裏留めの埋没法にはデメリットもある?眼球への刺激や抜糸の難易度を解説

裏留めの埋没法は、皮膚表面に傷がつかず直後からメイクが可能という大きなメリットがある一方で、万が一のトラブル時に抜糸が極めて困難になるという重大なリスクを抱えています。
また、糸の結び目が瞼の裏側(粘膜側)にあるため、眼球を物理的に刺激し、角膜を傷つける可能性もゼロではありません。
多くの美容外科クリニックで「腫れない」「バレない」と推奨されていますが、安易な決断は禁物です。
将来的な修正や目の健康を第一に考えるならば、メリットだけでなく、裏留め特有の構造的なデメリットやリスクを正しく把握する必要があります。
この記事では、広告では語られにくい裏留めの真実を包み隠さず解説します。
裏留め(経結膜埋没法)の仕組みは従来の埋没法とどう違うのか
裏留め埋没法について解説を始めるにあたり、まずはこの術式が従来の埋没法とどのように異なるのか、その構造的な特徴を明確にします。
結論として、裏留め(経結膜埋没法)とは、二重を形成するための糸の結び目を皮膚側ではなく、瞼の裏側の粘膜(結膜)の中に埋め込む手法です。
この独自の方法によって、皮膚表面に針穴すら残さず、術直後からメイクが可能という利便性を実現しています。
瞼の裏側で結ぶ仕組みで表面に傷がつかないカラクリ
通常の埋没法(表留め)では、瞼の皮膚側から針を通し、最終的な糸の結び目を皮下に埋め込みます。そのため、目を閉じた際に結び目の凹凸が透けて見えたり、術後数日間は針穴が赤く残ったりする場合があります。
一方で裏留めは、瞼の裏側(結膜側)から糸を通し、結び目も裏側の粘膜内に埋没させます。皮膚側には糸が通らない、あるいは通っても結び目が来ないため、皮膚表面へのダメージを最小限に抑えられます。
この「結び目の位置」こそが最大の違いであり、後の抜糸難易度や眼球へのリスクにも大きく関わってきます。
医師は瞼の解剖学的構造を熟知した上で、瞼板や挙筋腱膜といった組織に糸をかけますが、裏留めの場合は特に粘膜下への結び目の処理に高度な技術を要します。
粘膜は皮膚と違って非常に柔らかく、また血流も豊富であるため、正確な層に糸を通さなければ出血や腫れの原因となります。
技術の未熟な医師が行うと、結び目が浅すぎて露出したり、逆に深すぎて組織を傷つけたりするトラブルにつながります。
術後の腫れやダウンタイムが極端に少ない理由
裏留めが多くの患者に選ばれる最大の理由は、圧倒的なダウンタイムの短さにあります。
皮膚側を切開せず、針を通す回数や範囲も限定的であるため、組織へのダメージが少なく済みます。皮膚側に結び目を作る際に生じる組織の食い込みや、リンパ流の阻害が起きにくいのも腫れにくい要因です。
さらに、皮膚表面に傷がないため、内出血が起きたとしても皮膚の厚みで隠れやすく、表面からは目立ちにくいという特徴もあります。
仕事や学校を休めない人にとって、週末だけで手術を完了できる点は非常に魅力的です。
手術直後でも泣き腫らした程度で済むケースが多く、眼鏡などでカモフラージュすれば当日から外出することも不可能ではありません。
ただし、全く腫れないわけではなく、麻酔の量や体質によっては数日間のむくみが生じる点は覚えておく必要があります。特に麻酔が効きにくい体質の人は、麻酔量が増えるため腫れが強くなる傾向にあります。
どのような人が裏留めの埋没法に適しているのか
裏留めはすべての人に適しているわけではありません。
この術式が最も力を発揮するのは、瞼の皮膚が薄く、脂肪が少ないタイプの人です。瞼が厚い人が裏留めを行うと、糸にかかる負担が大きく、早期に緩んでしまう可能性があります。
厚い皮膚を支えるには強力な固定が必要ですが、裏留めは点での固定が主となるため、重みに耐えきれないケースがあるのです。
また、ダウンタイムを一切取れない職業の方や、術直後からフルメイクをして人に会う必要がある方には適しています。
モデルや接客業など、顔のコンディションが仕事に直結する人にとっては、最強の選択肢となり得ます。
