目頭切開のリドレープ法とは?韓国式と呼ばれる術式の特徴と傷跡

目頭切開のリドレープ法とは?韓国式と呼ばれる術式の特徴と傷跡

目頭切開のリドレープ法は、目頭にかぶさるひだの下の組織をゆるめ、皮膚をかけ直して形を整える手術です。韓国の医師らが報告した方法で、切開線を目頭の縁に沿わせ、縫った部分を引っ張る力を減らす設計が特徴とされています。

鏡を見ると目頭の赤い部分が皮膚に隠れている、ひだを減らしたいけれど傷あとが心配、という方の選択肢になります。ただ小さく切れば済む手術ではなく、残したいひだの量や目頭の丸みまで含めた判断が必要です。

目次

リドレープ法は皮膚をかけ直す目頭切開

リドレープ法で変えるのは、目頭を覆う皮膚の配置と、その下でひだを作っている組織です。表面の皮膚だけを切り取る方法とは、ひだへの働きかけが異なります。

目頭の赤い部分を隠すひだをゆるめる

蒙古襞(もうこひだ)は、目頭にかぶさる皮膚のひだを指します。鏡で見たときに、その奥の赤い、またはピンク色の部分が隠れていれば、その部分が涙丘(るいきゅう)です。

ひだの張りとは、目頭を覆う皮膚が内側へ引かれ、かぶさった形を保っている状態を指します。皮膚の下には筋肉や線維状の組織があり、表面の切開だけでなく、どの組織がひだを支えているかに合わせた処理が必要になります。

リドレープ法では皮膚を持ち上げ、ひだを作る筋肉の量や下の組織を調整してから、皮膚を新しい位置へかけ直します。目頭を引っ張って露出させるだけではなく、無理な力をかけずに皮膚が収まる形を目指す手術です。

「韓国式」は報告と普及に由来する呼び名

「韓国式」や「韓流目頭切開」という呼び名は、韓国の医師らによって報告され、広まった経緯に由来します。リドレープ法を報告した形成外科医のOhらは、2007年に皮膚をかけ直す方法を発表しました。

この発表のあとに同じ系統の方法の報告が増え、切開の形や余った皮膚の処理を変えた方法も使われています。診察で確認したいのは呼び名よりも、実際にどこを切り、どれだけひだを残す設計なのかです。

ただし、「韓国式」という名称だけで傷の少なさや仕上がりが保証されるわけではありません。報告された地域は手術の由来を示し、まぶたへの適合性は目頭の形や皮膚のかぶさりから判断します。

皮膚を大きく切り取る手術とは異なる

基本となるのは、皮膚を広く切り捨てるのではなく、ひだの下をゆるめて皮膚を移動させる方法です。かけ直したあとに余る皮膚を整える処理はあり、「皮膚を一切切除しない」と同じ意味ではありません。

リドレープ法という名前が同じでも切開や切除の範囲には違いがあるため、予定する傷の位置を鏡の前で説明してもらうと具体的です。

切開線と皮膚の張りで傷の見え方が変わる

傷を目頭の縁に沿わせ、縫った皮膚に引っ張る力が集中しないようにするのが、傷あとへの配慮です。切開を伴うため、傷の線や術後の赤みは生じます。

目頭の輪郭に沿って切開線を置く

リドレープ法は、目頭の目立つ平らな部分に傷を置く設計と比べ、切開線を目頭の縁に収めて傷を目立ちにくくする狙いがあります。傷の長さだけでなく、輪郭のどの部分に重なるかが見え方に関わります。

初期に報告された方法では二重の線やまつ毛の下の線が利用され、現在の手順の解説でも、目頭の縁に沿った切開が重視されています。皮膚のかぶさり方に応じて設計されるので、切開線が全員で同じになるわけではありません。

手術前には、目を開けた状態で見える部分と、皮膚を動かしたときに見える部分を分けて説明してもらいましょう。

縫った部分を引っ張る力を減らす

傷への負担を減らすには、皮膚の下に残る張りをゆるめ、皮膚を無理に引き寄せずに縫う設計が必要です。表面の切開線を短くするだけでは、ひだを内側へ引く力への対応として十分とはいえません。

目頭切開では体質によって傷が盛り上がりやすい方もおり、張りへの処理と皮膚そのものの治り方の両方が見た目に影響します。傷を目頭の縁に沿わせても、その体質まで変えられる手術ではないため、過去の切り傷の治り方も診察で伝える材料になります。

傷の線と赤みは分けて捉える

切開線が輪郭に沿っていても、治る途中の赤みや硬さは残り得ます。手術前に確認する対象は、傷の位置、赤みが残る時期、皮膚が落ち着いたあとの見え方です。

気になる見え方関わる要素診察での確認点
傷の線が見える切開線と目頭の輪郭の位置関係開眼時に傷がどこへ重なるか
赤く見える切開後の治癒の経過予定する検診での赤みの評価
硬く触れる傷が落ち着くまでの変化や体質硬さが続く部位と前回からの変化

