抜糸ややり直しの埋没法は痛い?再手術特有の麻酔の効き方と痛みの程度

埋没法のラインが薄くなったり消失したりして再手術を検討するとき、最も大きなハードルとなるのが「痛みへの恐怖」ではないでしょうか。
一度手術を経験しているからこそ、あの麻酔の痛みや術後の腫れをもう一度味わうのかと思うと足がすくんでしまうものです。
特に再手術では、前回の組織変化の影響で麻酔が効きにくくなる傾向があり、抜糸を伴う場合には特有の痛みが加わることも事実です。
しかし、なぜ痛みが強くなるのかという医学的な理由を知り、適切な麻酔計画と対策を講じると、その苦痛を大幅に和らげられます。
埋没法の抜糸ややり直しに伴う痛みは初回手術よりも強く感じる傾向がある
再手術は初回の手術に比べて痛みや不快感を強く感じる傾向があります。すでに一度メスや針を入れたまぶたの内部では組織の構造が変化しており、それが痛みへの感受性を高める要因となっているからです。
埋没法の再手術を検討する際、多くの方が懸念するのは「初回よりも痛いのではないか」という点でしょう。残念ながら、これは単なる気のせいではなく、医学的な根拠に基づいた理由が存在します。
しかし、事前にその理由を知っておくと、医師と相談して適切な痛み対策を講じられます。
初回手術よりも痛みが強く感じる身体的な理由とは
初回の手術と再手術の決定的な違いは、まぶたの組織の状態にあります。一度手術を受けた部位は、目に見えなくても内部で微細な変化が起きています。
初回の手術によって組織には少なからずダメージが加わっており、修復過程で神経が過敏になっているケースがあります。
特に、前回の糸が残っている状態で新たな操作を加える場合、組織内の癒着を剥がしたり、硬くなった部分に針を通したりする必要があります。
初回手術と再手術における痛みの要因の違い
| 比較項目 | 初回手術 | 再手術・抜糸 |
|---|---|---|
| 組織の状態 | 柔軟で健康 | 瘢痕化し硬い |
| 麻酔の浸透 | スムーズ | ムラが出やすい |
| 精神状態 | 未知への緊張 | 記憶による不安 |
瘢痕組織の影響で麻酔が浸透しにくい現実
再手術における痛みの大きな要因として「瘢痕(はんこん)組織」の存在が挙げられます。瘢痕とは、傷が治る過程で作られる硬い結合組織です。
埋没法の糸の周りや、糸を通したルート上には、この瘢痕組織が形成されています。瘢痕組織は通常の皮膚組織に比べて密度が高く硬いため、麻酔液がスムーズに浸透しません。
初回の手術であれば、麻酔液を注入すると周囲にふわっと均一に広がっていきますが、瘢痕組織がある場合、麻酔液の拡散が物理的に阻害されてしまいます。
その結果、麻酔が効いている部分と効きにくい部分にムラが生じやすくなります。医師は麻酔を効かせるために注入圧を高めたり、量を増やしたりする必要がありますが、この注入圧そのものが強い痛みとして感じられてしまうのです。
心理的な不安が痛みを増幅させるしくみ
痛みは物理的な刺激だけで決まるものではありません。心理的な状態が痛みの感じ方を大きく左右します。再手術を受ける方の多くは、初回の埋没法での痛い記憶や、術後の腫れに対するトラウマを持っています。
「またあの痛みを味わうのか」という強い予期不安があると、脳が痛みの信号に対して敏感になります。緊張すると全身の筋肉がこわばり、血圧が上がります。
まぶたに力が入ってしまうと、医師が操作をしにくくなるだけでなく、内出血のリスクも高まります。
そして何より、神経が過敏になることで、本来なら我慢できる程度の刺激でも「激痛」として認識してしまうのです。
この「痛みの増幅回路」を断ち切るためには、信頼できる医師による十分な説明と、リラックスできる環境づくりが必要不可欠です。