逆に、将来的に二重のデザインを変更する可能性がある方や、眼球への微細な違和感に敏感な方は、リスクを考慮して慎重に検討する必要があります。
一度裏留めを行うと、修正が難しいという点は、長期的な美容計画において大きな足枷になる場合もあります。
自分の瞼の特徴と生活スタイルを天秤にかけ、医師とよく相談して決めることが失敗を防ぐ第一歩です。
裏留めと表留めの特徴比較
裏留めと表留めにはそれぞれ明確な特徴の違いがあります。
| 比較項目 | 裏留め(経結膜埋没法) | 表留め(通常の埋没法) |
|---|---|---|
| 結び目の位置 | 瞼の裏側(粘膜内) | 瞼の表側(皮下) |
| 術後の傷跡 | 表面に傷なし | 数日間針穴が残る |
| メイク開始時期 | 術直後から可能 | 通常2〜3日後から |
| 抜糸の難易度 | 非常に困難 | 比較的容易 |
| 眼球へのリスク | 結び目が接触する可能性あり | 比較的低い |
眼球への物理的な刺激や傷のリスクはあるのか
裏留めを検討する上で最も懸念すべき点は、眼球への安全性です。裏留めには構造上、糸の結び目が眼球(角膜)に接触し、傷をつけるリスクが表留めよりも高い傾向にあります。
もちろん、熟練した医師は結び目を完全に粘膜下に埋め込みますが、瞬きの動作や経年変化によって糸が露出し、トラブルを引き起こす事例も報告されています。
糸が露出して角膜を傷つける可能性は高いのか
本来、裏留めの結び目は結膜(粘膜)の中に深く埋め込まれ、眼球に直接触れないように処置します。
しかし、粘膜は非常に薄く柔らかい組織であるため、強く目をこすったり、炎症が起きたりして、埋まっていた糸が表面に出てくるときがあります。
露出したナイロン糸は硬く、瞬きをするたびに角膜を擦ることになります。これが「角膜上皮剥離」や「角膜潰瘍」といった重篤な眼科疾患につながる恐れがあります。
患者自身では糸が出ているかどうかの判断が難しく、単なるゴミが入ったような違和感として放置してしまうケースも見受けられます。
初期段階では軽いチクチク感程度ですが、放置すると角膜が白濁し、視力低下を招くリスクすらあるのです。
定期的に眼科検診を受け、瞼の裏側をチェックしてもらうことが、早期発見の唯一の手段と言えるでしょう。
特に花粉症の時期などで目をこする頻度が高い人は、摩擦によって糸が露出する確率が上がるため、一層の注意が必要です。
瞬きをした時の違和感やゴロゴロする原因
術後数日間は、糸による張力や組織の腫れによって違和感を感じるときがありますが、裏留めは「ゴロゴロ感」が長期化する場合があります。
これは、結び目が眼球表面を圧迫しているか、あるいは完全に露出していなくても粘膜が隆起して眼球に触れているのが原因です。
特にドライアイ傾向のある人は、涙のクッションが少ないため、わずかな凹凸でも強い異物感として感じ取ってしまいます。
医師は手術時に糸の埋没具合を入念に確認しますが、術後の組織の変化までは完全に予測できません。
また、糸の結び目が硬い瘢痕組織(肉芽)で覆われることで、その部分がしこりとなり、眼球を圧迫し続けるケースもあります。
このような状態が続くと、慢性的な結膜炎を引き起こし、目やにが増えたり、常に目が充血したりといった症状に悩まされることになります。
違和感を感じたら、「そのうち治るだろう」と楽観視せず、早めに執刀医に相談しましょう。
眼球トラブルの症状と原因
| 症状 | 主な原因 | 緊急度 |
|---|---|---|
| 強い目の痛み | 糸の露出による角膜損傷 | 高(直ちに受診) |
| 慢性的な充血 | 結び目による持続的な刺激 | 中(早めに相談) |
| 目やにの増加 | 結膜の炎症や感染 | 中(清潔を保ち受診) |
| 異物感・ゴロゴロ | 粘膜の隆起や糸の圧迫 | 低〜中(様子見不可の場合あり) |
眼科医が指摘するコンタクトレンズへの影響
コンタクトレンズ、特にソフトレンズを使用している場合、裏留めの糸がレンズ越しに眼球を圧迫したり、レンズ自体を傷つけたりするリスクがあります。
