挙筋法と瞼板法– category –

埋没法の基礎と相場挙筋法と瞼板法

挙筋法と瞼板法を分けているのは、まぶたの中のどの層に糸を通すかという一点です。挙筋法はまぶたを引き上げる筋肉の膜へ、瞼板法はまつげの根元にある硬い板状の組織へ糸をかけます。

通す層が違えば、腫れの出方も持ちも変わります。瞼板法は手術が短く回復も早い一方、挙筋法は目の開きを邪魔しにくく、糸が眼球側へ出る心配が小さいという性質を持っています。

どちらが優れているという順位は付きません。まぶたの厚みと希望する二重の形に対して、どちらの性質が噛み合うかで決まります。

挙筋法と瞼板法は、糸を通す層が違う

まぶたの層を帯で積み重ねて示し、挙筋法の糸が挙筋腱膜へ、瞼板法の糸が瞼板へ届くことを表した図解イラスト

まぶたの中には、外側から順に皮膚・眼輪筋が重なり、その奥に瞼板と上眼瞼挙筋があります。埋没法はこのうちどこかに糸をかけて皮膚を引き込み、二重のラインを作る手術です。

挙筋法が糸をかけるのは、まぶたを持ち上げる上眼瞼挙筋の腱膜です。瞼板法がかけるのは、まつげの根元にあるコラーゲン繊維の詰まった瞼板になります。数ミリ奥か手前かの差でしかありませんが、そこが動く組織か動かない組織かで性質は大きく分かれるでしょう。

挙筋腱膜に留める挙筋法は、まぶたの動きに同調する

挙筋法の利点は、糸を通す先が動く組織であることから生まれます。

まばたきのたびに引きつれが起こりにくい

挙筋腱膜は目を開けるたびに伸び縮みする組織で、そこへ留めた糸は筋肉の動きと一緒に動きます。硬い組織へ食い込ませないぶん糸が抜けにくく、自然な動きと持続性の両方を保ちやすいのが挙筋法の特徴です。

筋肉に触れる以上、眼瞼下垂のリスクは残る

目を開ける力を担う筋肉そのものに糸をかけるので、腱膜が薄くなったり線維化したりする負担は避けられません。締め付けが強すぎたり手術を繰り返したりすると、挙筋法では目の開きが落ちる眼瞼下垂のリスクが問題になることもあるでしょう。

瞼板に留める瞼板法は、固定が確実で手術が短い

瞼板法の利点は、糸を通す先が硬く密度の高い組織であることに由来します。

組織が密なぶん、糸が抜けにくい

瞼板はコラーゲン繊維が詰まった軟骨状の組織で、糸をかけたときの手応えがはっきりしています。医師が対象をすぐ視認できるため手術時間も短く、腫れは2日ほどで半分に引き、5日ほどでおおよそ落ち着きました。瞼板法のメリットは、この確実さと速さに集まります。

眼球に近い場所なので、角膜への配慮が要る

瞼板は眼球のすぐ手前にあり、結び目の位置が適切でなかったり張力が強すぎたりすると、糸が結膜側へ出て角膜を刺激することがあります。術後3〜7日のゴロゴロ感は炎症によるものがほとんどですが、鋭い痛みが続くなら瞼板法でも糸の露出を疑います。

挙筋法と瞼板法を、腫れ・持続・手術時間で並べる

腫れが引き始めるまでの日数を挙筋法と瞼板法で比べ、瞼板法のほうが早く引くことを横帯の長さで示した図解イラスト

同じ埋没法でも、留める層が違うだけで術後の見え方はここまで変わってきました。

項目挙筋法瞼板法
糸をかける層挙筋腱膜瞼板
腫れの引き5日ごろから3日ごろから
手術時間やや長め10〜15分
気をつける点目の開き角膜への刺激

仕上がりが定まるまでの期間は、どちらも1か月から1か月半ほどかかります。挙筋法と瞼板法のこうした違いは優劣ではなく、性質の差として読んでください。

挙筋法と瞼板法のほかに、点数と費用でも仕上がりは変わる

どちらの術式を選ぶかは、二重を決める軸のひとつにすぎません。

糸を何か所に留めるかという点数は、術式とは別の軸で仕上がりを左右します。まぶたが厚いほど多くの点数が要り、点が増えるほど腫れも費用も上がっていくため、点数留めの選び方は術式と一緒に考える必要があるでしょう。