再手術の痛みを最小限に抑えるための心構え
再手術の痛みが強い傾向にあるとはいえ、ただ恐れる必要はありません。再手術であることを前提とした対策を行えば、苦痛はコントロールできます。
まず大切なのは、医師に対して「痛みに弱いこと」を正直に伝えることです。遠慮して我慢する必要はありません。
事前に伝えておくと、医師は麻酔の打ち方を工夫したり、笑気麻酔の濃度を調整したりといった配慮を行えます。
また、手術中は意識的に深呼吸を行い、体の力を抜くように努めましょう。「痛いかもしれない」と身構えるのではなく、「対策をすれば大丈夫」と前向きな心構えを持つと、結果として痛みを和らげることにつながります。
メンタル面の準備は、麻酔薬と同じくらい痛みの緩和に役立つのです。
再手術特有の麻酔が効きにくい原因を理解して適切な対策を講じる
麻酔が効きにくい原因は薬液の品質ではなく、受け手側の組織の状態にあります。瘢痕組織や癒着が壁となり、麻酔の拡散を妨げるためです。
しかし、極細の針の使用や注入スピードの調整など、医師の技術的な対策によって痛みを大幅に軽減可能です。
通常の皮膚組織とは異なる環境下で、いかにして確実に麻酔を効かせるかが、医師の腕の見せ所でもあります。麻酔が効きにくい原因を正しく理解していれば、それに対する医学的な方法も存在します。
癒着した組織が麻酔液の拡散を妨げる仕組み
先述した通り、埋没法を経験したまぶたの内部では、糸の周囲で組織の癒着が起きています。癒着とは、本来離れているはずの組織同士がくっついてしまう現象です。
この癒着部分は非常に強固で、水分を通しにくい性質を持っています。局所麻酔は、注入した薬液が組織内に浸透し、神経終末に作用して効果を発揮します。
しかし、癒着組織が壁となって立ちはだかると、薬液はその壁に阻まれて目的の場所まで届きません。
あるいは、癒着していない柔らかい部分にばかり薬液が流れてしまい、肝心の針を通すラインに麻酔が効いていないという「効きムラ」が生じます。
これを防ぐために、熟練した医師は癒着の強さを指先の感覚で読み取り、針を進める角度を微調整します。
痛みの閾値が下がっている状態での麻酔アプローチ
再手術のケースでは、まぶたの慢性的な炎症や度重なる刺激によって、痛みの閾値(痛みを感じ始めるレベル)が下がっている場合があります。つまり、通常の人よりも痛みに対して敏感な状態です。
このような状態で通常通りの麻酔注射を行うと、最初の針を刺す痛み(刺入痛)や、薬液が入ってくる時の圧迫痛(浸潤痛)を強く感じてしまいます。
対策としては、まず点眼麻酔を十分に行い、結膜の感覚を麻痺させることが重要です。さらに、注射針は極細の34G(ゲージ)などの特殊な針を使用します。
最も重要なのは、薬液の注入速度です。急速に注入すると組織が急激に引き伸ばされて激痛が走るため、電動麻酔器を使用するなどして浸潤痛を最小限に抑えます。
静脈麻酔や笑気麻酔を併用する選択肢はあるか
局所麻酔だけでは痛みのコントロールが難しい場合、あるいは恐怖心が強すぎて手術台に乗ることさえ辛い場合には、補助的な麻酔の併用を検討します。最も一般的なのは「笑気麻酔」です。
鼻から吸入するガス状の麻酔で、お酒に酔ったようなふわふわとした感覚になり、不安感や痛みの感じ方を鈍らせる効果があります。
多くのクリニックでオプションとして用意されており、リラックスして手術を受けるのに役立ちます。
さらに強力な鎮痛・鎮静を求める場合は「静脈麻酔」という選択肢もあります。ただし、埋没法は手術中に目を開けて二重のラインを確認する工程が必要なため、完全に意識を消失させる静脈麻酔は推奨されない場合もあります。
再手術で検討すべき麻酔の種類と特徴