眼科医の中には、裏留め手術を受けた患者の瞼の裏側を見て、結び目による慢性的な炎症(巨大乳頭結膜炎など)を懸念する声もあります。
瞼の裏側に凹凸があると、コンタクトレンズが安定せず、瞬きのたびにレンズがずれるという不快感につながる場合もあります。
術後は一定期間コンタクトレンズの使用を控える必要がありますが、再開後も違和感が続くようであれば、直ちに使用を中止し医師の診察を受けることが大切です。
ハードコンタクトレンズを使用している場合は、レンズ自体が硬いため、糸との摩擦でレンズに傷が入るだけでなく、その傷が角膜を傷つけるという悪循環に陥る可能性もあります。
裏留め手術を受ける際は、普段コンタクトレンズを使用していることを医師に伝え、術後の使用開始時期や注意点について詳細な指示を仰ぐようにしてください。
抜糸が難しいと言われるのは本当なのか修正時のハードル
裏留め埋没法の最大のデメリットとも言えるのが、「抜糸の難易度」です。裏留めの抜糸は表留めに比べて格段に難しく、場合によっては抜糸自体が不可能であるケースも少なくありません。
多くのクリニックが「やり直し可能」と謳いますが、裏留めに関しては「安易にやり直せる」とは考えない方が賢明です。
結び目が見えないため糸を探すのが困難な現実
表留めであれば、皮膚の小さなしこりや色素沈着を目印に糸の場所を特定できます。
しかし、裏留めの結び目は赤い粘膜の中に埋め込まれており、しかも透明な糸を使用することが多いため、肉眼での判別が非常に困難です。
手術用の顕微鏡や拡大鏡を使用しても、糸が組織の奥深くに潜り込んでいる場合、見つけ出すこと自体が宝探しのような状態になります。
医師は粘膜を小さく切開して糸を探りますが、見つからなければ傷口を広げることになり、結果として瞼へのダメージが増大します。
探している間はずっと瞼を裏返した状態で固定しなければならず、患者にとっても大きな苦痛となります。
さらに、出血によって視野が遮られると、透明な糸を見つけるのはほぼ不可能となり、手術を中断せざるを得ないケースもあります。
「簡単取れます」という言葉を鵜呑みにせず、一度埋め込んだら取り出すのは至難の業であると認識しておくべきです。
時間経過とともに糸が埋まり癒着するリスクが高い
手術から時間が経過すればするほど、糸の周りには瘢痕組織が形成され、周囲の組織と癒着していきます。特に粘膜側は血流が良く組織修復が早いため、糸が組織と一体化しやすい傾向にあります。
こうなると、単に糸を切って引き抜くだけでは済まず、癒着した組織ごと剥離しなければならないため、出血や腫れのリスクが高まります。
数年経過した裏留めの糸をきれいに取り除くのは、神業に近い技術を要する場合もあります。
無理に引っ張ると糸が途中で切れてしまい、残った糸片が組織内に取り残されるという最悪の事態も想定されます。
取り残された糸は異物反応の元となり、将来的なしこりや感染の原因となる可能性があります。
他院での抜糸を断られるケースが多い理由
自分が執刀した手術であれば、どの位置にどのように糸を通したかある程度記憶やカルテの記録がありますが、他院で行った裏留めの抜糸は情報が全くありません。
どのような糸のかけ方をしているのか、何点留めなのかも不明な状態でメスを入れるのは、地雷原を歩くような危険な行為です。
闇雲に探して見つからなかった場合、患者に不要な傷と痛みを与えるだけで終わってしまいます。
そのため、多くの美容外科クリニックでは、他院で行った裏留め埋没法の抜糸に関しては、「責任が持てない」「見つからないリスクが高い」という理由で断る傾向にあります。
これが「裏留め難民」を生む一因となっています。
抜糸を引き受けてくれるクリニックがあったとしても、高額な費用を請求されたり、「取れなくても費用は返金しない」という条件付きであったりするのが一般的です。
裏留めの抜糸が困難な理由
裏留め埋没法の抜糸がなぜこれほどまでに難しいとされるのか、その理由を具体的に挙げます。