値段の相場は点数留めの数と糸の種類、保証の有無で動きます。術式そのもので費用が大きく変わる施設は多くありません。

医師によって挙筋法と瞼板法の推奨が分かれる理由

優先する項目が眼球の安全なら挙筋法、回復の速さなら瞼板法へ分かれることを左右対称の矢印で示した図解イラスト

同じまぶたを診ても、勧められる術式が施設で違うことがあります。

医師ごとに優先する項目が違うからです。眼球の安全をいちばんに置く医師は角膜への干渉を避けて挙筋法を勧め、手術の簡便さと回復の速さを重く見る医師は瞼板法を選びます。出身の診療科や扱ってきたトラブルの経験も、この推奨の違いを生む理由になっています。

挙筋法でも瞼板法でも、術後の過ごし方が持ちを左右する

埋没法が取れかけているときのサインを、ラインが浅い・左右差・異物感の3つの目元で並べて示した図解イラスト

術式を決めたあとに効いてくるのは、回復までの過ごし方と日々の扱い方です。

腫れが引くまでの過ごし方で回復の速さが変わる

腫れのピークは術後2〜3日で、人前に出られる程度まではおおむね1〜2週間かかります。入浴やサウナ、飲酒、激しい運動は血流を増やして腫れを長引かせるので、この時期は控えましょう。経過とダウンタイムの見通しを先に知っておくと、休みの取り方も決めやすくなります。

取れやすさは術式だけで決まらない

持続の目安は3〜5年とされますが、まぶたの厚みや脂肪の量、選んだ二重の幅でも大きく動きます。次のような変化は、糸が緩んで取れかけているときのサインです。

  • ラインが浅くなる … 朝は二重でも、夕方には食い込みが弱くなる
  • 左右差が出てくる … 片目だけ幅が狭くなり、開きにも差が出る
  • 異物感が続く … まばたきのたびに引っかかる感じが残る

こうした変化に気づいたら、持続性と取れる確率がどこまで自分に当てはまるのかを確かめて、留め直しの時期を相談してください。

よくある質問

挙筋法と瞼板法は、どちらが痛みは強いですか?

手術中は局所麻酔が効いていますので、挙筋法と瞼板法で痛みの差を感じることはほとんどありません。術後については、組織への負担が大きいぶん挙筋法のほうが重い感じが長引く方もいらっしゃいますが、個人差のほうが大きいのが実際です。

挙筋法と瞼板法は自分で選べますか?

ご希望はうかがいますが、まぶたの厚みや脂肪の量、目の開き具合を診たうえで適した術式をご提案します。どちらでも作れる目元もあれば、片方が明らかに向かない目元もありますので、診察の結果と合わせて決めていただく形になります。

瞼板法で目がゴロゴロするのは失敗ですか?

術後3〜7日ほどのゴロゴロ感は腫れによる一時的なもので、多くは時間とともに落ち着いていきます。ただし鋭い痛みが続いたり、日を追って強くなったりする場合は糸が露出している可能性を疑いますので、早めに受診してください。

挙筋法を受けると眼瞼下垂になりますか?

適切な力加減で留めていれば、挙筋法が眼瞼下垂を招くことは多くありません。ただし無理に広い二重を作ったり、埋没法を何度も繰り返したりすると腱膜への負担が積み重なりますので、幅の設計と回数の管理が大切になります。

挙筋法から瞼板法へ、あとから変えられますか?

前の糸を抜いてから別の術式で留め直す形になりますので、変更そのものは可能です。ただし組織と糸が癒着していると抜糸が難しくなりますし、腫れも通常より長引きますので、変えたい理由を診察でお聞かせいただいたうえで判断します。

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