| 麻酔の種類 | 特徴・効果 | 再手術でのメリット |
|---|---|---|
| 局所麻酔 | 直接注射し痛みを取る | 工夫次第で痛み減 |
| 笑気麻酔 | ガス吸入でリラックス | 予期不安を緩和 |
| 静脈麻酔 | 点滴で眠った状態に | 強い恐怖心に有効 |
抜糸そのものの痛みは糸の深さや炎症の状態によって変化する
抜糸の痛みは、糸が埋没している深さと、周囲の炎症の有無によって大きく異なります。
浅い位置にある糸は一瞬の痛みで済みますが、筋肉の奥深くに入り込んだ糸や炎症を起こしている場合の抜糸は、難易度が高く痛みも強くなる傾向があります。
埋没法の再手術を行う際、前回の糸を抜去するかどうかは大きな決断ポイントです。そして、この「抜糸」こそが、再手術における痛みのピークになる可能性があります。
糸がすんなりと抜けるときもあれば、組織と一体化して見つけることさえ困難なケースもあります。
抜糸の難易度と痛みは比例する傾向にあり、糸が埋まっている状態によって覚悟すべき痛みのレベルも変わってきます。
糸が埋まり込んでいる深さによる痛みの違い
抜糸の痛みを左右する最大の要因は、糸がどの深さに、どのような状態で埋まっているかです。手術から日が浅く、糸が皮膚の浅い部分にあり、結び目がすぐに確認できる場合は、抜糸は比較的容易です。
小さな針穴を開けて糸を引き出すだけなので、チクッとする程度の痛みで済み、時間も数分で終わります。
一方で、手術から数年が経過し、糸が筋肉の奥深くや瞼板(けんばん)の中にまで食い込んでいる場合は状況が異なります。
糸を見つけるために組織をかき分けたり、時には小さな切開を加えて糸を探したりする必要があります。麻酔をしていても、組織を引っ張られる感覚や、奥の方を触られる不快感は残ります。
抜糸の痛みが強くなりやすいケース
- 手術から3年以上経過し糸が完全に埋没している
- 糸の色が透明で組織と同化し視認しにくい
- まぶたの皮膚が厚く糸の結び目を触知できない
- 過去に何度も埋没法を繰り返している
- 糸の周りに強い炎症やしこりができている
抜糸にかかる時間と痛みの関係性について
抜糸にかかる時間は、そのまま体への負担と痛みの量に直結します。糸がすぐに見つかれば痛みを感じる時間は一瞬ですが、糸が見つからずに30分、1時間と手術時間が延びれば、その分だけまぶたを触られている時間が長くなります。
麻酔の効果は時間とともに薄れてくるため、長時間の探索は追加の麻酔を必要とし、それがさらなる腫れを招くという悪循環に陥るときもあります。そのため、多くのクリニックでは抜糸の時間にリミットを設けています。
無理に糸を探し続けると、痛みだけでなく、将来的なまぶたの変形や眼瞼下垂のリスクを高めることにもなります。
痛みを最小限にするためには、執拗な抜糸を行わないという医師の賢明な判断も時には必要になります。
炎症が起きている場合の抜糸の痛みへの対処法
まぶたに赤い腫れやしこり、痛みがある状態で抜糸を行う場合、通常よりも強い痛みを伴います。炎症部位はpH(酸性度)が酸性に傾いており、局所麻酔薬が効きにくいという化学的な特性があるためです。
いわゆる「ホットスポット」と呼ばれる状態で、麻酔を打っても痛みが完全には消えない場合があります。
このようなときは、無理にその日に抜糸を完遂しようとせず、まずは抗生物質や消炎剤を服用して炎症を鎮めることを優先する場合もあります。
炎症が落ち着いてから抜糸を行った方が、麻酔もしっかり効き、痛みも少なく、傷の治りも早いためです。
もし緊急で抜糸が必要な場合は、ブロック麻酔など神経の根元に麻酔を効かせる手法を用いるなど、一段階上の対策が必要です。
術後のダウンタイムと痛みのピークがいつ訪れるかを事前に把握する
