二重整形で静脈麻酔は選べる?眠っている間に手術が終わるメリット

二重整形で静脈麻酔は選べる?眠っている間に手術が終わるメリット

二重整形を検討しているけれど、手術中の痛みや恐怖が気になって踏み出せない方は多いのではないでしょうか。静脈麻酔(じょうみゃくますい)を使えば、ウトウトと眠っている間に手術が終わるため、痛みをほとんど感じずに済みます。

この記事では、まぶたの治療に携わってきた医師の視点から、二重整形における静脈麻酔の仕組みやメリット、リスク、クリニックの選び方まで丁寧に解説します。

目次

二重整形で静脈麻酔を選べるクリニックは増えている

二重整形で静脈麻酔を選べるクリニックは年々増加しています。従来は局所麻酔が主流でしたが、患者さまの快適性を重視する流れの中で、静脈麻酔を導入する施設が全国的に広がってきました。

静脈麻酔が二重整形に使われるようになった背景

かつて二重整形といえば、まぶたに局所麻酔の注射を打ち、意識がはっきりした状態で手術を受けるのが一般的でした。しかし、注射そのものの痛みや手術中の緊張に耐えられず、施術を断念する方も少なくありませんでした。

そうした患者さまの声を受けて、点滴から鎮静薬を投与する静脈麻酔が美容外科でも広く使われるようになりました。麻酔技術の向上と安全管理体制の整備が進んだことも、普及を後押ししています。

埋没法と切開法、どちらでも静脈麻酔は使えるのか

埋没法(まいぼつほう)は糸でまぶたを留めるだけの比較的短い手術で、切開法はまぶたの皮膚を切開して二重のラインを作る手術です。どちらの術式でも静脈麻酔を併用できます。

ただし、埋没法は手術時間が15分から30分程度と短いため、局所麻酔だけで十分に対応できるケースも多いでしょう。一方、切開法は手術時間が長くなりやすく、静脈麻酔の恩恵をより強く感じる傾向があります。

埋没法・切開法と麻酔方法の組み合わせ

術式手術時間の目安静脈麻酔の適性
埋没法15〜30分希望すれば選択可能
切開法40〜90分併用をすすめる医師が多い
目頭切開の併用60〜120分静脈麻酔が推奨される

静脈麻酔に対応したクリニックを見つける方法

静脈麻酔に対応しているかどうかは、クリニックの公式サイトや電話での問い合わせで確認できます。予約前に「静脈麻酔は対応していますか」と聞くだけで、対応の可否と追加費用の目安がわかるでしょう。

麻酔科医が常駐しているか、あるいは手術日に招聘しているかも確認ポイントです。麻酔の管理を専門家が担当するクリニックは、安全性への意識が高いといえます。

静脈麻酔と局所麻酔・全身麻酔はまったく別の体験になる

麻酔の種類によって、手術中の意識や身体への負担は大きく異なります。それぞれの特徴を把握しておくと、医師との相談がスムーズに進むはずです。

局所麻酔だけの二重整形は意識がはっきりしている

局所麻酔では、まぶた周辺にリドカインなどの麻酔薬を直接注射します。手術中に痛みはほとんど感じませんが、意識はしっかり保たれています。

そのため、器具の音やまぶたを触られる感覚が伝わり、緊張しやすい方にとっては精神的な負担が大きくなりがちです。

一方で、全身への影響がきわめて少なく、術後の回復も早いという利点があります。短時間の埋没法であれば、局所麻酔だけで快適に終えられる方も多いでしょう。

静脈麻酔はウトウトした状態で手術を受けられる

静脈麻酔(点滴による鎮静)は、腕の静脈から鎮静薬を投与して意識をぼんやりとさせる方法です。完全に意識を失う全身麻酔とは異なり、自発呼吸が保たれた状態で浅い眠りに入ります。

手術中の記憶がほとんど残らないケースが多く、「気がついたら終わっていた」と感じる方が大半です。局所麻酔と組み合わせて使うため、痛みのコントロールも十分に行えます。

全身麻酔は完全に意識を失うため身体への負担が大きい

全身麻酔は気管にチューブを挿入し、人工的に呼吸を管理しながら意識を完全になくす方法です。長時間にわたる複合的な手術には向いていますが、二重整形のように比較的短い手術では、身体への負担が過剰になることがあります。

術後に喉の痛みや強い吐き気が出やすく、回復までの時間も静脈麻酔に比べて長くなる傾向があります。費用面でも全身麻酔のほうが高額になりやすいため、二重整形では静脈麻酔のほうが合理的な選択肢といえるかもしれません。