- 結び目が粘膜内に深く埋没しており、目視での確認が極めて困難であるため。
- 使用される糸が透明や極細であることが多く、血液の多い粘膜内では判別しづらいため。
- 粘膜組織は柔らかく、探針などで探っている間に出血しやすく視野が悪化するため。
- 時間が経過すると糸が周囲の組織と強力に癒着し、引き抜くことが物理的に難しくなるため。
- 無理に探そうとすると、瞼板や挙筋などの重要な組織を傷つけるリスクが高まるため。
瞼の裏側にしこりやボコつきができる可能性
美容整形において見た目の美しさは最優先事項ですが、裏留めには特有の「しこり」や「ボコつき」のリスクがあります。
裏留めは皮膚表面は滑らかでも、瞼の裏側や閉眼時の表面に予期せぬ凹凸を生じさせる場合があります。これは技術的な問題だけでなく、個人の治癒力や体質にも依存します。
粘膜下に結び目を埋め込む際の技術的な限界
粘膜は皮膚に比べて非常に薄い組織です。そこに糸の結び目という「異物」を埋め込むわけですから、どうしても物理的な体積分の盛り上がりが生じます。
医師は可能な限り小さく結びますが、糸の強度を保つためにはある程度の結び目の大きさが必要です。
このジレンマにより、瞼の裏側に米粒のようなしこりが残り、それが眼球を圧迫したり、瞼の動きを阻害したりする原因となります。
特に瞼板法ではなく挙筋法で裏留めを行う場合、柔らかい筋肉の中に結び目を埋め込むため、筋肉の動きに合わせて結び目が移動し、違和感を生じやすくなるケースもあります。
瞼を閉じた時に表面に凹凸が出るケース
裏留めは皮膚表面に傷がないのが売りですが、稀に瞼を閉じた時に、糸が通っているライン上がボコボコと波打って見える場合があります。
これは、糸を強く縛りすぎた場合や、組織を過剰に抱え込んでしまった場合に起こります。
また、結び目が裏側にあったとしても、瞼が薄い人の場合は、その結び目の圧力が表側に伝わり、ポコッとした小さな膨らみとして現れることもあります。
これでは「バレない」というメリットが台無しになってしまいます。光の加減でポコポコとした影が見えるため、伏し目になった時に周囲に気づかれるリスクとなります。
炎症や感染によってしこりが生じる原因
術後に細菌感染を起こすと、糸の周りに膿が溜まり、しこりが大きくなるときがあります。また、体質によっては糸に対する異物反応が強く出て、肉芽腫(にくげしゅ)と呼ばれるしこりを形成する場合もあります。
こうなると自然治癒は難しく、抜糸や切開排膿が必要になりますが、前述の通り裏留めの抜糸は困難を極めるため、治療が長期化するリスクがあります。
感染源は術中の操作だけでなく、術後に汚れた手で目を触ったり、古いアイメイク用品を使用したりしても発生します。
術後は清潔を保つことが何よりも重要であり、少しでも赤みや痛みを感じたら、直ちに抗生剤の点眼や内服を開始する必要があります。
しこり・ボコつきの種類と対処法
| 種類 | 特徴 | 対処法 |
|---|---|---|
| 結び目の突出 | 裏側の粘膜がポコッと膨らむ | 経過観察または抜糸・再埋没 |
| 感染性嚢胞 | 赤く腫れ、痛みや熱感がある | 抗生剤投与、抜糸、排膿 |
| 糸の拘縮 | 表面が引きつれ凹凸が出る | マッサージ指導、場合により抜糸 |
| 肉芽腫 | 硬いしこりが形成される | ステロイド注射、外科的切除 |
長期的な持続性とラインが消失するリスク
せっかく手術を受けても、二重ラインがすぐに消えてしまっては意味がありません。
裏留め埋没法の持続性は、表留めと比較して必ずしも優れているわけではなく、むしろ固定力という点では劣る場合もあります。構造上、強固な癒着を作りにくい側面があるためです。
表留めと比較した時の二重ラインの持ち具合
表留めの場合、皮膚と瞼板(または挙筋)を貫通させて固定するため、組織同士の癒着が比較的強く起こり、ラインが安定しやすい傾向にあります。
一方、裏留めは皮膚側まで貫通させない方法や、ループの範囲が狭い方法が多いため、固定力がマイルドになりがちです。