術後の痛みのピークは、麻酔が切れた直後から翌日朝にかけてです。再手術は組織ダメージが大きいため、初回よりも熱感や鈍痛を強く感じる場合がありますが、通常3日程度で落ち着きます。
痛みの推移を事前に知っておくことで、不安を軽減し冷静に対処できます。
手術中の痛みと同じくらい気になるのが、家に帰ってからの術後の痛み、いわゆるダウンタイム中の苦痛です。再手術の場合、組織へのダメージが蓄積しているため、初回よりもダウンタイムが長引く傾向にあります。
しかし、痛みのピークがいつ来るのか、いつ頃から楽になるのかという見通しを持っていれば、不安な気持ちはずいぶんと楽になります。
手術当日から翌日にかけてのズキズキする痛み
術後の痛みのピークは、麻酔が切れた直後から手術当日の夜、そして翌日の朝にかけて訪れます。麻酔は手術終了後、数時間で効果が消失します。そのタイミングで、ジンジン、ズキズキとした鈍い痛みを感じ始めます。
これは生体が傷を治そうとして炎症反応を起こしている証拠であり、正常な反応です。
特に再手術や抜糸を伴った場合は、組織内部の出血や炎症が強いため、初回よりも熱感を持った強い痛みを感じるときがあります。この時期は無理に我慢せず、処方された痛み止めを服用してください。
また、まぶたを心臓より高い位置に保つ、目元を保冷剤で軽く冷やすといった物理的な対策も、血管を収縮させて炎症を抑え、痛みを和らげるのに効果的です。
腫れが引くまでの期間と痛みが治まるまでの目安
鋭い痛みは術後2〜3日をピークに、急速に引いていきます。3日目を過ぎれば、何もしていなくても痛いという状態は脱し、目を強くつぶったり、まぶたに触れたりした時に違和感がある程度に落ち着きます。
もし1週間を過ぎても激痛が続く、あるいは日に日に痛みが強くなるという場合は、感染症などのトラブルが疑われるため、直ちにクリニックを受診する必要があります。腫れに関しては、痛みよりも長く続きます。
大きな腫れは1週間〜2週間程度で落ち着きますが、完全に自然な状態に戻るまでには1ヶ月、再手術の場合は3ヶ月近くかかるケースもあります。
痛みは数日で治まりますが、腫れや食い込みの強さは長期戦になることを覚悟しておきましょう。
処方される痛み止めを効果的に使うタイミング
クリニックからは通常、ロキソプロフェンやカロナールといった鎮痛剤が処方されます。
「痛くなったら飲んでください」と言われることが多いですが、痛みがピークに達してから飲むのでは、薬が効くまでの間に辛い時間を過ごすことになります。
おすすめの服用タイミングは「麻酔が切れかけてきたかな?」と感じた時、あるいは「手術直後、麻酔が切れる前」にあらかじめ飲んでおくことです。血中の薬物濃度を一定に保つと、痛みの波を小さく抑えられます。
また、痛み止めには消炎作用が含まれているものも多いため、痛みがそれほど強くなくても、術後2〜3日は指示通りに服用することをお勧めします。結果的に腫れの引きを早くする効果も期待できるため、適切にコントロールしましょう。
術後経過と痛みの推移の目安
| 時期 | 痛みの程度 | 推奨される対策 |
|---|---|---|
| 手術直後〜翌日 | 麻酔切れでピーク | 鎮痛剤服用、冷却 |
| 術後2〜3日目 | 熱感や重みがある | 枕を高くする |
| 術後4日〜1週間 | 触れると痛い程度 | 激しい運動は避ける |
| 術後1ヶ月以降 | ほぼ消失 | 異物感があれば相談 |
何度も埋没法を繰り返すことはまぶたへの負担とリスクを高める
埋没法は手軽ですが、繰り返すほどまぶたの組織は硬化し、将来的な眼瞼下垂や変形のリスクを高めます。
