った選択をするための判断材料を詳しく解説します。
結び目の位置だけでこんなに変わる?埋没法の裏留めと表留めの構造的な違い
埋没法には大きく分けて「表留め」と「裏留め」という二つの術式が存在し、それぞれ糸を結ぶ位置が異なります。
この結び目の位置の違いこそが、術後の快適さや見た目の仕上がり、そしてご自身が感じる違和感に大きな影響を与えます。
糸の結び目が皮膚の表面側に来る表留めの特徴とは
表留めは、埋没法の中でも古くから行われている標準的な手法です。この方法では、まぶたの裏側から通した糸を最終的に皮膚の表面側(まぶたの外側)で結びます。
結び目は皮膚の下にごく浅く埋め込まれる形になりますが、物理的な位置としては眼球から離れた場所にあります。この構造の最大のメリットは、結び目が眼球(角膜)に直接触れるリスクが極めて低い点です。
まぶたを閉じたときや瞬きをしたときに、糸が目の表面をこすることがないため、眼球への刺激を心配される方にとっては安心材料となります。
さらに、皮膚側に結び目があるため、万が一糸が緩んだりデザインを変更したくなったりした場合に、医師が糸を見つけやすく、抜糸やかけ直しがスムーズに行えるという特徴も持っています。
結び目を粘膜の内側に埋め込む裏留めの特徴とは
一方、裏留めは近年人気が高まっている手法で、糸の結び目をまぶたの裏側、つまり結膜側(粘膜の中)に埋め込む方法です。
皮膚の表面には針を通すだけなので、術直後から皮膚に結び目特有の凹凸ができず、メイクも早ければ当日から可能になるなど、ダウンタイムの短さが注目されています。
裏留めの構造的な特徴は、皮膚表面に傷跡を残さないことに特化している点です。目を閉じたときにまぶたの表面がつるんとしているため、周囲に整形したとバレにくいという利点があります。
しかし、結び目がまぶたの裏側にあるということは、眼球に近い位置に異物が存在することになります。
もちろん、技術のある医師は結び目をしっかりと粘膜内に埋め込み、露出しないように処置を行いますが、構造上、眼球への違和感が出やすいリスクについては事前に理解が必要です。
- 表留めは眼球への負担が少なく抜糸もしやすいためトラブル時の対応が容易
- 裏留めは皮膚表面に傷がつかず術直後からメイクが可能でバレにくい
- 表留めは結び目のポコつきが気になる場合があるが修正はスムーズ
- 裏留めは術後の腫れが目立ちにくいが抜糸の難易度が高くなる傾向がある
痛みやダウンタイムに影響する解剖学的な理由
痛みやダウンタイムの差は、単に「どこに結ぶか」だけでなく、まぶたの解剖学的な構造に由来します。
まぶたの皮膚は人体の中で最も薄い部分の一つですが、その下には眼輪筋などの筋肉や瞼板という軟骨のような組織、そして裏側の結膜があります。
表留めの場合、糸はまぶたの全層(または一部)を貫通し、皮膚側で結ばれます。皮膚には痛みを感じる知覚神経が多く分布しているため、術後のジンジンとした痛みは皮膚側の傷口周辺で感じるケースが多いです。
一方、裏留めでは皮膚を切開しないため、皮膚表面の知覚神経へのダメージは最小限に抑えられます。
その代わり、まぶたの裏側(結膜)は非常に敏感な粘膜組織です。ここに操作を加えるため、術中にまぶたを裏返す際の不快感や、術後に「目にゴミが入ったような」ゴロゴロ感を強く感じる場合があります。
麻酔の打ち方で変わる痛みの種類と術中のリアルな感覚
手術を受ける上で最も恐怖を感じるのは、やはり「麻酔の痛み」ではないでしょうか。実際、埋没法の手術時間の中で、痛みを感じる可能性があるのは麻酔を打つ一瞬だけです。
裏留めと表留めでは、麻酔を注入する場所や手順に若干の違いがあり、それが患者様の感じる痛みの種類に影響を与えます。
まぶたの表側から行う局所麻酔の手順と感覚
通常、埋没法の手術では、最初に点眼麻酔(目薬の麻酔)を行い、眼球や結膜の表面の感覚を鈍らせます。その後、まぶたへの局所麻酔注射へと移ります。
表留めの場合、まずはまぶたの「表側(皮膚側)」に極細の針で麻酔を注入します。
この時感じる痛みは、一般的な予防接種や採血のチクッとする痛みと似ていますが、針が非常に細いため、それらよりは軽い痛みであるケースがほとんどです。
皮膚への注入時、薬液が入ってくることによる「膨張痛(つねられるような痛み)」を感じる場合があります。