傷が残る不安から手術をためらう気持ちは自然です。まずは「線が見えるのが心配なのか」「赤みが続くのが心配なのか」を分けると、必要な説明を受けやすくなります。

また、中国で両術式を比べた計1,539人の術後6か月までの結果では、リドレープ法とZ法で傷の評価や満足度に違いが報告されています。距離の縮まり方には大きな差がなく、傷の評価はZ法が良いという結果でした。この比較からは、リドレープ法が一律に傷の少ない選択肢とはいえません。

目頭切開で変わる幅と丸み

ひだのかぶさりが減ると、目頭の赤い部分が見える範囲と、目の横幅の見え方が変わります。自然な仕上がりかどうかは、変化の量に加えて、残すひだや目頭の丸みで決まります。

変化量は平均値と希望する見え方を分ける

韓国でリドレープ法に皮膚切除を組み合わせた変法を受け、3か月以上追跡された525人では、目の横幅が平均1.2mm広がり、左右の目頭の間は平均2.4mm縮んでいました。見た目の変化を相談するときに、横幅と目頭間の距離を区別するための目安になる数値です。

測った部分報告された平均の変化相談につながる点
目の横幅1.2mmの拡大隠れていた目頭をどこまで出すか
左右の目頭の間2.4mmの短縮正面から見た両目の印象の変化

この平均値は皮膚切除を組み合わせた特定の変法の結果であり、手術前のひだの形や個別の設計を置き換える予測値ではありません。診察では数字だけを目標にせず、鏡で赤い部分の露出と目頭の輪郭を一緒に確認します。

自然さは「少しだけ出す」と同じではない

元の形を残しながら目頭を出したい方にも、ひだを残す設計で、完全になくす設計より変化を抑えた印象を目指す手術として検討されます。

ただし、当院ではリドレープ法は目頭をしっかり出すのに有効な一方、ほんの少しだけ出す量の調整はやや難しいと考えています。「自然にしたい」が赤い部分を少し見せたいという意味なら、その希望を術前に具体化する必要があります。

希望の伝え方は、見せたい赤い部分の範囲と、残したいひだの位置です。目元の印象を変えたいのか、今の印象を保ってかぶさりだけを減らしたいのかでも、相談する設計は変わります。

目頭に丸みが出る変化も含まれる

リドレープ法では、手術後の目頭がやや丸みを帯びる場合があります。目頭を露出させる量が希望に合っていても、先端の輪郭が変わると仕上がりの印象は違って見えます。

尖った目頭の形を保ちたい方は、皮膚のかぶさりを減らす希望とは分けて、先端の形も伝える必要があります。赤い部分の見える量だけで同意せず、丸みを伴う変化を受け入れられるかまで説明を受けると判断しやすくなるでしょう。

合いやすさはひだのかぶさりと希望で決まる

目頭に皮膚がかぶさり、その下の組織をゆるめて配置を変えられるまぶたが、リドレープ法を検討する対象です。同じ大きさのひだに見えても、伸びる方向や希望する輪郭が違えば選ぶ方法は変わります。

赤い部分を覆う皮膚があるまぶた

鏡で正面を向いたときに確認するのは、目頭の赤い部分が皮膚に隠れ、鼻側の輪郭がひだで覆われているかです。こうしたかぶさりがある方は、診察でそれを減らした姿を検討できます。ただし、リドレープ法が合うかの判断には、皮膚を移したあとに無理なく収まるかの確認も必要です。

傷の見え方や目頭の間の距離の変化は、ひだの型と強さによって異なります。中国で目頭切開を受けた106人を6か月追跡した比較でも違いが報告されており、ひだの大きさだけで術式を決めず、かぶさり方まで診てもらう理由になります。

写真では皮膚の厚みや引かれる方向を読み取りにくいため、正面の見た目に加え、診察で皮膚を動かしたときの変化も評価されます。自分で目頭を強く引っ張った状態を、そのまま完成形と捉えるのは避けましょう。

少量の調整や尖った輪郭を望むまぶた

赤い部分がすでによく見えるまぶたや、皮膚のかぶさりがわずかなまぶたでは、ひだを減らす余地そのものが限られます。残っている皮膚が少ないのに、さらに目頭を出す設計が希望に合うかは慎重な判断が必要です。

鏡で見える状態や希望リドレープ法での検討点
赤い部分がひだに隠れているかぶさりを減らしたあとの露出範囲
赤い部分がすでによく見えるさらにひだを減らす必要があるか
ほんの少しだけ目頭を出したい小さな変化の調整が希望に合うか
先端の尖りを保ちたい術後に丸みが出る変化を許容できるか