医学的には「合計3回まで」が安全な限界とされています。安易な繰り返しは痛みだけでなく、目の機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。
二重が取れるたびに埋没法を繰り返せばよい、と考えているなら、それは危険な認識かもしれません。
埋没法は手軽な手術ですが、まぶたにとっては異物(糸)を埋め込む処置であり、回数を重ねるごとに組織への負担は確実に蓄積していきます。
繰り返しの手術は、痛みの増加だけでなく、将来的な目の機能障害や審美的な問題を引き起こすリスクを高めます。
まぶたの皮膚が硬くなるリスクと将来への影響
人間の体は、異物が侵入するとそれを壁で囲い込もうとする防御反応を示します。埋没法の糸も体にとっては異物であり、その周りには線維化(組織が硬くなる)が起こります。1回や2回であれば大きな影響はありません。
しかし、3回、4回と同じ場所に糸をかければ、まぶたの内部は硬い線維組織で満たされていきます。
まぶたが硬くなると、二重のラインが自然に折り畳まれにくくなり、食い込みが不自然になったり、目を閉じた時に凹凸が目立ったりするようになります。
また、将来的に加齢によるたるみ取りや眼瞼下垂の手術を受けようとした際に、組織が癒着しすぎていて手術が困難になるケースもあります。「今」の二重だけでなく、将来のまぶたの健康を考えましょう。
埋没法を繰り返すと生じる主なリスク
| リスク項目 | 内容と影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 組織の硬化 | まぶたが厚く硬くなる | 抜糸を行い期間を空ける |
| 感染リスク | 異物量が増え感染源に | 全切開法への移行検討 |
| 眼瞼下垂 | まぶたの機能低下 | 切開手術が必要 |
瞼板変形や眼瞼下垂を引き起こす可能性はあるか
埋没法には、まぶたの裏側の硬い組織である「瞼板(けんばん)」に糸を通す瞼板法という術式があります。この瞼板に何度も針を通し、糸で締め付けることを繰り返すと、瞼板そのものが変形してしまうリスクがあります。
瞼板が歪むと、眼球の表面を傷つけたり、ドライアイの原因になったりします。さらに深刻なのは「眼瞼下垂(がんけんかすい)」のリスクです。
度重なる手術による組織へのダメージが蓄積すると、目が開きにくくなる場合があります。
眠そうな目になったり、目を開けるためにおでこに力が入って頭痛がしたりするときは、埋没法の繰り返しによる眼瞼下垂の初期症状かもしれません。
このようなケースでは、これ以上埋没法を繰り返すことは推奨されません。
埋没法を繰り返せる回数の限界と切開法への移行
一般的に、埋没法を安全に繰り返せる回数は「合計3回まで」とされています。もちろん個人差はありますが、3回行っても二重が取れてしまう場合、その人のまぶたは埋没法に適していない可能性が高いと判断されます。
4回目以降の埋没法は、成功率が低くなる一方で、感染や変形のリスクは跳ね上がります。もし3回以上取れてしまっているなら、勇気を持って「全切開法」などの切開手術への移行を検討すべき時期です。
切開法であれば、余分な皮膚や脂肪を除去し、強固な癒着を作れるため、半永久的な二重を手に入れられます。長期的な視点で見れば、何度も手術を繰り返すほうがトータルの苦痛とリスクは大きくなります。
痛みをできるだけ感じずに再手術を受けるためにクリニックを慎重に選ぶ
再手術の痛みは、医師の技術や使用する麻酔針の太さによって大きく変わります。極細の針(34Gなど)を使用し、再手術の実績が豊富なクリニックを選ぶことが重要です。
カウンセリングで「痛みに弱い」と正直に伝え、具体的な対策を確認しましょう。
再手術の痛みは、医師の技術とクリニックの設備によって大きく左右されます。「どこで受けても同じ」ではありません。