医師は通常、痛みを軽減するためにゆっくりと薬液を注入したり、注入前に皮膚を冷却したりする工夫を行います。表側への麻酔が効いてくると、その後の操作による痛みはほとんど感じなくなります。
まぶたの裏側への麻酔注入時の感覚と工夫
裏留めの場合も表留めと同様に点眼麻酔を行いますが、その後の局所麻酔では、まぶたの「裏側(結膜側)」への注入が重要になります。
まぶたをひっくり返して(翻転させて)、赤い粘膜部分に直接麻酔を打ちます。実は、この「まぶたを裏返す」という行為自体に恐怖心や不快感を抱く方が少なくありません。
そして、粘膜への注射は皮膚への注射とは異なる独特の痛みがあります。「チクッ」という鋭い痛みというよりは、「ズン」と奥に響くような感覚や、鼻の奥がツーンとするような感覚に近いと表現する方もいます。
粘膜は皮膚よりも組織が柔らかいため、針が刺さる痛み自体はそこまで強くない場合も多いのです。
しかし、視界の端に針や器具が見えるために起こる心理的な恐怖が、痛みを増幅させてしまうときもあります。医師は声をかけながら、視線を足元に向けてもらうなどして恐怖心を和らげるよう努めます。
麻酔が効いている間の術中の感覚はどう変わるか
麻酔が完全に効いてしまえば、表留めであっても裏留めであっても、鋭い痛みを感じることはありません。「切られている」「刺されている」といった感覚は消失します。
しかし、完全に無感覚になるわけではありません。術中に残るのは「触れられている感覚」や「引っ張られている感覚」です。
特に糸を通す際や結ぶ際に、まぶたがググっと押されたり、引っ張られたりする感覚は分かります。これは麻酔では消せない深部の感覚です。
裏留めは、まぶたの裏側での操作時間が長くなる傾向があるため、器具が眼球近くを行き来する気配や、まぶたが裏返されている違和感が続く場合があります。
一方、表留めの場合は皮膚側での操作が中心となるため、閉じたまぶたの上で何かが動いている感覚が主になります。どちらも痛みではありませんが、リラックスして力を抜くことが、腫れや内出血を防ぐために重要です。
| 麻酔のステップ | 表留めの感覚 | 裏留めの感覚 |
|---|---|---|
| 点眼麻酔 | 少ししみる程度 | 少ししみる程度 |
| 局所麻酔(注入時) | 皮膚表面にチクッとする鋭い痛み | 粘膜にズンと響くような重い感覚 |
| 術中の感覚 | まぶたの上を触られる・押される感覚 | まぶたを裏返される圧迫感・引っ張り感 |
術後の痛みや腫れを左右するのは医師の腕と糸の通し方
手術が終わった後、麻酔が切れてから感じる痛みや腫れは、日常生活を送る上で非常に気になるところです。術後の経過は個人差が大きいものですが、決して運だけで決まるわけではありません。
術式だけでなく、医師の技術や使用する糸、そして患者様自身の体質など、様々な要因が複雑に絡み合ってダウンタイムの長さや痛みの強さが決まります。
組織へのダメージを抑える医師の技術力
術後の痛みや腫れを最小限にするためには、医師の技術力が極めて重要です。具体的には、手術中の「手数の少なさ」と「組織の扱い方」が鍵となります。
迷いなくスムーズに針を通し、無駄な出血や組織の損傷を防げれば炎症反応は小さく済み、結果として術後の痛みも軽減されます。
逆に、何度も針を刺し直したり、組織を強く引っ張りすぎたりすると、まぶた内部で内出血が広がり、術後に強い腫れとズキズキとした痛みを引き起こす原因となります。
特に裏留めは、視野が狭いまぶたの裏側での操作が求められるため、高度な技術が必要です。経験豊富な医師は解剖学的な構造を熟知しており、血管を避けて針を通すなどの微細な配慮を行ってダウンタイムの短縮を実現しています。
術後の腫れが痛みに与える影響について
術後の「痛み」の多くは、実は「腫れ」によって引き起こされます。
組織が炎症を起こして腫れ上がると、周囲の神経が圧迫され、ジンジンとした鈍い痛みを感じるようになります。つまり、腫れを抑えられれば、痛みも自然と和らぐのです。
一般的に、表留めよりも裏留めの方が、術直後の腫れは少ないと言われています。これは、皮膚表面の血管やリンパ管を傷つけないため、皮下出血や浮腫が起こりにくいからです。
しかし、裏留めであっても、糸を強く縛りすぎて組織を締め付けてしまうと、循環障害が起きて強い腫れが生じる場合があります。
「泣いた後のような腫れ」と表現されることが多いですが、この腫れが引いていくにつれて、痛みも急速に消失していきます。