その分、自然な仕上がりにはなりますが、くっきりとした深いラインを長期維持したい場合や、幅広の二重を希望する場合には、ラインが浅くなったり消失したりするまでの期間が短くなる可能性があります。
特に「平行二重」などの幅広デザインを希望する場合、皮膚の折り返しに強い力が必要となるため、裏留めの固定力では支えきれないことが多いのです。
糸への負担がかかりやすく緩むことがあるのか
瞬きは1日に約2万回行われます。裏留めの糸は、この絶え間ない動きの中で常に張力を受け続けます。
特に瞼の脂肪が多い人や皮膚が厚い人の場合、糸にかかる抵抗が大きいため、結び目が組織の中を移動してしまったり、糸自体が緩んだりするケースがあります。
また、目を強くこする癖がある人は、物理的な力で糸を緩ませてしまうリスクがさらに高まります。
裏留めは点での固定になりがちなため、一点にかかる負荷が大きくなることも緩みやすさの一因です。
糸が緩むとラインが消失するだけでなく、中途半端に緩んだ糸が眼球を刺激する原因にもなりかねません。再手術となると、前の糸を抜糸できるかどうかが再び大きな壁として立ちはだかります。
持続期間の目安と影響要因
| 持続期間の目安 | 影響を与える要因(プラス) | 影響を与える要因(マイナス) |
|---|---|---|
| 平均3年〜5年 | 瞼が薄い、幅が狭い二重 | 瞼が厚い、幅広二重の希望 |
| 早期消失(1年未満) | 適切なアフターケア | 花粉症などで目をこする癖 |
| 長期維持(5年以上) | 体重の増減が少ない | 体重増加による瞼の脂肪増 |
費用相場は表留めよりも高額になる傾向がある
美容整形はお金がかかるものですが、裏留めは一般的な埋没法よりも高額な設定になっているところがほとんどです。
結論として、裏留めの費用相場は表留めの1.5倍から2倍程度になるケースが多く、その理由は高度な技術料や特殊な器具の使用、そして「腫れない」という付加価値にあります。
高度な技術が必要とされるため料金設定が高い理由
裏留めは視野の狭い瞼の裏側での操作が中心となり、非常に繊細な手技が求められます。
結膜を傷つけず、かつ確実に組織を固定し、さらに結び目を完全に埋め込むという一連の工程は、経験豊富な医師でなければ完璧に行うことはできません。
この技術的な難易度の高さが、そのまま手術費用に反映されています。クリニック側としても、リスクの高い手術を行うための技術料として高めの価格を設定するのは合理的です。
また、裏留め専用の針や糸を使用する場合、その材料費もコストに上乗せされます。
費用構成と相場の目安
| 項目 | 費用相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 手術基本料金 | 15万〜30万円 | 両目・2点留め等の場合 |
| 麻酔代 | 3,000〜10,000円 | 笑気麻酔や静脈麻酔 |
| 保証制度 | 3万〜10万円 | 期間(1年〜永年)により変動 |
| オプション | 1万〜5万円 | 極細針、腫れ止め薬など |
麻酔やオプション費用が含まれるかの確認が必要
表示価格が安くても、実際にカウンセリングに行くと高額になるケースがあります。
裏留めの場合、痛みを抑えるための笑気麻酔や、術後の腫れを抑えるための特殊な針や糸の使用がオプション扱いになっているクリニックがあります。
また、万が一糸が取れてしまった場合の再手術保証をつけるかどうかで、料金が数万円単位で変わってくることも珍しくありません。
トータルの支払額を把握するためには、見積もりの細部まで確認しましょう。
安さだけでクリニックを選ぶと、アフターケアが不十分だったり、経験の浅い医師が担当になったりするリスクもあるため、価格と質のバランスを見極める必要があります。
失敗しないために医師選びで重視すべきポイント
裏留め埋没法を成功させるための最大の鍵は、どのクリニックのどの医師に依頼するかです。