麻酔の種類と特徴の比較

種類意識の状態身体への負担
局所麻酔はっきり覚醒とても軽い
静脈麻酔浅い眠り比較的軽い
全身麻酔完全に意識消失やや大きい

眠っている間に手術が終わる静脈麻酔のメリットは想像以上に大きい

静脈麻酔を選んだ方の多くが「もっと早く知りたかった」と口にされます。痛みや恐怖心の軽減だけでなく、術後の回復や精神面にもプラスの影響があるからです。

痛みや恐怖心をほとんど感じずに済む

まぶたはとても繊細な部位であり、局所麻酔の注射自体に強い痛みを感じる方もいます。静脈麻酔を先に投与すれば、局所麻酔の注射時にはすでに意識がぼんやりしているため、注射の痛みすら気にならないのが大きな利点です。

手術中に不安で身体が強張ると、血圧が上がって出血量が増えることがあります。リラックスした状態を保てる静脈麻酔は、手術の安全性を高める効果も期待できるでしょう。

術後の回復が全身麻酔より早い

静脈麻酔で使われるプロポフォールなどの薬剤は、体内からの排出が速いことが特徴です。手術が終わると数分から十数分で意識が戻り始め、多くの方は30分から1時間ほど休憩すれば歩いて帰宅できる状態になります。

比較項目静脈麻酔全身麻酔
覚醒までの時間5〜15分程度30分〜1時間程度
帰宅までの時間1〜2時間程度3〜5時間程度
術後の吐き気比較的少ない出やすい

手術中の記憶が残りにくいため精神的負担が軽い

静脈麻酔に使われる鎮静薬には健忘作用(けんぼうさよう)があり、手術中の出来事を覚えていないことがほとんどです。「目を閉じたと思ったら、もう終わっていた」という体験は、手術への心理的ハードルを大きく下げてくれます。

将来的に再手術やメンテナンスが必要になった場合にも、「前回は怖くなかった」という記憶があれば、次の手術に対する不安も軽減されるでしょう。

静脈麻酔で二重整形を受けるときの流れと当日の過ごし方

手術当日のスケジュールをあらかじめ知っておくと、余計な不安が減って心にゆとりが生まれます。静脈麻酔を使った二重整形は、来院から帰宅まで2時間から3時間ほどが一般的です。

手術前日から当日朝までに守りたい注意事項

静脈麻酔を受ける場合、手術の6時間以上前から飲食を控える必要があります。胃に内容物が残っていると、麻酔中に嘔吐して気道を塞ぐリスクがあるためです。

水や白湯などの透明な飲み物は、手術の2時間前まで許可されるクリニックもあります。詳しい絶食ルールは施設によって異なるため、事前の説明をしっかり確認してください。

点滴開始から手術終了までの一連の手順

手術室に入ると、まず腕に点滴のラインを確保します。血圧計や心電図モニター、パルスオキシメーター(血中酸素濃度を測る装置)を装着し、バイタルサインの監視を開始します。

準備が整ったら、点滴から鎮静薬を投与していきます。薬が効き始めると数十秒で意識がぼんやりし、そのまま浅い眠りに入ります。眠りに落ちた後に局所麻酔の注射を行い、二重のラインをデザインどおりに仕上げていきます。

麻酔が覚めた後の帰宅までの過ごし方

手術が終わると鎮静薬の投与を停止し、数分から十数分で目が覚め始めます。しばらくはぼんやりした感覚が残るため、リカバリールームのベッドで30分から1時間ほど安静に過ごしていただきます。

意識がしっかり戻り、ふらつきがなくなったことを看護師が確認してから帰宅の許可が出ます。当日は車やバイク、自転車の運転が禁止されるため、公共交通機関かタクシーを利用するか、付き添いの方に送迎を頼んでおきましょう。

  • 手術当日は自分で車を運転しない
  • 帰宅後もアルコールは控える
  • 処方された痛み止めは用法を守って服用する
  • 当日中に激しい運動や入浴は避ける

静脈麻酔による二重整形のリスクと副作用

静脈麻酔は安全性の高い麻酔法ですが、リスクがゼロというわけではありません。副作用やまれに起こるトラブルについても正しく知っておくことが、安心して手術に臨むための土台になります。