術後2〜3日が腫れのピークとなる方が多いため、この期間は保冷剤で冷やすなどのケアが必要です。
| 経過時期 | 痛みの特徴とレベル | 過ごし方のアドバイス |
|---|---|---|
| 手術当日(帰宅後) | 麻酔切れと共にジンジンする痛み(中) | 処方された痛み止めを服用し、目元を冷やす |
| 術後1日目〜3日目 | 腫れによる重い痛み・つっぱり感(弱〜中) | 頭を高くして寝る、スマホを見すぎない |
| 術後1週間以降 | 痛みはほぼ消失、時折チクッとする程度 | 目を強くこすらないよう注意する |
糸の通し方による組織への負担の違い
埋没法には「2点留め」「3点留め」といった点数だけでなく、糸をループ状に通す「スクエア法」や、複雑に絡める「クロスリンク法」など、様々な通し方があります。
複雑な通し方をするほど二重のラインは取れにくくなりますが、その分まぶたの中に残る糸の量が増え、組織への負担が増す可能性があります。
組織への負担が増えると、術後の異物感や引きつれ感(牽引痛)を感じやすくなります。特にまぶたが厚い方が無理に複雑な留め方をすると、糸が組織に食い込みすぎてしまい、瞬きのたびに痛みを感じる原因になりかねません。
痛みやダウンタイムを優先するのであれば、必要最小限の点数やシンプルな留め方を選択するのも一つの戦略です。ご自身のまぶたの状態に合わせて、強度と低侵襲(ダメージの少なさ)のバランスが良い術式を医師と相談しましょう。
裏留めを選択する場合に知っておくべきメリットとデメリット
「バレたくない」「すぐにメイクしたい」というニーズに応える裏留めは、非常に魅力的な選択肢です。しかし、メリットばかりに目を向けて安易に選択すると、思わぬリスクに直面する可能性があります。
裏留めは高度な技術を要する術式であり、その特性を十分に理解した上で選択することが、後悔のない美容整形への第一歩です。
皮膚表面に傷がつかないことによるメリット
裏留め最大のメリットは、やはり「皮膚表面に傷がつかない」ことです。
表留めの場合、針穴がふさがるまでの数日間はメイクができず、すっぴんになった時にポツポツとした赤い点が見えてしまうときがあります。
しかし、裏留めであれば、まぶたの表面には全く傷がないため、手術直後からアイメイクが可能なクリニックも多く存在します。
これは、仕事や学校を長く休めない方や、家族やパートナーに内緒で手術を受けたい方にとっては非常に大きな利点です。
また、洗顔やスキンケアも当日から通常通り行えることが多く、日常生活への復帰が極めて早いです。物理的な傷の痛みが皮膚側にないため、洗顔時にしみるような痛みを感じることもありません。
万が一の抜糸や修正が必要になった際の難易度
裏留めを検討する上で必ず知っておくべきデメリットは、「抜糸の難しさ」です。結び目が粘膜の中に埋まり込んでいるため、手術から時間が経過すると、糸が組織と一体化してどこにあるか分からなくなるケースがあります。
もし「ラインが気に入らない」「二重幅を変えたい」と思って抜糸を希望しても、糸が見つからずに抜去できない、あるいは抜糸のために組織を大きく傷つけてしまうリスクがあります。
表留めであれば、皮膚のすぐ下に結び目があるため、小さな切開で簡単に糸を取り除けます。
裏留めを選択する場合は、「修正が難しい」という前提で、シミュレーションを念入りに行い、一回で理想のラインを完成させる覚悟と、信頼できる医師選びがより一層重要になります。
角膜への影響や異物感のリスクはどう考えるか
もう一つの懸念点は、結び目が眼球側にあることによる角膜への影響です。通常、裏留めでは結び目を粘膜の中に完全に埋没させるため、糸が直接眼球に触れることはありません。
しかし、技術的な不備や術後の変化によって、稀に糸が露出したり、結び目が盛り上がって眼球を刺激したりするときがあります。
これにより、「目がゴロゴロする」「充血が治らない」「角膜に傷がついた」というトラブルが起こる可能性があります。多くの場合は一時的な症状で治まりますが、違和感が長く続く場合は抜糸が必要になるケースもあります。
コンタクトレンズを日常的に使用する方は、特に注意が必要です。医師に対して、糸の露出リスクをどのように防いでいるか、万が一露出した際の保証対応はどうなっているかを確認すると良いでしょう。
| 比較項目 | 表留め | 裏留め |