結論として、広告の「腫れない」という言葉だけに飛びつくのではなく、形成外科的なバックグラウンドを持ち、リスクについても十分に説明してくれる誠実な医師を選ぶことが失敗を防ぐ唯一の道です。
形成外科専門医としての経験と技術力の有無
裏留めは解剖学的な知識が不可欠です。美容外科医の中には、他科から転科して間もない医師も存在しますが、瞼の構造を熟知しているのはやはり形成外科専門医です。
専門医資格の有無は、一定以上のトレーニングを受け、技術と知識を持っていることの証明になります。特にトラブルが起きた際の対応力において、基礎がある医師とそうでない医師とでは雲泥の差が出ます。
ホームページの医師プロフィール欄で経歴をしっかりと確認しましょう。JSAPS(日本美容外科学会)やJSPRS(日本形成外科学会)の専門医であるかどうかも、ひとつの判断基準になります。
メリットだけでなくデメリットも説明する誠実さ
カウンセリングの際、良いことばかりを強調する医師には注意が必要です。
「絶対に腫れません」「一生取れません」といった断定的な表現を使う医師よりも、「あなたの瞼の厚さだと少し腫れる可能性があります」「将来的に抜糸が難しくなるリスクがあります」と、マイナス面も包み隠さず話してくれる医師のほうが信頼できます。
リスクを説明するということは、それに対する対策や心構えがあるという証拠でもあります。
また、質問に対して曖昧な回答しかしない医師や、契約を急かすような態度の医師は避けたほうが無難です。自分の顔を預けるパートナーとして、信頼関係を築ける医師かどうじっくりと見極めてください。
よくある質問
- 裏留め埋没法の効果はいつまで続きますか?
-
裏留め埋没法の効果の持続期間は個人差がありますが、一般的には3年から5年程度と言われています。
瞼が厚い方や目をこする癖がある方は、糸への負担が大きくなり、これよりも早くラインが消失したり薄くなったりする可能性があります。
逆に、瞼が薄く適切なケアを行えば、さらに長期間維持できるケースも存在します。
- 裏留め埋没法の腫れはどのくらいで引きますか?
-
裏留め埋没法の大きな特徴として腫れの少なさが挙げられますが、手術直後は泣いた後のようなむくみが出るときがあります。
通常、大きな腫れは2日から3日程度で落ち着き、メイクでカバーできる範囲になります。完全に馴染んで完成形になるまでは1ヶ月程度を見込んでおくと安心です。
ただし、内出血が出た場合は消失まで1週間から2週間かかる方もいます。
- 裏留め埋没法のダウンタイム中の過ごし方は?
-
裏留め埋没法のダウンタイム中は、血流を良くする行為を避けることが大切です。具体的には、長時間の入浴、激しい運動、飲酒は術後3日間程度控えてください。
また、目を冷やすと腫れを早く引かせられますが、冷やしすぎによる凍傷には注意が必要です。
メイクは直後から可能ですが、落とす際に目を強くこすらないよう、クレンジングには十分注意してください。
- 裏留め埋没法で失敗した時の修正は可能ですか?
-
裏留め埋没法での失敗に対する修正は、技術的に非常に難易度が高いのが現実です。糸が見えにくく組織と癒着しやすいため、抜糸自体ができないケースもあります。
修正を希望する場合は、裏留めの抜糸経験が豊富な医師を探す必要がありますが、必ずしも希望通りの修正ができるとは限らないことを理解しておく必要があります。
まずは手術を受けたクリニックで相談することをお勧めします。
- 裏留め埋没法の痛みはどの程度ですか?
-
裏留め埋没法の手術中は、点眼麻酔と局所麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。麻酔の注射時にチクリとする程度です。
術後は麻酔が切れると鈍痛を感じるときがありますが、処方される痛み止めを服用すればコントロールできる範囲の痛みです。
目にゴミが入ったようなゴロゴロ感が数日続く場合がありますが、これは徐々に改善していきます。
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