一方、ひだが大きいという理由だけで、必ずリドレープ法が合うともいえません。下へ伸びるかぶさりや皮膚の余りを含めて、どの位置に傷ができるかを個別に確認します。

診察で伝えるのは残したい形まで

診察では変えたい部分だけでなく、残したい輪郭を伝えると手術の設計を相談しやすくなります。漠然とした「自然さ」を、目頭の具体的な形に置き換えるのが出発点です。

  • 赤い部分の露出範囲 … 現在隠れている部分のどこまでを見せたいか
  • 目頭の先端 … 丸みを受け入れられるか、尖った輪郭を残したいか
  • 残したいひだ … 今のかぶさりをどの部分に残したいか
  • 以前の傷の治り方 … 赤みや硬さが長く残った経験

希望する変化と傷への許容範囲が両立しないときは、手術を急いで決めず、どちらを優先したいかを診察で整理する余地があります。

リドレープ法の術後から3か月まで

当院では、腫れのピークを翌日から翌々日、抜糸を術後9日前後として予定を組みます。仕事に戻る時期と、傷の赤みが落ち着く時期は分けて準備すると、術後の見た目を想定しやすくなります。

腫れのピークと抜糸を予定に入れる

手術当日よりも翌日や翌々日に腫れが強くなり、目頭の形が気になる時期があります。大まかな腫れが引く目安は術後7日程度で、仕事への復帰を計画する際にも、この時点で糸が残っている点を織り込む必要があります。

時期の目安見た目や処置予定を立てる際の注意
翌日〜翌々日腫れのピーク直後の形で仕上がりを判断しない
術後7日程度大まかな腫れが引いてくる仕事復帰の目安でも抜糸前
術後9日前後検診と抜糸通院の予定を確保
抜糸翌日メイクの再開が可能傷の状態に応じた指示を確認

内出血が出た場合は1〜2週間で吸収されていくため、人前に出る予定では腫れだけでなく色の変化も考慮します。メイクで隠す予定があっても、開始日は抜糸翌日以降という区切りがあるため、術後すぐに隠せる前提では準備しないほうがよいでしょう。

1か月ごろは赤みや硬さが見える時期

術後1か月ごろのリドレープ法の傷は、赤く硬く見える時期に当たります。腫れが引いたあとも傷の変化は続き、抜糸が済んだ時点で傷まで完成したとは扱いません。

当院では術後1〜2か月のテープ保護を勧めており、この期間は保護を続けながら経過を見る予定になります。テープを貼る位置や交換方法は傷の状態に合わせて確認し、自分の判断で強く引っ張って固定する使い方は避ける必要があります。

赤みの有無だけでなく、前回より範囲が広がっていないか、硬さが増していないかも検診で伝える材料です。術後1か月の診察は、こうした変化を確認する機会になります。

3か月ごろの赤みを検診で確認する

術後3か月ごろに赤みがほぼ引いていきます。この時期の検診で、残っている赤みや硬さと、目頭の輪郭を確認します。

ただし、赤みや盛り上がりが出やすい体質の方では、同じ時期でも傷の見え方が違います。赤みが残るという理由だけで仕上がりを断定せず、前回の診察から変化しているかを見ながら、追加の診察や処置が必要か判断を受けます。

経過の確認は術後9日前後、1か月、3か月ごろが基本となるため、見た目が気にならなくなっても予定された検診を受けましょう。

目頭切開のあとに相談したい変化

リドレープ法でも、傷が見える、ひだが残る、時間の経過でかぶさりが戻るといった問題は起こり得ます。傷の治り方と形の変化を分けて伝えると、診察で確認する対象が明確になります。

赤みや硬さが強まるとき

目頭は傷が赤く盛り上がりやすい部位であり、リドレープ法でも傷の治り方に問題が出る可能性があります。通常の赤みが残る時期であっても、前に比べて赤みや硬さが増しているなら、次の定期検診まで待つべきか手術を受けた医療機関へ相談してください。

韓国で二重の手術とリドレープ法の変法を同時に受けた147人では、目頭や二重の線の傷が見えると訴えた方が8人でした。傷の見え方を術前に確認する理由となる報告で、同時手術を受けた集団の結果として受け止める必要があります。

ひだが残る変化と戻る変化

希望した範囲まで目頭が出なかった状態と、いったん減ったひだが再びかぶさってくる状態は区別して相談します。前者は変化の物足りなさ、後者は後戻りと呼ばれ、同じ「ひだがある」という見た目でも経過が異なります。