|---|---|---|
| 皮膚表面の傷 | 針穴が数日残る | なし(無傷) |
| 当日のメイク | 不可(目元以外は可) | 可(クリニックによる) |
| 抜糸・修正 | 比較的容易 | 困難な場合がある |
| 眼球へのリスク | 極めて低い | 稀に異物感が出る可能性あり |
表留めが適しているケースと痛みのコントロール
裏留めが注目されがちですが、現在でも多くの美容外科医が第一選択として推奨するのは表留めです。その理由は、安全性の高さと長期的なメンテナンスのしやすさにあります。
痛みに関しても、適切な処置を行えば十分にコントロール可能ですし、術後の安心感を重視する方にとっては表留めのほうが適している場合が多いです。
修正のしやすさと長期的なメンテナンス性
人間の顔は加齢とともに変化します。まぶたのたるみや脂肪の増減により、数年後には二重のラインを変えたくなるかもしれません。
また、埋没法の糸は永久的なものではなく、数年で緩んでしまう場合もあります。そうした将来の変化を見据えた時、表留めの「修正のしやすさ」は最大の強みとなります。
表留めであれば、古い糸をサッと抜いて、新しいラインでかけ直すことが比較的容易です。この「やり直しがきく」という安心感は、初めて整形を受ける方にとって精神的な負担を大きく軽減します。
痛みへの不安だけでなく、「失敗したらどうしよう」という不安も抱えている方には、リカバーが容易な表留めが心理的にも優しい選択と言えるでしょう。
術後の抜糸が必要なケースと痛みの関係
表留めにおいて、稀に術後に糸が露出してしまったり、感染(化膿)を起こしたりするケースがあります。
その場合、一度抜糸をして炎症を鎮める必要があります。この時の抜糸作業自体は、局所麻酔を使って行うため痛みはありません。
むしろ、問題が起きている糸を放置して起こる痛みや不快感のほうが厄介です。
表留めの場合、トラブルの原因となっている糸を特定しやすく、速やかに除去して痛みの原因を取り除けます。トラブル対応の迅速さは、結果として痛みに苦しむ時間を短くすることに繋がります。
| 推奨タイプ | 理由 |
|---|---|
| 初めて二重整形をする方 | デザイン変更や抜糸の可能性を残しておけるため安心 |
| まぶたが厚く脂肪が多い方 | 強度が確保しやすく、しっかりとしたラインを作りやすい |
| 眼球へのリスクを極限まで減らしたい方 | 結び目が眼球に触れない構造を重視するため |
留める点数やデザインによる痛みの変化
表留めを選択する場合、2点留め、3点留め、あるいはそれ以上と、留める点数によっても術後の痛みや腫れが変わります。
点数が増えれば固定力は増しますが、その分組織へのダメージ範囲が広がり、術後の腫れや引きつれ感(痛み)が強くなる傾向があります。
また、無理に広い二重幅を作ろうとすると、糸にかかるテンション(張力)が強くなり、食い込みによる痛みが長引く傾向があります。
痛みを最小限に抑えるためには、欲張りすぎず、ご自身のまぶたの自然なライン(ブジーなどで簡単に癖がつくライン)に沿って、必要最小限の点数で留める必要があります。
医師と相談し、無理のないデザイン設計を行うことが、痛みのない快適な術後ライフへの近道です。
クリニック選びで確認すべき痛みを和らげる取り組み
「痛いのは絶対に嫌だ」という方は、術式の違いだけでなく、クリニックがどれだけ疼痛管理(ペインコントロール)に力を入れているかを基準に選ぶことも大切です。
現代の美容医療では、痛みを極限まで減らすための様々なオプションや工夫が用意されています。
笑気麻酔や極細針などオプションの活用
多くのクリニックでは、局所麻酔の前に「笑気麻酔(しょうきますい)」というガス吸入タイプの麻酔をオプションで選択できます。
これを吸うと、お酒に酔ったようなふわふわとした感覚になり、痛みや恐怖心が大幅に和らぎます。特に、まぶたの裏側への麻酔や、手術器具が目元に迫る恐怖感が苦手な方には非常に効果的です。
また、使用する「針の太さ」も重要です。34G(ゲージ)や35Gといった、髪の毛ほどの細さの極細針を使用しているクリニックであれば、刺入時の痛みは劇的に軽減されます。
クリニックによってはこれらが標準料金に含まれている場合もあれば、有料オプションの場合もあります。料金だけでなく、こうした「痛くない工夫」がどの程度充実しているかを確認しましょう。