術後に起こりやすい吐き気やだるさへの対処法

静脈麻酔の後に最も多い副作用は、軽い吐き気やだるさです。プロポフォールは全身麻酔で使う吸入麻酔薬に比べて吐き気を起こしにくいとされていますが、体質によっては気分が悪くなることがあります。

事前に乗り物酔いしやすい体質であることを医師に伝えておくと、予防的に吐き気止めの薬を投与してもらえます。術後のだるさは通常、数時間以内に消えていきます。

呼吸抑制のリスクとモニタリング体制

静脈麻酔中は自発呼吸が保たれていますが、鎮静が深くなりすぎると一時的に呼吸が浅くなることがあります。パルスオキシメーターで血中酸素濃度を常時監視し、必要に応じて酸素マスクで酸素を補給するため、すぐに対応が可能です。

副作用頻度対処法
吐き気やや起こりやすい制吐薬の予防投与
だるさよくある安静にして経過観察
呼吸の浅い状態まれ酸素投与とモニタリング
アレルギー反応きわめてまれ救急対応が必要

アレルギーや持病がある方が事前に伝えるべきこと

卵や大豆にアレルギーがある方は、必ず事前に医師へ申告してください。プロポフォールの成分に卵黄レシチンや大豆油が含まれている製剤があり、アレルギー反応を起こす可能性があるためです。

喘息(ぜんそく)や睡眠時無呼吸症候群を抱えている方は、呼吸管理に特別な配慮が求められます。現在服用中の薬やサプリメントもすべて伝えることで、麻酔科医が適切な薬剤と投与量を判断できます。

静脈麻酔が向いている人・向いていない人の見分けポイント

静脈麻酔は多くの方にとって快適な選択肢ですが、体質や既往歴によっては別の方法のほうが安全なケースもあります。自分がどちらに当てはまるか、以下の情報を参考に考えてみてください。

痛みに弱い方や手術への恐怖心が強い方には特におすすめ

注射が苦手な方、歯医者でも緊張して身体が固まってしまう方は、静脈麻酔との相性が良いといえます。手術中に意識がない状態が保たれるため、恐怖心からくる身体の緊張を防げるからです。

切開法のように手術時間が長くなる施術を受ける場合も、静脈麻酔を併用するとストレスなく過ごせます。過去に局所麻酔だけの手術でつらい思いをした経験がある方にも、強くおすすめできるでしょう。

体質や服用中の薬によっては静脈麻酔を避けたほうがいいケース

重度の呼吸器疾患や心臓の持病がある方は、静脈麻酔によるわずかな呼吸抑制でも身体に大きな負担がかかることがあります。また、妊娠中や妊娠の可能性がある方は、原則として静脈麻酔を受けられません。

特定の精神科系の薬を服用している場合、鎮静薬との相互作用で効果が強く出すぎることもあるため、カウンセリング時にお薬手帳を持参してください。

カウンセリングで医師に相談すべき具体的な質問

カウンセリングでは遠慮せずに、気になることを何でも質問して大丈夫です。

「私の体質で静脈麻酔は安全ですか」「術中に意識が戻ることはありませんか」「過去のアレルギー歴は影響しますか」といった質問を事前にメモしておくと、聞き忘れを防げます。

医師の説明がわかりにくいと感じたら、「もう少しかみ砕いて教えてください」と伝えることも大切です。納得できないまま手術に進む必要はありません。

確認項目質問の例
安全性持病があるが静脈麻酔は受けられるか
費用静脈麻酔の追加料金はいくらか
術後ケア帰宅後に異変があった場合の連絡先

静脈麻酔で二重整形を受けるクリニック選びで失敗しないコツ

どのクリニックで手術を受けるかは、仕上がりの満足度だけでなく安全面にも直結します。麻酔体制や費用のチェックポイントを押さえておけば、後悔のないクリニック選びにつながるはずです。

麻酔科医の常駐や緊急対応体制を確認しよう

静脈麻酔を安全に行うためには、麻酔管理の専門知識を持つ医師や看護師の存在が欠かせません。手術中にバイタルサインを継続的に監視し、万が一のトラブルにも即座に対応できる体制が整っているかどうかを確かめましょう。

  • 麻酔科医が手術に立ち会うか、執刀医が麻酔管理の研修を修了しているか
  • AED(自動体外式除細動器)や救急カートが手術室に常備されているか
  • 術後にリカバリールームで十分な休憩時間を確保してもらえるか