目頭の変化の物足りなさは、韓国で目頭切開を受けた199人のうち、皮膚をかけ直す変法を受けた105人中4人で不満として挙げられていました。傷の位置への配慮と、希望する変化が得られるかの確認を両方行う理由になります。

さらに、前述の同時手術を受けた147人では、ひだの後戻りが2人で報告されています。皮膚をかけ直す方法でも、ひだの再出現が起こり得ると知ったうえで、いつからかぶさりが気になり始めたかを伝えると経過を共有しやすくなります。

相談時は変化した部位と時期を伝える

術後の相談では、気になる部分が傷なのか目頭の輪郭なのかを先に伝え、そのあとに変化した時期を添えると状況が伝わりやすくなります。確認してもらいたいのは、現在の見た目だけでなく、それまでの経過です。

  • 気になる部位 … 右か左か、目頭の縁かその周囲か
  • 見た目の変化 … 赤みや硬さの増加、かぶさりの再出現
  • 変化した時期 … 抜糸の前後か、いったん落ち着いたあとか

自分で傷を引っ張ったり押したりして形を変えようとせず、診察で傷と輪郭の状態を確認してもらってください。

よくある質問

リドレープ法と韓国式目頭切開は同じ意味ですか?

リドレープ法は韓国式や韓流目頭切開とも呼ばれます。韓国の医師らが報告し広まった方法を指す呼び名で、実際の切開位置や皮膚の処理には変法があります。

リドレープ法なら傷あとが見えなくなりますか?

切開を伴うため、リドレープ法でも傷あとは残ります。目頭の平らな部分に傷を置く設計と比べ、縁に沿わせて傷の線を目立ちにくくする狙いがあります。

赤みや硬さがどの程度残るかは皮膚の治り方にも左右されるため、診察では切開予定線に加え、過去に傷が赤く硬くなった経験も伝えましょう。

目頭をほんの少しだけ出す希望にも合いますか?

小さな変化を望む方では、希望する量の調整がリドレープ法で可能かを個別に検討する必要があります。当院では、しっかり目頭を出すのに有効な一方、少しだけ出す調整はやや難しいと考えています。

鏡の前で、残したいひだと見せたい赤い部分を具体的に示すと希望が伝わります。丸みを帯びる変化も含め、提示された設計が希望に合うかを確認しましょう。

術後1か月で傷が赤く硬いときは相談が必要ですか?

術後1か月は赤みや硬さが見える時期なので、予定された検診で傷の状態を確認するのが基本です。抜糸後も傷の変化は続くため、赤みがあるだけで手術の結果を決める時期ではありません。

前の診察より赤みや硬さが強くなった場合は、定期検診を待たずに手術を受けた医療機関へ連絡してください。いつから、どの部分が変わったかを伝えると、受診時期を相談しやすくなります。

参考文献

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この記事を書いた人

形成外科専門医 王子富登
形成外科専門医
王子 富登

オジスキンクリニック顧問医師 / 医学博士

2010年、慶應義塾大学医学部卒業。
慶應義塾大学病院形成外科、東邦大学医療センター佐倉病院形成外科(医局長)などを経て現職。

形成外科専門医として大学病院で研鑽を積み、2016年度には眼瞼下垂手術の執刀症例数が千葉県最多を記録。まぶた眼瞼外来の開設や、大手美容クリニックでの勤務経験も併せ持つ。
二重手術、眼瞼下垂手術、二重修正手術、逆さまつげ手術など、まぶた治療において豊富な経験を有し、初回手術から難症例まで幅広く対応している。

また、日本美容外科学会(JSAS・JSAPS)などにおいて、まぶた手術や修正手術に関するシンポジウム・パネルディスカッションへの招待演者として多数登壇し、専門的な知見の発信も行っている。

「目の前の患者さんを自分の家族だと思ってメスを持つ」を信条に、二重整形、眼瞼下垂、まぶたのたるみ治療、他院修正など、“まぶた治療”のスペシャリストとして、機能性と美しさの両立を追求した緻密な手術を行っている。

【所属学会】
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)

学会発表歴はこちら

2025年 第113回日本美容外科学会(JSAS)

  • 「眼瞼修正シンポジウム」招待演者
    演題:「治しにくい二重切開、治しやすい二重切開 ― 修正手術の現実からみるその違い ―」
  • 「ラウンドテーブルディスカッション ~眼瞼下垂を極める~」招待演者

2024年 第47回日本美容外科学会総会(JSAPS)

  • 「二重修正シンポジウム」招待演者
    演題:「重瞼における“姿”=“重瞼の強さ”を意識した修正手術」

2023年 第47回日本美容外科学会総会(JSAPS)

  • 「パネルディスカッション 眼瞼形成術後の修正術」招待演者
    演題:「二重まぶたの修正手術を考える」
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