冷却や圧迫など術直後のケア体制
手術が終わった直後のケアも、その後の痛みや腫れを左右します。手術直後にしっかりと患部を冷却(クーリング)し、適切な圧迫を行うと、内出血の広がりを抑えられます。
丁寧なクリニックでは、手術後にリカバリールームで冷却時間を設けたり、自宅ケア用の保冷剤や炎症止めの点眼薬を処方してくれたりします。
また、万が一帰宅後に強い痛みが出た場合に備えて、夜間でも繋がる緊急連絡先があるかどうかも確認しておくと安心です。
術後の不安を一人で抱え込まずに済むサポート体制があることは、精神的な痛みの緩和にも繋がります。
カウンセリングで確認したい痛みへの配慮
最終的には、担当医やスタッフが「痛みに対する不安」に真摯に向き合ってくれるかどうかが重要です。カウンセリングの際に、「痛みに弱いので心配です」と正直に伝えてみてください。
その時に、「大丈夫ですよ、すぐに終わりますから」と軽く流すのではなく、「当院ではこのように痛みをコントロールしています」「痛い時はすぐに合図してくださいね」と具体的に説明してくれる医師であれば信頼できます。
クリニック選びの際にチェックしておきたいポイント
- 笑気麻酔や静脈麻酔などのオプション麻酔が用意されているか
- 局所麻酔の針は34G以上の極細針を使用しているか
- 術中の麻酔追加について柔軟に対応してくれるか
- 術後の痛み止め(内服薬)や点眼薬は処方されるか
- 術後のクーリング時間を設けているか、または指導があるか
- 不安な気持ちに寄り添ったカウンセリングを行ってくれるか
あなたに合った術式を選ぶための判断基準
痛みへの許容度だけでなく、何を最優先したいかを明確にすることが、満足のいく結果に繋がります。
痛みの許容度とダウンタイムの優先順位
まず、「手術中の不快感」と「術後のダウンタイム(見た目の腫れ)」のどちらをより避けたいかを天秤にかけてみましょう。
もし、手術中にまぶたをひっくり返される感覚や、目の裏側を触られる恐怖感がどうしても耐えられないのであれば、操作がシンプルで短時間で終わる表留めのほうが精神的な負担は少ないかもしれません。
| あなたのタイプ・要望 | おすすめの術式 |
|---|---|
| とにかく誰にもバレたくない、明日から仕事がある | 裏留め |
| 初めての整形で不安、将来やり直すかもしれない | 表留め |
| 眼球への異物感が怖い、コンタクトを頻繁に使う | 表留め |
| まぶたが厚い、以前埋没法が取れたことがある | 表留め(または切開法を検討) |
一方で、仕事の休みが取れず、術後の腫れや傷跡を同僚にバレることが絶対NGなのであれば、多少の手術中の不快感を我慢してでも、裏留めを選ぶ価値は十分にあります。
「一瞬の我慢」か「数日間の我慢」か、ご自身の生活環境と照らし合わせて優先順位を決定してください。
まぶたの厚みや脂肪量による向き不向き
まぶたの厚みも重要な判断材料です。まぶたが薄く、脂肪が少ない方は、裏留めでも表留めでも綺麗に仕上がりやすく、痛みも少ない傾向にあります。
しかし、まぶたが分厚く脂肪が多い方の場合、裏留めでは糸の固定力が不足し、すぐに取れてしまう可能性があります。
また、無理に裏留めで固定しようとすると組織への負担が増し、術後の痛みが強くなることも考えられます。
厚いまぶたの方には、しっかりと固定できる表留め、あるいは脂肪取りを併用する方法が適しています。
ご自身のまぶたのタイプを客観的に診断してもらうためにも、複数のクリニックでカウンセリングを受けると良いでしょう。。
将来的なデザイン変更の可能性を考慮する
今は「この幅がいい」と思っていても、数年後には流行や好みが変わっているかもしれません。美容整形は「一生モノ」と捉えがちですが、埋没法に関しては「数年単位のメンテナンスが必要なもの」と捉えるほうが現実的です。
将来的に幅を広げたり、狭くしたり、あるいは元の目に戻したくなったりする可能性があるなら、抜糸や修正が容易な表留めが無難な選択です。
「絶対にこのラインで一生変えない」という強い意志と、裏留めのリスクを許容できる場合にのみ、裏留めを選択するのが賢明です。
目先のメリットだけでなく、5年後、10年後のご自身の目の健康と美しさを守る視点を持って、適切な術式を選んでください。
よくある質問
- 埋没法の裏留めは表留めよりも痛いですか?