カウンセリングで麻酔の説明が丁寧なクリニックを選ぶべき理由

麻酔の方法やリスクについて、カウンセリングの段階でしっかり説明してくれるクリニックは、患者さまの安全を第一に考えている証拠です。

「痛みはありません」「寝ている間に終わります」としか言わないクリニックよりも、副作用やリスクにも正直に触れてくれるところを選んでください。

質問に対して曖昧な返答をしたり、不安を訴えても取り合ってくれなかったりする場合は、別のクリニックでセカンドオピニオンを受けることも一つの手段です。

費用だけで決めると後悔する─静脈麻酔の料金相場と内訳

静脈麻酔の追加費用は、3万円から10万円ほどが一般的な相場です。クリニックによっては手術料金に含まれている場合もあれば、別途請求されるケースもあります。

安さだけに惹かれて選ぶと、モニタリング機器や麻酔管理人員が不十分な施設に当たるリスクがあるかもしれません。料金の内訳(麻酔薬代、モニタリング費、麻酔科医の技術料など)を明確に提示してくれるクリニックは、費用面でも信頼性が高いと判断できます。

よくある質問

二重整形の静脈麻酔で術中に目が覚めてしまうことはありますか?

麻酔科医や担当医が手術中のバイタルサインを常に監視し、鎮静の深さを調整しています。万が一意識が浅くなりかけても、薬剤を追加投与してすぐに鎮静レベルを戻せるため、完全に覚醒した状態で手術が続くことはほぼありません。

ただし、浅い眠りの中で声かけに反応する程度の意識の浮上は、鎮静法の性質上まれに起こることがあります。その場合も痛みは局所麻酔で遮断されているため、苦痛を感じることはないでしょう。

二重整形の静脈麻酔にかかる追加費用はどのくらいですか?

静脈麻酔の追加費用はクリニックによって異なりますが、3万円から10万円程度が目安になります。手術料金に静脈麻酔の費用が含まれている施設もあるため、カウンセリング時に料金の内訳を確認するとよいでしょう。

費用には麻酔薬の薬剤代のほか、モニタリング機器の使用料や麻酔管理の技術料が含まれることが一般的です。見積書を事前にもらっておくと、当日に想定外の出費で慌てずに済みます。

二重整形で静脈麻酔を受けた当日は仕事に行けますか?

静脈麻酔を受けた当日は、ふらつきや眠気が数時間残る場合があるため、手術後にそのまま仕事に向かうのは避けたほうが無難です。特にパソコン作業や車の運転を伴うお仕事は、判断力が一時的に低下している可能性があるため危険が伴います。

可能であれば手術当日と翌日の2日間を休暇にあてるのが理想的です。デスクワーク中心であれば、翌日から復帰できる方もいらっしゃいます。

二重整形の静脈麻酔は全身麻酔と比べてどの程度安全ですか?

静脈麻酔は全身麻酔に比べて身体への負担が軽く、重篤な合併症が起こる確率もかなり低いとされています。全身麻酔では気管挿管による喉の損傷や術後の強い吐き気がリスクとして挙げられますが、静脈麻酔ではそれらのリスクが大幅に軽減されます。

ただし、まったくリスクがないわけではありません。呼吸が浅くなったりアレルギー反応が出たりする可能性はゼロではないため、モニタリング体制が整った施設で受けることが大切です。

二重整形の静脈麻酔を受ける前に食事制限は必要ですか?

静脈麻酔を受ける場合、手術の6時間前からは固形物の摂取を控える必要があります。麻酔中に胃の内容物が逆流して気道に入る誤嚥(ごえん)を防ぐための大切なルールです。

透明な水やスポーツドリンクであれば、手術の2時間前まで許可しているクリニックもあります。絶食時間のルールはクリニックごとに異なるため、事前の指示をしっかり守ってください。

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この記事を書いた人

Dr.王子 富登のアバター Dr.王子 富登 日本形成外科学会専門医

オジスキンクリニック医師 / 日本医師会認定産業医 / 医学博士

2010年慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院形成外科、東邦大学医療センター佐倉病院形成外科(医局長)などを経て現職。 形成外科専門医として大学病院で研鑽を積み、2016年度には眼瞼下垂手術の執筆症例数が千葉県最多を記録。まぶた眼瞼外来の開設や、大手美容クリニックでの勤務経験も併せ持つ。

「目の前の患者さんを自分の家族だと思ってメスを持つ」を信条に、二重整形、眼瞼下垂、まぶたのたるみ治療、他院修正など、「まぶた治療」のスペシャリストとして機能と美しさを両立させる緻密な手術に定評がある。

【所属学会】
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本頭蓋顎顔面外科学会

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