特に痛みに敏感な方や、過去の手術で辛い思いをした方は、価格の安さよりも痛みへの配慮を基準に選ぶようにしましょう。
麻酔の技術や針の細さにこだわる医師を探す方法
痛みの少ない手術を提供しているクリニックは、使用する器具にもこだわっています。
例えば、麻酔針は細ければ細いほど刺す時の痛みが少なくなります。現在では「34G」や「35G」といった極細の針を採用しているクリニックも増えています。ホームページなどで使用している針の太さを確認してみましょう。
また、医師の麻酔技術も重要です。口コミやSNSでの評判を調べる際は、「仕上がりが綺麗」という点だけでなく、プロセスに関する評価に注目してください。
「麻酔が痛くなかった」「声をかけながらゆっくり打ってくれた」といった感想が多い医師は信頼できます。麻酔科の経験がある医師や、形成外科専門医は、痛みのコントロールに長けている傾向があります。
カウンセリングで痛みの不安をしっかり伝える重要性
カウンセリングは、単に二重の幅を決めるだけの場ではありません。痛みに対する不安を医師と共有し、信頼関係を築くための重要な時間です。
ここで「痛いのが怖いです」「前回、麻酔が効きにくくて辛かったです」と正直に伝えてください。
良い医師であれば、その不安を受け止め、「なぜ痛かったのか」「今回はどう対策するか」を具体的に説明してくれます。
逆に、「大丈夫ですよ」と軽くあしらったり、リスクについての説明が不十分だったりする医師は避けた方が無難です。
痛みへの配慮は、医師の患者に対する誠実さの表れでもあります。オプション麻酔の提案や、術中の痛みの確認方法など、具体的な対応策を提示してくれるクリニックを選びましょう。
再手術の実績が豊富なクリニックを選ぶべき理由
再手術は、初回の手術とは全く異なる難しさがあります。癒着した組織を剥離したり、埋もれた糸を探し出したりする作業には、豊富な経験と繊細な技術が求められます。
再手術の経験が少ない医師が行うと、手技に時間がかかり、組織を不必要に傷つけてしまうため、結果として痛みや腫れが強くなります。
「他院修正」や「再手術」を積極的に受け入れているクリニックは、困難な症例を数多く経験しています。
再手術特有の組織の硬さや麻酔の効きにくさも織り込み済みで手術を行うため、スムーズな動きで患者への負担を最小限に抑えられます。症例写真や解説記事が充実しているかも、良い指標となります。
痛みに配慮したクリニック選びのチェック
- 極細の麻酔針(34G以上)を使用しているか
- 笑気麻酔などのオプションが充実しているか
- カウンセリングで不安に具体的に答えてくれるか
- 「他院修正」の症例実績が豊富に公開されているか
- 痛みが強かった場合の術中対応が明確か
精神的な負担を減らして安心して再手術に臨む環境を整える
心の緊張は痛みを増幅させますが、リラックスすると緩和できます。術前の深呼吸や、信頼できる医師とのコミュニケーションは、強力な鎮痛剤となります。「終わった後の自分」をポジティブに想像し、心の準備を整えましょう。
痛みは「脳」で感じるものです。そのため、心の状態を整える工夫は、物理的な麻酔と同じくらい強力な鎮痛効果を持ちます。
緊張でガチガチになっていると、小さな刺激も敏感に感じ取ってしまいます。逆に、リラックスしていれば痛みは遠のきます。
手術中の緊張を和らげるリラックス法を取り入れる
手術台に上がると、どうしても心臓がドキドキし、体に力が入ってしまうものです。しかし、まぶたに力が入ると血圧が上がり、出血しやすくなり、結果として腫れや痛みが強くなります。
これを防ぐために最も有効なのが「深呼吸」です。鼻からゆっくり息を吸い、口から長く吐くことを繰り返してください。息を吐く時に副交感神経が優位になり、体の力が抜けやすくなります。