-
埋没法の裏留めが表留めよりも劇的に痛いということはありませんが、痛みの種類が異なります。
表留めは皮膚のチクッとした痛みが中心ですが、裏留めはまぶたを裏返す際の圧迫感や、粘膜への麻酔時にツーンと響くような感覚を伴う場合があります。
術後は、裏留めの方が表面の傷がない分、傷口の痛みは少ない傾向にありますが、稀にゴロゴロとした異物感を感じるときがあります。
どちらも麻酔を使用するため、耐えられないほどの痛みではありません。
- 埋没法の手術中に麻酔が切れて痛むことはありますか?
-
埋没法の手術中に麻酔が完全に切れて激痛を感じることは基本的にありません。
使用する局所麻酔は数時間は効果が持続するため、通常15分〜30分程度で終わる埋没法の手術中に効果がなくなるケースは稀です。
ただし、麻酔の効きやすさには個人差があるため、術中に痛みを感じ始めた場合はすぐに医師に伝えてください。その場で麻酔を追加すると、痛みをコントロールしながら手術を続行できます。
- 埋没法の術後の痛みはいつまで続きますか?
-
埋没法の術後の痛みは、手術当日から翌日がピークで、その後急速に引いていきます。
多くの場合は、処方される痛み止めを1〜2回服用すれば治まる程度の鈍痛やジンジン感です。
3日目以降は、目を強く閉じたり触ったりした時に違和感がある程度で、日常生活に支障が出るような痛みはほとんどなくなります。
- 埋没法の裏留めで目がゴロゴロする感覚は正常ですか?
-
埋没法の裏留め直後に目がゴロゴロする感覚があるのは、ある程度は正常な反応です。
まぶたの裏側が多少なりとも腫れているため、瞬きのたびに眼球と接触して違和感を生じる場合があります。通常は腫れが引くとともに1週間〜1ヶ月程度で消失します。
しかし、痛みを伴うほどの強い異物感がある、涙が止まらない、目が開けられないといった症状がある場合は、糸が露出して角膜を傷つけている可能性があります。その場合は我慢せず、速やかに医師の診察を受けてください。
参考文献
WANG, Yue; ZHANG, Yang; TIAN, Ning. Cause and management of suture-related ocular complications after buried-suture double-eyelid blepharoplasty. Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery, 2021, 74.12: 3431-3436.
MIZUNO, Tsutomu. Treatment of suture-related complications of buried-suture double-eyelid blepharoplasty in Asians. Plastic and Reconstructive Surgery–Global Open, 2016, 4.8: e839.
LIU, Jiaxi; SONG, Baoqiang. Review of complications in double eyelid surgery. Indian Journal of Ophthalmology, 2022, 70.5: 1460-1465.
YANG, E.; HENGSHU, Zhang. Clinical comparison of 3 different double eyelid surgeries. Annals of Plastic Surgery, 2022, 88.2: 138-143.
MIZUNO, Tsutomu. Two modified techniques to decrease complications of buried suture double-eyelid blepharoplasty. Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery, 2013, 66.4: e95-e100.
YOUNG, Stephanie Ming; KIM, Yoon-Duck. Complications of Asian double eyelid surgery: prevention and management. Facial Plastic Surgery, 2020, 36.05: 592-601.
GU, Tianyi; WANG, Yongqian; CHEN, Wenli. Comparison of palpebral marginal and traditional incision techniques for double-eyelid surgery. Aesthetic Plastic Surgery, 2020, 44.3: 799-807.
JIN, Xin, et al. Misdiagnosis and treatment of corneal complications caused by suture exposure after buried-suture double-eyelid blepharoplasty. Aesthetic Plastic Surgery, 2023, 47.6: 2463-2469.
埋没法の痛みと麻酔管理に戻る