また、手術中は医師から「下の方を見てください」と指示される場合が多いですが、この時に目だけで見ようとせず、顎を少し引いて視線を落とすのがコツです。
リラックスできるグッズを持参できるか聞いてみるのも良いでしょう。
術前術後のメンタルケアとその効果
| タイミング | 実践すべきメンタルケア | 効果 |
|---|---|---|
| 手術前日 | 十分な睡眠とリラックス | 自律神経を整える |
| 手術直前 | 深呼吸を繰り返す | 緊張をほぐす |
| 手術中 | 足元に目線を向ける | 恐怖心を軽減 |
| 手術後 | 自分を労る | 回復を促す |
術後の経過をシミュレーションして不安を解消する
「術後はどれくらい痛いのだろう」「どれくらい腫れるのだろう」という未知への恐怖が、精神的な負担を大きくします。
これを解消するためには、ポジティブなシミュレーションとネガティブなシミュレーションの両方を行っておくのが有効です。
「3日目には腫れがピークを越える」「1週間後にはメイクで隠せる」といった回復のロードマップを頭に入れておくと、術後の辛い時期も「想定内」として冷静に受け止められます。
また、万が一痛みが強かった場合の連絡先や、休日の過ごし方を決めておくことも安心材料になります。不安を漠然としたままにせず、具体的な計画に落とし込むと、心に余裕を持って手術に臨めます。
信頼できる医師との信頼関係構築が痛みを和らげる
最終的に、痛みを和らげる最大の薬は「この先生なら大丈夫」という信頼感です。プラシーボ効果(偽薬効果)という言葉があるように、人は「効く」と信じることで、本当に痛みが和らいだり治癒力が高まったりします。
逆に、医師に対して不信感を持っていると、どんなに良い麻酔を使っても「痛い」「雑だ」と感じやすくなってしまいます。手術を決める前に、医師の人柄や説明の分かりやすさを重視してください。
そして、手術当日は医師にすべてを委ねる気持ちで臨みましょう。医師と患者の心が通じ合っている手術は、不思議とスムーズに進み、結果として痛みも少なくなるケースが多いのです。
よくある質問
- 埋没法の再手術の痛みはいつまで続きますか?
-
強い痛みは麻酔が切れた直後から翌日までがピークです。その後は急速に落ち着き、術後3日程度で鈍痛や違和感レベルになります。
1週間経てばほとんど痛みは感じなくなりますが、目を強くこすったり押さえたりした時の痛みは数週間続く場合があります。
- 埋没法の抜糸をする際に麻酔は痛いですか?
-
通常の埋没法と同様に局所麻酔を行うため、最初のチクリとする痛みと薬液が入る時の圧迫感はあります。
ただし、抜糸箇所が炎症を起こしていたり、組織が硬くなっていたりする場合は、通常よりも痛みを強く感じるときがあります。笑気麻酔などを併用すると緩和可能です。
- 埋没法のやり直しは何回まで可能ですか?
-
まぶたの健康を考慮すると、一般的には合計3回までが目安とされています。それ以上繰り返すと、まぶたの皮膚が硬くなったり、眼瞼下垂のリスクが高まったりします。
3回以上取れてしまう場合は、埋没法が適していない可能性があるため、切開法の検討をお勧めします。
- 埋没法の再手術後の腫れは初回よりひどいですか?
-
はい、初回よりも強く腫れる傾向があります。古い糸の抜糸を行ったり、癒着を剥がしたりする操作が加わるため、組織への負担が増えるからです。
完全に腫れが引いて完成するまでの期間も、初回より長くかかる(1〜3ヶ月)と考えて予定を立てるのが賢明です。
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